道しるべ読書録

道しるべ読書録

記事一覧

24道が開けたという感覚~「究極の仕訳集 日商簿記2級」

 のどかな田園風景の中に遅咲きの桜が咲いている。さらさらと流れる小川はまるで私の選択を後押ししてくれているように感じた。  日商簿記3級は、早ければ商業高校の1…

23簿記3級合格体験記~「知識ゼロから学べる簿記入門」

 日商簿記3級は個々の単元は基礎的な内容でも仕訳、勘定記入、決算など学ぶべき範囲は広い。そして初学者にとって日常的に使用しない用語のインプットが多ければ負担とな…

22血沸き肉躍る猛き者ども~映画「ゴールデンカムイ」

 GW中日、どうしても実写化が信じられなかったゴールデンカムイを見に半年ぶりに映画館に足を運んだ。山崎賢人が名優であることは疑いようないが日露戦争帰りの元軍人であ…

21簿記3級受験上の注意点「スッキリわかる 日商簿記3級」

 簿記とは個人商店や企業における帳簿記入についての方式である。「商品を売り上げ」「現金を得た」という得失、つまり取引を二面性の要素で克明に記録するところにお小遣…

20簿記の必要性・必然性を掴む「簿記がわかってしまう魔法の書」

 簿記は、門外漢には一体何をしているのか見当がつきづらいという意味で魔法のような要素は確かにある。そして、これを理解しようとテキストをめくると貸方・借方という聞…

38

19この手で選ぶ未来~「奇想天外不思議をどうぞ」

 たどたどしく意思を主張できるようになった子供が小銭を握りしめ駄菓子屋に行く。それは彼が一人で接する商社会である。店に着きずらりと並ぶ菓子を見つめ、傍らに親はい…

11

18「タピオカ屋はどこへいったのか?」菅原由一(著)

 私が住む地方都市でも振り返ればタピオカに前後して高級食パンのブームがあった。コロナ感染症流行下で外食を控えていたころに唐揚げ屋があれよあれよと増えていき、それ…

6

17宗教界に対する失望感~「霊と金」スピリチュアル・ビジネスの構造

 光射すところに必ず影が生じる。スピリチュアルという言葉が世に認知され普及していった20年ほど前、その言葉は物質偏重に対するアンチ・テーゼで古来からの精神性に回帰…

3

16得失を冷厳に書き留める~「熊撃ちの女」

 「熊撃ちの女」安藤薮太(著)を読むと狩猟は本来ギャンブル性の強い営みであり、獲物を獲得する確率を上げるのが猟師の知恵であり技術なのだと理解できる。つまりギャン…

1

15この世界から受け取り与えるもの「世にも奇妙な君物語」

 市役所へ行く。「期末中にお支払いできないのは心苦しいのですが、結論から言えば今はお支払いできません。来月の16日まで待っていただけますか。」と市民税の納付担当…

2

14心の穏やかさを保つ~「はぐれ宮司の事故物件お祓い事件簿」

 運という捉えどころのないものをよくしようとするより、縁つまり対人関係をよくする方が確実ではないだろうか。  そこで心の穏やかさを保つことを意図し1日5分の瞑想と…

3

13信用できない人、情報と一度縁を切る「正直不動産2」

 私は今まで一度も嘘をついたことがない□はい□いいえ  例えば採用試験の適性検査で上記のような問いがある。一度も嘘をついたことがない人はいまい。しかし受かりたい…

2

12本当は何をしたいのかの自問~『役に立たない人生相談2 好きなようにやればいい。』

 座標感覚を失い泳ぎ続けるような日々の中で、しばし仰向けになり波間に漂う。そんな風に揺蕩(たゆた)うことができたなら少しは楽になれる気がする。自己以上の大きな力…

1

11自分の得だけを考える開運法は不幸の元「より少ない生き方 ものを手放して豊かになる」

 開運に関する本を1週で50冊読むと、何かを得ることだけを考える方法は情報の信頼性が低いとわかってくる。あえて言えば臨時収入を得ることは目的たり得ず、根本の生き…

3

10迷信やスピに振り回されない~『ガラクタ捨てれば自分が見える』

 ありがとうを年齢×1万回言えば奇跡が起こるという開運法を耳にしたことがある。それは白けた気持ちになる話で、本当に感謝をしているなら行動で示せよと感じる。また、…

3

9本当は何をしたいのか~「ただいま神様当番」

 「好きを仕事にする」ーいかにもキャッチコピー的な響きで実際にそうできればよいが、好きであっても仕事にしたなら面倒な部分が発生するのではないか。スピリチュアル風…

3

24道が開けたという感覚~「究極の仕訳集 日商簿記2級」

 のどかな田園風景の中に遅咲きの桜が咲いている。さらさらと流れる小川はまるで私の選択を後押ししてくれているように感じた。

 日商簿記3級は、早ければ商業高校の1年生が1学期の内にとってしまう資格である。それでネットでは簿記2級ならともかく3級を持っているだけでは逆にマイナスという指摘も見受けられる。そうかもしれないが、うっせーわと思う。

 自己のアイデンティティに苦しみながら、ここで資格を取れ

もっとみる

23簿記3級合格体験記~「知識ゼロから学べる簿記入門」

 日商簿記3級は個々の単元は基礎的な内容でも仕訳、勘定記入、決算など学ぶべき範囲は広い。そして初学者にとって日常的に使用しない用語のインプットが多ければ負担となる。苦手とする箇所が1つ2つと生じてくると合格は途方もない道のりとなり、学校で習うにしても授業だけでは理解が追い付かず、一人おいていかれたような気持になる。
 そんなときに何度も繰り返して視聴することができる資格系の動画チャンネルはありがた

もっとみる

22血沸き肉躍る猛き者ども~映画「ゴールデンカムイ」

 GW中日、どうしても実写化が信じられなかったゴールデンカムイを見に半年ぶりに映画館に足を運んだ。山崎賢人が名優であることは疑いようないが日露戦争帰りの元軍人である不死身の杉本のイメージと結びつかなかった。原作の熱量、肉弾戦、狩猟を映像として高い精度で再現できるはずがない、、、と思っていたが迫力を十分に、いや十二分に引き出している。
 むしろ映画が先にあった気さえする。特に冒頭と終幕に象徴的かつ重

もっとみる

21簿記3級受験上の注意点「スッキリわかる 日商簿記3級」

 簿記とは個人商店や企業における帳簿記入についての方式である。「商品を売り上げ」「現金を得た」という得失、つまり取引を二面性の要素で克明に記録するところにお小遣い帳や家計簿と異なる特徴がある。簿記の目的に財務諸表を作成し経営の勘案に供すること、対外的に法人税等算出の根拠とすることが挙げられる。このため近年経営者のみならず、複業家や起業家にも簿記を理解する意義は高まっている。ここで日商3級の受験につ

もっとみる

20簿記の必要性・必然性を掴む「簿記がわかってしまう魔法の書」

 簿記は、門外漢には一体何をしているのか見当がつきづらいという意味で魔法のような要素は確かにある。そして、これを理解しようとテキストをめくると貸方・借方という聞きなれない言葉がいきなり出てきて学習の意欲を削ぐ。本書は、それを簿記という魔法を使えるようになるための呪文の言葉だと説明する。その謂われまで理解する必要はないという断りの上で、語源に触れるのが本書の特質を物語っている。検定試験対策ではなく、

もっとみる

19この手で選ぶ未来~「奇想天外不思議をどうぞ」

 たどたどしく意思を主張できるようになった子供が小銭を握りしめ駄菓子屋に行く。それは彼が一人で接する商社会である。店に着きずらりと並ぶ菓子を見つめ、傍らに親はいない。そんな時に見上げる店主は無条件に優しい存在とは限らない。怖さが入り混じりながらも、目の前の未知のチョコを一つ手に取り、小銭と引き換えて自己のものとする。簿記の「菓子5/現金5」【「自分で選ぶ未来5/菓子5」】が成立した瞬間である。

もっとみる

18「タピオカ屋はどこへいったのか?」菅原由一(著)

 私が住む地方都市でも振り返ればタピオカに前後して高級食パンのブームがあった。コロナ感染症流行下で外食を控えていたころに唐揚げ屋があれよあれよと増えていき、それに前後しておにぎり屋を見かけるようになった。それらは今後どう変遷していくと予想されるのか。

 「タピオカ屋はどこへいったのか?」菅原由一(著)は元税理士で現在はコンサルタント業を営む著者により浅く広く商売のコツが書かれている。ソロ活、多様

もっとみる

17宗教界に対する失望感~「霊と金」スピリチュアル・ビジネスの構造

 光射すところに必ず影が生じる。スピリチュアルという言葉が世に認知され普及していった20年ほど前、その言葉は物質偏重に対するアンチ・テーゼで古来からの精神性に回帰しようという響きがあった。対して現代はどうか。断然いかがわしさがある。SNSで氏子との軋轢を呟く神職、尼僧に対しAVでもありえない淫行を働く高僧、目に見えない世界を扱いながら一般人より商道徳に劣る精神世界の人々、全体から見れば一部であって

もっとみる

16得失を冷厳に書き留める~「熊撃ちの女」

 「熊撃ちの女」安藤薮太(著)を読むと狩猟は本来ギャンブル性の強い営みであり、獲物を獲得する確率を上げるのが猟師の知恵であり技術なのだと理解できる。つまりギャンブルとは食欲などの根源的な欲求というより食料調達の確実性・効率性を問う思索領域の活性化ではないだろうか。
 つまり株にのめり込む、投機性の強い事業漬けの生活を送る、スマホガチャにハマるなどの症例も報酬を過剰に求めるという点で中毒性がある。相

もっとみる

15この世界から受け取り与えるもの「世にも奇妙な君物語」

 市役所へ行く。「期末中にお支払いできないのは心苦しいのですが、結論から言えば今はお支払いできません。来月の16日まで待っていただけますか。」と市民税の納付担当者に伝える。20万円かけて10万円当たる仕組みのナンバーズ3に自己の未来を託すということは、こういうことなのだと今更ながら悟る。ところで宝くじ高額当選者の言葉を調査していた時に「寄付をするつもりで買ったら当たった。」と言うのがあった。

 

もっとみる

14心の穏やかさを保つ~「はぐれ宮司の事故物件お祓い事件簿」

 運という捉えどころのないものをよくしようとするより、縁つまり対人関係をよくする方が確実ではないだろうか。
 そこで心の穏やかさを保つことを意図し1日5分の瞑想と、3行程度の瞑想日誌を付け始めてから2週間が経過する。おそらく日記の効果なのだが以前より姿勢がよくなった。そして、肺の圧迫が除かれ呼吸が深くなっているように感じる。東洋思想に言う「心身一如」で、1日5分間の瞑想にさえ呼吸を深め心身を安定さ

もっとみる

13信用できない人、情報と一度縁を切る「正直不動産2」

 私は今まで一度も嘘をついたことがない□はい□いいえ

 例えば採用試験の適性検査で上記のような問いがある。一度も嘘をついたことがない人はいまい。しかし受かりたい一心で、あるいは今後嘘をつかなければ辻褄が合うと考え、はいと答える。  
 この問いをライ・スケールと呼び、診断の信頼性をはかる目的がある。これに多く触れれば自己を偽って見せる人物だと評価される。問題は、設問の意図さえ知っていれば引っかか

もっとみる

12本当は何をしたいのかの自問~『役に立たない人生相談2 好きなようにやればいい。』

 座標感覚を失い泳ぎ続けるような日々の中で、しばし仰向けになり波間に漂う。そんな風に揺蕩(たゆた)うことができたなら少しは楽になれる気がする。自己以上の大きな力を持つ存在を認めた時に「何のために生きるのか」という問いが「どう生きていこうか」とゆっくりと変換されるように。

 「冥界からの電話」佐藤愛子(著)はミステリー的なタイトルであるが、真実を突き詰めるわけでもなく分類上は随筆だろう。知人医師が

もっとみる

11自分の得だけを考える開運法は不幸の元「より少ない生き方 ものを手放して豊かになる」

 開運に関する本を1週で50冊読むと、何かを得ることだけを考える方法は情報の信頼性が低いとわかってくる。あえて言えば臨時収入を得ることは目的たり得ず、根本の生き方を見直すことなく開運などありえない。
 
 有形無形とを問わず何かを得る時には、それと釣り合う何かを失うことが厳格な法則である。逆に何かを失う時は、それと釣り合う何かを得る時でもある。得失が即時とは限らないのでわかりにくいが、長く繫栄する

もっとみる

10迷信やスピに振り回されない~『ガラクタ捨てれば自分が見える』

 ありがとうを年齢×1万回言えば奇跡が起こるという開運法を耳にしたことがある。それは白けた気持ちになる話で、本当に感謝をしているなら行動で示せよと感じる。また、「貰えるものなら一円でも多く手にしたい」という人に待っている未来とは何だろうか。「自分だけが過分な報酬を得た上で欲望のままに散財する先」に幸福があるわけがない。(参考文献:「タルムード」)

 配当金が売り上げの半分以下で、他の賭け事に比べ

もっとみる

9本当は何をしたいのか~「ただいま神様当番」

 「好きを仕事にする」ーいかにもキャッチコピー的な響きで実際にそうできればよいが、好きであっても仕事にしたなら面倒な部分が発生するのではないか。スピリチュアル風な言い回しが流行する昨今、「仕事の中に好きを見つける」という台詞を登場人物に言わせる本作は堅牢な人生観に裏打ちされている。「ただいま神様当番」青山美智子(著)。

 思わぬ拾い物をした縁で神様当番をすることになった主人公の面々が神様と繰り

もっとみる