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暗号資産・ブロックチェーンコラム

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暗号資産・ブロックチェーンに(多少強引に)絡めて好き勝手書いてます。
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#ブロックチェーン

国内業界レポートを作成してみて

国内業界レポートを作成してみて

今週、マネックスクリプトバンクから日本国内の暗号資産・ブロックチェーン動向を網羅的に調査した業界レポート「Blockchain DataBook 2020」をリリースした。本レポートは業界データベースサービス「LOOKBLOCK」に収録されているデータを基に作成されている。以下ではその過程で見えてきた業界の「今」をほんの一部だけ紹介する。

この業界では暗号資産交換業とマイニング業を除いてマネタイ

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欧州サッカーでのブロックチェーン体験が一般に

欧州サッカーでのブロックチェーン体験が一般に

「えっ、これブロックチェーン使ってたの!?」エストニアにいた頃、そんな風にはじめて驚いた。忘れもしないUEFAスーパーカップ2018、レアル・マドリード対アトレティコ・マドリードの試合。そう、サッカー好きであれば一度は生で観たいと思うマドリードダービーがヨーロッパのIT小国で行われた。こんな好カードをまさかエストニアで生で観れるなんて!

当日、スマホを片手にスタジアムへ向かうと、そこでは試合

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マスクの転売問題、利他的行動こそもっと評価されるべき

マスクの転売問題、利他的行動こそもっと評価されるべき

「世間で風邪が流行っている時に、人ごみに出る上で真っ先に必要になるものって何?」と聞かれれば、おそらくほとんどの人が「マスク」を思い浮かべるだろう。新型コロナウイルスの感染が拡大しはじめて1ヵ月が経ったが、どうやらそこらじゅうでマスクが売り切れているらしい。需要に対して供給が追いついていない。そうした中、マスクの高額転売が問題になっている。100均のマスクが1,000円に、1,000円のマスクが数

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内輪ネタにブロックチェーン活用のヒント?

内輪ネタにブロックチェーン活用のヒント?

今年も1月2日には高校サッカー部の新年会が開かれた。確か去年もその時のことをこの場で話した気がする。「またかよ」と思うかもしれないが、少しだけお付き合いいただきたい。

何かに対して「またかよ」と思う。この、飽きてしまう、慣れてしまう感覚はぼくらにとっては毒であることが多い。意欲がなくなったり、思い込みが生まれたり、視野が狭くなったり、良くないことばかりが起きる。ここ数年の1月2日を振り返ると、

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年明けからなにやら騒がしい

年明けからなにやら騒がしい

年明けからなにやら騒がしいと思ったら、アメリカとイランで一悶着あったらしい。米軍がイランのソレイマニ司令官を殺害し、「ふざけんな!」と怒ったハメネイ最高指導者がイラクの米軍基地にミサイルをぶっぱなし報復した。その後、両国とも「戦争するつもりはない」との姿勢を表明したが、今も中東情勢には緊張が走っている。

今からもう15年以上も前になるだろうか。ぼくがまだ小学生だった頃だ。飛行機が高層ビルに突っ

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今の時代「情報」に振り回されぬよう注意したいものだ。

今の時代「情報」に振り回されぬよう注意したいものだ。

欧州中央銀行(ECB)はフランクフルトで今週開く会合で、独自の中央銀行デジタル通貨(CBDC)を発行する可能性について議論する見通しだ。事情に詳しい複数のユーロ圏当局者が明らかにした。

協議が非公開であることを理由に関係者が匿名を条件に語ったところでは、理事会メンバーはこの議題について11日に非公式に協議する見込みだ。

※ブルームバーグ公開記事から一部抜粋

デジタル人民元に触発されて、

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業界の住人となったとたん、書きたいことが急になくなった?

業界の住人となったとたん、書きたいことが急になくなった?

オードリー若林のエッセイコラム集「ナナメの夕暮れ」は僕が愛読する本の一冊である。もともとリトルトゥース(ファンの通称)として読み始めたわけではない。何か面白い本はないかと友人に訪ねた時に、たまたまお勧めされて読むことになったのだ。若林が幼いから持ち続けてきた日常の疑問に対して自分の考えを述べたコラム集なのだが、それぞれの話の視点が独特で天才的に面白い。読んで「いやいや(笑)」と思うことや、「確かに

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始めるヒントがここにある、業界最新カタログ「LOOKBLOCK」

始めるヒントがここにある、業界最新カタログ「LOOKBLOCK」

いくつか買いたいものがあった時に、それぞれ離れたお店に行くのは手間がかかって面倒だ。移動するだけで疲れてしまい、あれはまた今度でいっか、なんてことになる。だからこそ、一箇所にまとまっていた方がみんな便利だよね、という発想のもと、開発が特定の地域に集中し、さらには複合商業施設が次々に作られてきた。インターネットが普及して、世の中には情報が溢れ返っている。それもあちこちにあってわかりづらい。この世界で

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デジタルから離れた時間・空間こそ幸せ

デジタルから離れた時間・空間こそ幸せ

先週末、私は都内ある場所の公園でブルーシートを敷きながら友人たちと餃子をつまみにお酒を飲んでいた。すぐ近くで全国各地の名店が集まる餃子フェスが開かれていたからだ。あたりは盛況で、緑の芝生がほとんど覆われるくらいに、友人同士の集まりや家族連れ、カップルらで溢れ返っていた。最初その場に着いた時は外で飲むには少し肌寒さを感じたが、いざ飲み始めると会話が弾んでそんなこともすぐに忘れた。ふと周りを見渡すと、

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暗号資産・ブロックチェーンって何がすごいの?

暗号資産・ブロックチェーンって何がすごいの?

業界外の友人と話していると、たまにこんな質問を投げかけられる。この時頭に思い浮かぶのは価値レイヤーの話やコードガバナンスの話、トークンエコノミーの話だったりするのだが、これらの話をして「なるほど、でも…」と議論が深まった試しはほとんどない。大抵ちんぷんかんぷんな顔をされて、この話題は身近な結婚話に置き換えられてしまう。確かに周りが次々と落ち着き始める中で、果たして自分は結婚できるのだろうか、なんて

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"枠"外が生む波及的価値

"枠"外が生む波及的価値

貸し切るのに一体いくらかかったんだろうと頭の中で0を数えだす程に豪勢な会場、お揃いのロゴTシャツを着た何人ものスタッフ、フロアの隅に立ち並ぶスポンサー出展ブース、ゲストカードを首に下げながらあちこちで立ち話をしている業界人、そして暗がりの中で光を独占し皆の注目を一点に集める登壇スペース。あぁ、懐かしい。去年ヨーロッパでわけもわからぬまま参加したいくつかのイベントが自然と想起される。以下に述べるのは

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子どもの成長環境に見る時代の変遷

子どもの成長環境に見る時代の変遷

今日は休日なのに珍しく電車の中が空いている。空いていると言っても座席は全て埋まっていて、車内に自分のスペースを確保できる程度である。普段の満員電車では、車内にいる全ての人がまるでトラックに積めこまれる荷物であるかのように感じ、早く降りたい一心で大した考え事もできないのだが、この時は違った。同じ車両にいる人たちの表情や会話、動作が自然と私の中に入ってくる。子どもとみんなで出かける幸せそうな家族、一人

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還元されたお金はきちんと使おう、デジタル社会において開く格差

還元されたお金はきちんと使おう、デジタル社会において開く格差

この前、知人と話していた時のことだ。携帯を楽天にして、日用品もまとめて楽天で買うようにしたら、ポイントが有効に貯まって使えて、わざわざスーパーに買い物に行く手間も省けて、生活コストが大幅に下がったという話があった。今でこそPayPayやLINE Payのバラマキキャンペーンで消費者へのお金の還元が強く意識されているが、企業はこれまでもポイントという見えづらい形でお金をみんなにばらまいてきたのだ。し

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ブロックチェーンが現代社会に提議するもの

ブロックチェーンが現代社会に提議するもの

Dappsプラットフォームを“国”に、その上に開発されるDappsを“企業”に置き換えて考えると、ブロックチェーンが現代社会に提議するものが見えてくる。

最初に“国”と“企業”の関係について考える。一般に“国”は“国債”(トークン)を発行し、“企業”は“株式”(トークン)を発行することで、その“国”の通貨(例えばETH)を調達する。“企業”を立ち上げる際に、その“国”すなわちDappsプラットフ

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