マガジンのカバー画像

米津玄師さん

13
運営しているクリエイター

記事一覧

ドラマ、ではなく本当の話

ドラマ、ではなく本当の話

離婚からはじまるラブストーリー 
ドラマ「リコカツ」 
ドラマを見ていないので、詳細はわからないが、どうやら、当事者のふたりは離婚したらしい。そこからどんなストーリーが展開していくのか…

ドラマだからこそではあるが
実際、離婚からラブストーリーなどはじまらない。

自身の場合
離婚からはじまったもの
それは
世界の果てよりも遠い
自分の心の底への果てしない旅である

離婚して10年が経つ

3カ

もっとみる
ゆめうつつ

ゆめうつつ

ゆめうつつ
夢現つ
夢と現実
夢と現実の境がはっきりしないさま 

白黒つけない 
グラデーションのような時間が 
ゆめうつつ 

米津玄師さんの新曲『ゆめうつつ』を聞き
夢と現実を行き来するような
まどろみの心地よさを感じた

そして、曲の最後
「また明日」
この一言の意味をふと考える

また明日と言えるのは
明日は必ずやってくる
という前提があるから

明日が来るのは当たり前
だけど
当たり

もっとみる
「カナリヤ」に込められたメッセージ「生きていてもいい」そして「変化を恐れず前へ進む」ということ

「カナリヤ」に込められたメッセージ「生きていてもいい」そして「変化を恐れず前へ進む」ということ

米津玄師さんの楽曲「カナリヤ」のミュージックビデオが公開された。
映画監督の是枝裕和監督と初タッグを組んだ作品で、まるで短編映画を見ているようで何度も見入ってしまった。

愛する人の最期に手を触れることもできず、悲痛な表情のおじいさん
裸でふれあう若き男女
ビニールカーテンで隔てられたコンビニのレジ 

コロナ禍の影響を受けた描写がダイレクトに飛び込んでくる。
楽曲はピアノの旋律に導かれる優しいメ

もっとみる
「深い人」米津玄師さんについての考察

「深い人」米津玄師さんについての考察

米津さんの曲はどれも深い

読書をしている感覚に近いです

歌を読むというのでしょうか 

本を読んでいてはっとする部分があると、きっと自分の経験と何かつながりがあるんじゃないかと思うのですが、米津さんの曲を聞いているとそれと同じ感覚になります。

一度読んだ本でも読む度に新たな発見や共感できる部分が見つかるように、聞けば聞くほど味わい深い。

それは米津さんがとても深い人であるからだと思います。

もっとみる
優しい人

優しい人

「優しい人」
あなたみたいに優しく 正しく 
綺麗になりたい
けれどそうなれない自分がいる
その悲しみが伝わってきます
気の毒に生まれて
汚されるあの子
あぶれて取り残されるあの子
あの子じゃなくてよかったと思う私 

思っても口に出すには憚れる言葉を歌詞にして歌い上げるその心情を想像すると葛藤や苦悩に満ちていて切なくなります。誤解を招くような否定的とも受け取れる言葉をストレートに表現する潔さも感

もっとみる
カンパネルラ

カンパネルラ

「けれどもほんとうのさいわいは
いったいなんだろう。」
宮沢賢治「銀河鉄道の夜」より

一度変わってしまったものは
二度と元には戻らない
出会った頃のように笑えない寂しさがある
だからこそ一瞬の、その瞬間が美しい
その美しい瞬間を歌というかたちで表現する米津さんはミュージシャンでありながら哲学者でもある。
深い思考の持ち主であると改めて感じます。

この曲から「生と死」について考察するならば、死と

もっとみる
Lemon

Lemon

「思い出」

わたしをおぼえていて、わたしが旅立ち

はるか沈黙の国に、行ってしまったとき

そのときはもう、あなたはわたしの手をとることができず

行きかけたわたしが、ふりむいて戻ることもない

わたしをおぼえていて、あなたが描いたふたりの未来を

日ごと語ってくれることができなくなった、そのとき

ただ、おぼえていてくれればいいの、だって、そのときは

言葉をつくしても、祈っても、遅いのだから

もっとみる
カナリヤ

カナリヤ

「生きていても、いいんだよ。

おまえは…生きていてもいいんだ。

本当に、生きていても、

いいんだよ」

天童荒太「永遠の仔」より

「いいよ あなたとなら いいよ

二度とこの場所には帰れないとしても

あなたとなら いいよ

歩いていこう 最後まで」

米津玄師 「カナリヤ」より

カナリヤを聴いた時この本の一節を思い出しました。 

この本は私にとって永遠のバイブルと言える大切な一冊であ

もっとみる
サンタマリア

サンタマリア

いつか紺碧の 仙人掌が咲いて
一枚の硝子は崩れるだろうさ
信じようじゃないか どんな明日でも
重ねた手と手が触れ合うその日を
呪いが解けるのを

米津玄師 「サンタマリア」より

この曲はコロナ禍以前に作られた曲ですが、まさにコロナ禍の状況を表しているのではないかと
個人的に感じています。

曲の冒頭に
「掌をふたつ 重ねたあいだ
一枚の硝子で隔てられていた」
とあります。
私の解釈では実際に硝子

もっとみる
まちがいさがし

まちがいさがし

まちがいさがしの間違いの方に
生まれてきたような気でいたけど
まちがいさがしの正解の方じゃ
きっと出会えなかったと思う

米津玄師「まちがいさがし」

どっちがまちがいで どっちが正解か
どっちもありうるし
なにがまちがいで なにが正解か
わからなくなるときがある

その選択が正しかったか間違いだったか
それは結果が出なければわからない
正解の方では出会えなかったであろうこたえもある
最終的には否

もっとみる
でしょましょ

でしょましょ

非常にやるせないことばかりで
全部嫌になっちゃうな
今日はいい日だ死んじゃう前に
なあなあで行きましょ
るるらったった

異常な世界で凡に生きるのがとても難しい
令月にして風和らぎ まあまあ踊りましょ

米津玄師「でしょましょ」

異常で不穏な世界を表わしているかのような曲調であるが、
何もかもが嫌になってしまったときに聞くと、
まあまあ なあなあで行きましょう という気分になれるちょっと不思議な

もっとみる
「好き」なことがあれば、この世は 「楽しい」

「好き」なことがあれば、この世は 「楽しい」

米津玄師さんを好きになったきっかけは「Lemon」である。
「Lemon」をはじめて聞いた時はいい曲だなとは思ったが、熱烈に聴くほどではなかった。
この曲はドラマの主題歌にもなっていたが、そのドラマも見たことはなく、内容も知らなかった。
しかし、その時読んでいた本の中で出会った詩と「Lemon」の歌詞が自分の中でリンクし、
米津さんはこの詩を知っていたのだろうか?
この詩を元に「Lemon」を作曲

もっとみる