新出孤蝶 Kocho-Niide 試される大地の見習い総合診療医

読書と言葉を紡ぐことを愛する医師です。 趣味は上記の他、映画鑑賞など多数あります。 新…

新出孤蝶 Kocho-Niide 試される大地の見習い総合診療医

読書と言葉を紡ぐことを愛する医師です。 趣味は上記の他、映画鑑賞など多数あります。 新出孤蝶(にいでこちょう)は、「赤ひげ先生」こと新出去定(にいできょじょう)から考えたペンネームです。 ここでは徒然なるままに、医療以外にも好きなものについてのエッセイを投稿してまいります。

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  • 見習い総合診療医の映画感想文

    筆者が書いた映画に関する記事をまとめたものです。好きな映画について徒然なるままに綴っています。JIN-仁-はドラマですが、映画に準じてこのマガジンにも追加しています。

  • 研修医のためのお役立ちnote

    研修医による研修医のためのお役立ちnoteです。筆者が今まで書いた記事で、現役研修医向けの記事を集めました。

  • 見習い総合診療医の読書感想文

    筆者の読書感想文記事のまとめです。研修医におすすめの医学書から、大好きなミステリ、自分の人生に影響を与えた本まで、幅広く書いています。

  • 沈黙の艦隊noteまとめ

    筆者が書いた「沈黙の艦隊」にまつわる記事のまとめです。 主に劇場版、Prime Videoドラマシリーズ感想文になります。

  • 救急外来を生き抜く、レッドフラッグサインまとめ

    研修医に最低限ぜひ伝えたい、「救急外来を生き抜くためのレッドフラッグサイン」のまとめです。 あくまで、「救急外来を生き抜くための必要最低限」に絞ってのコンテンツであり、救急外来でもすぐに使えるように、パッと一目でわかることを大事に、シンプルな構成にしました。 そのため、大事なことだけを厳選し、ぎゅぎゅっとまとめた形をとっています。「これが足りない!」「あれが足りない!」と言うお声もあるかと存じますが、コンセプトはあくまで上記のように定めていることをご容赦ください。 もちろん、先輩方からのご助言はいつでも大歓迎です。 お気づきの点がありましたら、ぜひコメントでご教示ください。

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救急外来の夜勤帯は、多忙すぎる時とそうでない時の落差が激しい。
ほっとするその束の間、読書し、執筆するのは、自分にとって何よりマインドフルネスな時間です。
さて、10月27日から11月9日の読書週間、いつもよりギアを入れて読書するように努めています。
今回読んだのは、「嫌われる勇気」。
言わずと知れた、アドラー心理学の人気を不動のものにした大ベストセラーです。

筆者はこの本を学生時代に初めて読み

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本日5月4日、一般的にはみどりの日ですが、シャーロキアン(シャーロック・ホームズファンのこと)にとっては別の意味があります。
シャーロック・ホームズと、宿敵であるモリアーティ教授がライヘンバッハの滝壺に落ちた日(最後の事件)です。その後、ホームズだけ奇跡的に生還します。
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夢枕獏さんの小説「陰陽師」シリーズのファンである筆者。
とても楽しみにしていた、映画「陰陽師0」を観た感想について、心ゆくままに書きつくれば。

映像について

今回の映画「陰陽師0」。
夢枕獏さんの「陰陽師」シリーズファンとして、大いに楽しませていただきました。原作「陰陽師」シリーズで夢想し続けた、幻想的な平安風景が、スクリーンいっぱいに広がっていたのですから。

夢枕獏さんの「陰陽師」の世界は

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私の好きな「陰陽師もの」3選〜王道から幻の作品まで、現代人の心が求める陰陽師たち〜

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北国はようやく桜が開花する頃合いとなりました。
桜は毎年春が来るたびに、人の心を和ませてくれるかけがえのない存在ですね。

さて、この春は毎年恒例のコナンの映画はもちろん観ました。
しかし、「陰陽師もの」が好きな筆者、コナンの映画以外にも楽しみにしている映画があります。
それが「陰陽師0」です。

これまで筆者は、夢枕獏さんの小説「陰陽師」シリーズをはじめ、様々な「陰陽師もの」の作品を観てきました

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往年のコナンファンにとってご褒美的作品〜劇場版名探偵コナン「100万ドルの五稜星」(ネタバレなし感想文)〜

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今年もコナンの映画の季節がやってきました。
コナンの映画が始まると、一気に春がきたなと感じる北海道民です。
コナンは子供の頃から好きで、私がミステリ好きになる一番最初のきっかけです。黒の組織との戦いにまつわる、年単位での繊細な伏線回収には、今なお惹きつけられて止みません。そして、実は私自身が「コナンと同い年」ということもあって、非常に思い入れが深い作品なのです。

劇場版は一時離れていましたが、「

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言の葉はこれからも続く〜改めての自己紹介〜

言の葉はこれからも続く〜改めての自己紹介〜

北国も、風が心地よい春のものになってきました。
それでも、桜開花はもうちょっとかかりそうです。

さて、noteの投稿数が、いつの間にか100件を突破していました。
いつも読んでいただき、本当にありがとうございます。
書きたいものだけ書いてきたから、とても楽しくて続けられています。

noteを始めたきっかけは、バーンアウトで休職ししばらくした時、「そろそろ休むのにも飽きてきたなあ」と思ったからで

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初期研修2年間を生き抜く上で、私が大事にしていたこと10選。
日々健やかに学び続けるために。
インクはコトバノイロの「蒼穹」を使いました。
明るさの中に不安が潜んでいるような青空の色の「蒼穹」。
不安でいっぱいの研修生活の中でも、明るくsurviveしてもらえたらという願いを。

一生モノの、言葉の出会い。

一生モノの、言葉の出会い。

久々に本棚を整理してみて、その本と出会ったときのことを思い返すときがある。
その中でも、一際鮮烈に、印象に残っている本との出会いがある・・・。
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その作家に出会ったのは、大学2年生の秋の日のことだった。
その日も昼休み、いつものように大学生協の図書コーナーを眺めていた。
医学部が独立したキャンパスにある図書コーナーは、ほぼ医学書で占

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「映像化不可能」のはずの傑作ミステリ、実写化しても傑作だった。〜Huluオリジナル「十角館の殺人」感想文(ネタバレなし)〜

「映像化不可能」のはずの傑作ミステリ、実写化しても傑作だった。〜Huluオリジナル「十角館の殺人」感想文(ネタバレなし)〜

仕事が忙しくて疲れていても、
「ずっとこれが見たかったんだ!」
と思える作品を、朝からゆっくり楽しめる。
そんな休日はいいものです。

さて、人気ミステリランキングでは1位常連にして、「映像化不可能」としか思えないトリックを擁する、綾辻行人先生の「十角館の殺人」。
これがなんと実写化しました・・・。
実写化のニュースが出た時にはミステリファンがどよめきました。
それぐらいの作品です。
例えるなら、

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ペンハウスから出ている、名作をモチーフにしたインクシリーズ「コトバノイロ」。
思い切り琴線に触れたのでいくつかお迎え。

まずは山月記から。
ガラスペンで書くと、さながら夜明けに向かって変化していく青の如く。
その色が表すのは、受け入れなければならない人生への虚しさ。

国際女性デーの日に思うこと。

国際女性デーの日に思うこと。

3月8日は、国際女性デーだそうです。

私も女性です。
でも私は「私」であって、女性である、というよりは単に生物学的にそう生まれただけ、と思っています。

そう思って好きなものを好きで、やりたいことをやって生きて来れたというのはとてもありがたいことだと思います。

国際女性デーとか、女医だとか、

そんなことを声高に叫ばなくても、

一人一人が自分らしく生き、

その人自身の人格を大切にしあえる

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Antaaデビューしました!

Antaaデビューしました!

この度、Antaaデビューしました。
過去のnoteで一番好評だった、「うつ病で2ヶ月休職した私が、初期研修を無事2年で修了して思うこと。〜研修医の十の掟〜」をスライドにしアップしています。

以下がスライドの元にした過去のnoteです。

お陰様で、このnoteは非常に多くの方に読んでいただきました。
本当にありがとうございます!

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Season1完結!製作陣の本気が詰まった圧巻のドラマシリーズ「沈黙の艦隊」の魅力

Season1完結!製作陣の本気が詰まった圧巻のドラマシリーズ「沈黙の艦隊」の魅力

劇場版からずっと着目している映像作品「沈黙の艦隊」のSeason1が完結した。
まさに、劇場版が序章なら、このドラマシリーズこそ第1章。
さすが、世界のAmazonと、「キングダム」や「ゴールデンカムイ」を実写化大成功に導いてきたCREDEUSだ。
映画好きの筆者だが、これほど圧巻の映像体験を邦画で経験したのは初めてだったので、今回のAmazonのドラマシリーズへの期待はかなり大きいものだった。

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春から医師になる皆さんへ、初期研修におすすめの医学書2024

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医学部6年生の皆さん、国試本当にお疲れ様でした!
今はゆっくり休んで、最後の学生生活を存分に謳歌してください!

さて、国試が終わってしばらく経ってくると、
「医学書って何を買っておけばいいんですか?」
という質問を数多く目にするようになります。

その疑問について、医学書非医学書問わずかなりの本好きを自負する私が、自分なりに答えてみようと思います。
以下にご紹介する本は、全て私の自由意志で選んだ

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Prime Videoドラマシリーズ「沈黙の艦隊」が本当に凄すぎた・・・。

Prime Videoドラマシリーズ「沈黙の艦隊」が本当に凄すぎた・・・。

いや、これ、凄すぎる・・・。
一時、語彙を失ってしまった。

映画を見た時も凄いと思ったが、その期待を今回はるかに超えてきた。
ドラマシリーズ「沈黙の艦隊」はまさに完全版だった。

本物の潜水艦とVFXを駆使した大拍力の映像。
それぞれの正義をかけて戦う、鬼気迫る俳優陣の熱演。
そして、ど直球に国防を問う強いメッセージ性。
全てにおいて製作陣の本気を感じる。

映画は3回視聴済みだったし、「最初の

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