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美味しい北東北

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北東北の食に関する記事やつぶやきまとめ
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記事一覧

花見といえば団子より桜餅よりカニ。そんな文化が青森にある。

花見といえば団子より桜餅よりカニ。そんな文化が青森にある。

 2024年。4月も半ばの今、北東北は桜の盛りを迎えている。
 花見の定番といえば、間違いなく団子と桜餅だろう。桜の名所と名高い青森県の弘前公園でも、桜祭りの季節には有名な花より焼き団子などが売られ、コンビニやスーパーでも関東風・関西風問わず様々な桜餅が売られている。

 しかし青森では、団子や桜餅と並んで一風変わったものが花見の定番としてこの時期にもてはやされている。
 それがタイトルにもある通

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ビジュアルの吸引力が強すぎるにごり酒「白うさぎ」は合法だけど危険なやつ

ビジュアルの吸引力が強すぎるにごり酒「白うさぎ」は合法だけど危険なやつ

 ジャケ買いという言葉がある。

 元はレコードやCDなどに使う言葉で、魅力的なデザインのパッケージに惹かれ試聴せずに購入することを指す言葉だ。

 さて、昨今は情勢により数年前と比べて店頭での試飲・試食自体かなり減った。
 しかも基本的に自家用車で移動する北東北‪在住の現在、飲んだことのない酒の購入となるとネット上の評判などを参考に購入することが殆んどだ。
 しかしそんな中でも自分も店頭で見かけ

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「珍味」より「佳味」と呼びたいヌタウナギ

「珍味」より「佳味」と呼びたいヌタウナギ

 ヌタウナギという魚がいる。
 厳密には無顎類という魚類とは違うグループなのだが、広義では魚に含む場合もあり、しかも「魚屋に売っている魚っぽい生き物」なので当記事では魚として扱う。

 その独特のビジュアルや「ピンチになるとスライム状の粘液を体から放出する」というそろそろポケモンのモチーフになりそうな特徴的すぎる生体からか、鉄腕DASHなどのテレビ番組で幾度となく取り上げられており、数々のライター

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「八戸ブイヤベース」が美味しすぎたので、直売所を回って集めた食材で自作した

「八戸ブイヤベース」が美味しすぎたので、直売所を回って集めた食材で自作した

 青森県の八戸市では、毎年2月1日から3月の終わりまで八戸ブイヤベースフェスタというイベントを開催している。
 ちょうどえんぶりの期間と重なることもあり、えんぶりを見に来た際にポスターなどを見かけた方も少なくないと思う。

 このイベントの期間中、八戸市内の様々なレストランでは八戸港で水揚げされた魚介類を用いた各店舗オリジナルの八戸ブイヤベースが提供される。
 ブイヤベースはフランス南部などで見ら

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先日イオンで見かけた八郎湖(八郎潟)産のわかさぎを使用したから揚げ。八郎太郎に思いを馳せつつじっくりいただくつもりだったものの、サクサクと小気味いいスナック菓子のような食感と甘辛いタレに箸が止まらずあっという間に完食。かなり美味しかったのでまた見つけたら買おう。

ハモじゃない!マアナゴでもない!でも美味しい!「沖ハモ」の旨さを再確認する

ハモじゃない!マアナゴでもない!でも美味しい!「沖ハモ」の旨さを再確認する

 青森県や岩手県の魚屋では、時折「沖ハモ」と表記された細長い魚が開かれた状態で売られている。

 ハモは基本的に暖かい海で獲れるはずなのに、多くの場合表記されている「青森県産」または「岩手県産」の文字と、透明感のあるハモの身とは似ても似つかない真っ白い身からわかる通り、この魚はハモではない。
 この魚の正体はイラコアナゴという太平洋の深海に生息する魚だ。

※このイラコアナゴという名称については、

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【青森県八戸市】今はなき百貨店で愛された味と、インドネシアの家庭料理のお弁当店「エナック」

【青森県八戸市】今はなき百貨店で愛された味と、インドネシアの家庭料理のお弁当店「エナック」

 青森県八戸市の中心街には、かつて三春屋という百貨店があった。

 2019年に閉館したが建物は現存しており、日中は風除室がバスの待合室代わりに開放されている。
 一応は今年の4月からインドア型テーマパークがであるAEM (アエマ)がオープンするという話はあるようだ。
(3/8追記 :地元新聞社のニュースによると半年ほど延期になったとのこと)

 地元の人たちの間ではかなり愛された店だったらしく、

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パンの耳でできたビール「ブレッドヴァイツェン」を飲んでみた

パンの耳でできたビール「ブレッドヴァイツェン」を飲んでみた

 先日スーパーのビールコーナーで面白いものを目にした。

 こちらのビールなのだが、瓶にデザインされているこの少年の顔に東北の方なら確実に見覚えがあるはずだ。シライシパンのマスコット、シライシ坊やだ。
(こう書いたが、実は名前は今回初めて知った。そういう名前だったのかこのキャラクター)

 なぜパンのマスコットキャラがビールコーナーにと思ったところ、どうやらこのビール「ブレッドヴァイツェン」はシラ

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【青森県五戸町】青森の古民家でメキシコの家庭料理を食べてきた「VIVA LA VIDA」

【青森県五戸町】青森の古民家でメキシコの家庭料理を食べてきた「VIVA LA VIDA」

 昨年青森県新郷 (しんごう)村で行われた月刊ムー主催のミステリーキャンプ。
 こちらを体験した際の中で「VIVA LA VIDA」というメキシコ料理の屋台が非常に美味しかったという話を以前に紹介した。

 あれから3ヶ月、ついに先日このお店にお邪魔する機会があった。
 屋台が美味しいのだから店舗も当然、いや屋台で上がったハードルを楽々飛び越すほどに美味しかったので紹介したい。

 VIVA LA

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チキンもいいけどきりたんぽ鍋もね

チキンもいいけどきりたんぽ鍋もね

 今週日曜日はクリスマスイブ。家族や恋人と過ごす方も多いだろう。
 そんな時、食卓に上がるものといえばなんだろう。

 ケーキ、勿論それも欠かせない。
 国によっては七面鳥だったり鯉だったりするのは承知の上で、一般的に日本のクリスマスの定番といえばチキンは欠かせないはずだ。

 そう、チキン。チキンである。

 チキンといえばそう。

 きりたんぽ鍋である。

 以前、秋田県の大館 (おおだて)

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食害を逆手にPR!?クマも食べにくるブドウで作った「Danger」なワイン

食害を逆手にPR!?クマも食べにくるブドウで作った「Danger」なワイン

 本日11月16日は2023年のボージョレ・ヌーボー解禁日だ。
 先月あたりからスーパーや酒店の店頭ではワインやそれに合うおつまみの広告が張り出されており、ちょっとしたお祭りの様相を呈している。

 さて、ワインの中でも国産ワインといえば山梨県や長野県が有名だが、北東北でも様々なワインが作られている。
 有名なところでは山ぶどうを使用した岩手くずまきワインや、国産ワインの草分け的存在であるシャトー

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【青森県田子町】「にんにくとべごまつり」で牛の丸焼きに惹かれ、田子牛に心を奪われた

【青森県田子町】「にんにくとべごまつり」で牛の丸焼きに惹かれ、田子牛に心を奪われた

 青森県田子町 (たっこまち) では「にんにくとべごまつり」というイベントが毎年開催されている。
 べごとは牛のことであり、すなわち「にんにくと牛肉のまつり」だ。

「にんにく」「牛肉」「まつり」
 ハレのワードが並んでいる。なんと素敵な響きだろう。

 先日バーチャルYouTuberの今酒ハクノ氏とコラボしたことでご存じの方も多いと思うが、青森県田子町は古くからにんにく生産に取り組んでおり、町と

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内緒にはしておきたくない、イクラ丼の罪なちょい足し

内緒にはしておきたくない、イクラ丼の罪なちょい足し

 寒さの深まりと共に、イクラの粒がどんどん大きくなってきている。

 先日、今シーズン最初のイクラの仕込みをした。
 家族にイクラ好きがいるので毎シーズン何回かは仕込む。

 日本で醤油や塩漬けのイクラが一般的になったは大正時代からだという。
 一応、調理法は不明ながら平安時代に子持ちの鮭を使ったものと思わしき加工品の記録があるらしい。また、北海道のアイヌの伝承に干したイクラに関連する話があるなど

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生のウニを乗せた「ウニ丼」もいいですが、ウニの炊き込みご飯「うにめし」も捨てがたい。見た目こそ地味ながら、一口食べればウニの香りを存分に味わえる料理ということがわかるはず。それにつけても、加熱で甘味が増したウニの旨さよ。
写真は岩手県久慈市の小袖海女センターにて購入したもの。