詩舞澤沙衣

気まぐれに映画とか小説の話をする 『現代ミステリとは何か』(南雲堂)にて「作家だって…

詩舞澤沙衣

気まぐれに映画とか小説の話をする 『現代ミステリとは何か』(南雲堂)にて「作家だって一生推してろ 斜線堂有紀論」執筆。 書き仕事募集中。

マガジン

最近の記事

  • 固定された記事

本が出ます

こんばんは、休職して長らく本と同人誌とソシャゲのテキストばかり読んでいます。 『現代ミステリとは何か 二〇一〇年代の探偵作家たち』という南雲堂さまの本に論考を寄稿しております。限界研にだらだら所属してうん年経っていたので、成果物が出せそうでよかったです。 斜線堂有紀論で参加しております。ミステリというより、小説家の戦略的な話になっております。なかなかない方面の論考だと自負しております。 下記、版元ドットコムでも情報掲載ありますので、よくご利用の通販サイトがあれば予約ポチッ

    • あんさんぶるスターズ!!における、愛(Valkyrieを中心に)

      なんだかんだ、ずっと続けているソーシャルゲームに、あんさんぶるスターズ!!がある。Valkyrieという、ゴシックなユニット衣装を纏い、人形と人形師が物語を紡ぐという趣旨で活動するアイドルユニットを知って、ダウンロードしたアプリゲームだ。 一般的に「女性向け」ゲームとしてカテゴリされるあんさんぶるスターズ!は、男性アイドル育成ゲームである。……まあ、実際はほとんど勝手にアイドルは成長していき、それを見守るだけなのだが。 Valkyrieは上記リンク確認すればわかると思うが

      • 【おしらせ】ソーシャルゲーム批評連載やります(有料note)

        はやければ2024年の文学フリマ東京で同人誌として発行する予定の、ソーシャルゲーム批評を、2024年より、連載形式で先行で有料noteにて公開します。(月1回更新、月額200円予定) とりあつかうソーシャルゲームは、いわゆる「女性向け」とくくられることの多い作品たちです。 私が日頃プレイしている作品のため、偏りがある旨、ご容赦ください。 ソーシャルゲームは、アニメや2.5次元舞台など、メディアミックスが盛んなため、ゲーム本体以外のコンテンツ全体について論じる予定です。 論

        • 『トランスジェンダー入門』読書感想文

          ※この文章は発達障害(ADHDの診断、ASDの傾向)および精神障害当事者として書いています。少なくとも、トランスのように身体的性への明確な違和は感じていない人間の目線です。(ノンバイナリーの可能性はあると思っています) もともと「トランスジェンダー」の問題は、発達障害と近しいと思ってきた。「社会の規範、常識から逸脱しているように見える」「一人ひとりバリエーションが違う」「社会的に差別される傾向にある」、この三点が共通項に見えたからだ。 発達障害についての「入門書」にあたるも

        • 固定された記事

        本が出ます

        マガジン

        • 言語学関係書籍紹介
          2本
        • 舞台感想
          7本
        • 映画感想
          20本
        • BLをだらだら
          2本
        • 大学講義を聴いてみた
          1本
        • 漫画を読む道楽
          6本

        記事

          『プルーストとイカ 読書は脳をどのように変えるのか?』紹介

          『プルーストとイカ 読書は脳をどのように変えるのか?』 メアリアン・ウルフ:著 小松淳子:訳 他にも言語学系の本は読んだんですが、「読み物として面白いな」という感覚になった本を紹介したくなりました。 中学生の頃から、理系ノンフィクションが好きで、『イヴの七人の娘たち』『生物と無生物のあいだ』『銃、病原菌、鉄』あたりは特にわくわくしながら読んだ覚えがあります。 今回紹介する本も、その手の本に近い雰囲気で読むことができると思います。 http://www.intershift

          『プルーストとイカ 読書は脳をどのように変えるのか?』紹介

          『負の連鎖の中で生きる 世界の言語的マイノリティ 言語と貧困』紹介

          さいきん、新書を中心に言語学関連の書籍が立て続けに出て、注目を浴びているので、「私も読んだ本の中で言語学分野相当のものを紹介していきたい」と思い、シリーズで不定期に投稿することにしました。 ……という前置きにしては、初回なのにがっちり専門書な本を紹介してしまって恐縮です。さっき読み終わったので……。 『負の連鎖の中で生きる 世界の言語的マイノリティ 言語と貧困』 松原 好次 編著 山本 忠行 編著 (明石書店) 言語学ってそもそも「語学」と混同されやすいし、日本人はすぐ

          『負の連鎖の中で生きる 世界の言語的マイノリティ 言語と貧困』紹介

          小説家のイメージの「外側」にいる小説家(第169回芥川賞について)

          https://twitter.com/Taroupho/status/1681876405150441472?s=20 上の一連のツイートを読んでいて、「純文学から普遍性がうしなわれた」旨が書いてあって、驚いた。そこまで、「普遍性」を絶対的に信仰しているのか、と。 インターネットの普及によって、多くの人が発信できるようになり、表現の幅は大きく広がった。イラストや漫画が、画材を取り揃えなくとも、スマートフォン一台あれば解決する時代だ。(実際、PCでのインターネット中心の時

          小説家のイメージの「外側」にいる小説家(第169回芥川賞について)

          一部文豪ストレイドッグスオタクへの苦言

          ことの発端はこのアニメ文豪ストレイドッグスのツイート群から。このツイートの引用リツイート見ればわかる通り、「検索避けしようってことね!?」という感想が散見される。 でも、公式が言ったのって、「文豪を貶したり、アニメ派の人にネタバレを引用リツイートで見せたりしないでね!」であって、検索避けの話はどこにも出てない。 そもそも検索避けが、二次創作界隈のローカルルールなんだから当たり前だ。公式アカウントがそもそもそんなこと言うわけない。検索避けされたら、エゴサーチしにくい。商業的に面

          一部文豪ストレイドッグスオタクへの苦言

          翻案と劇中劇 ―MANKAI STAGE『A3!』~SPRING & SUMMER 2018~論

          ※第27回シアターアーツ賞に応募した時の原稿です。 日本は、海外の文化を翻案して取り入れることで、独自の進化を遂げている面がある。明 治時代には、黒岩涙香らに多くの海外の小説が翻案された。戯曲「ハムレット」も、1903 年 に紹介された時は翻案での舞台上演であった。 現在も、日本では古典とされる戯曲の翻案が盛んである。特にシェイクスピアの戯曲は翻 案もととして、多く取り上げられている。2022 年には、たとえば末満健一による「ロミオ とジュリエット」を翻案とした、「浪花節シ

          翻案と劇中劇 ―MANKAI STAGE『A3!』~SPRING & SUMMER 2018~論

          人間は予言者にはなれないから、未来を模索する

          上記のツイートを、私は糾弾したいわけではない。決してない。むしろ、このツイートを引用しているツイート群を見てもらうためにある。 最初に私は立場を明確とするために、太字かつ大文字でできるためわかりやすく表記した。以降の文章を「趣旨替え」と認識されたくないからである。 SEALDsは、2015年5月から2016年8月まで活動していた日本の学生により結成された政治団体・学生団体である。 彼らはTwitterなどさまざまな形で政治活動をした。Twitterデモの走りであった。きっ

          人間は予言者にはなれないから、未来を模索する

          末満健一について語りたくなった

          こんな経験をしたことはないだろうか? あの時、ふと有線で耳に入ったシンガーソングライターの曲が好きになった。一時は何度も何度もヘビロテして、レンタルCDで他の曲も聴いて、テレビ番組で披露される際は必ずテレビの前で待機する。もしかしたら、ライブにも出向くほどになるかもしれない。けれど、ぷつっと、そのシンガーソングライターが嫌になる。好きな曲を書いて歌ってくれると思ったのに、なにかが違う。今度の新曲は、「いつものと違う、こんなのは好きじゃない」、あるいは「いつも似たようなのでつ

          末満健一について語りたくなった

          映画「アンネ・フランクと旅する日記」感想

          機会に恵まれたので、「アンネ・フランクと旅する日記」の先行オンライン試写会に参加した。 アンネ・フランク。誰もが名前は知っているはずだ。もしかしたら、世界で一番有名な「一般人」かもしれない。生前に作家となることはなく、死後、彼女の遺した日記が出版されることで「作家」になった少女。 日記には、「キティ」という想像上の友人が登場する。キティが、今回の「アンネ・フランクと旅する日記」の主人公だ。 キティは、ずっとアンネに寄り添っていたけれど、キティが目を覚ますと、アンネはどこに

          映画「アンネ・フランクと旅する日記」感想

          絵本「なないろのクリームソーダ」展 見に行く

          東京駅構内グランスタ「VINYL GALLALY」で、絵本「なないろのクリームソーダ」展を見てきました。絵本のことは知らなかったのですが、神保町の喫茶店「さぼうる」をモデルにした絵本だそうで、大学時代から神保町に通う身としては、ニコニコしました。 純喫茶ブーム、どうしても私は紅茶党なので縁が薄いのですが、純喫茶の雰囲気は好きです。かくしごとのコラボカフェなどにも波及している純喫茶ブーム、これからも盛り上がるといいな……。 2月26日まで開催中とのこと。どこかに行くついでに

          絵本「なないろのクリームソーダ」展 見に行く

          完全栄養食を食べはじめた

          去年年末あたりからひどく体調を崩して、「あ、これは衰弱して死ぬんだな……」という気持ちになっていました。 ごはん作るのめんどう→ごはん食べるのめんどう→栄養がたりてない→動けない という負の連鎖反応。 人間、面白いんですが、体調崩すと食欲がなくなるのです。 どうにかしなきゃあなあ、と思い、一念発起ではじめたのがBASE FOODです。 完全栄養食は、いろんな会社から出ています。けれど、BASE FOODがいいのは、「なにも考えなくてもすぐ食べられる」ということに尽きます

          完全栄養食を食べはじめた

          やっぱり創作って楽しいよな!?

          映画「JUNK HEAD」見てきましたー! 事前情報としてストップモーション、SF設定。というところだけ頭に入れて見たんですけど、映像がめちゃくちゃなんですよね、いい意味で。地下世界をうろちょろする映画なんですけど、めちゃくちゃお、奥行き……! ってなってしまう。 PV見ればえらいすごいことは伝わると思いますが、映画独学で一発目でこれかぁ……と作家心として胸が熱くなるので、ワナビは見た方がいい。情熱という熱で焼き殺されるといい。私も、一緒に行った友人も「原稿しなくちゃ……」

          やっぱり創作って楽しいよな!?

          BLをだらだら(2) 2021/1/30 「憧れ」の話

          今日もやります、ということで読んだ本は 『青春を呪うな』(はやりやまい)→一度有名塾を競争に耐えきれずにやめた幸田次郎は運命の人に出会う。北原秋春。口が悪くて、美しくて、誰よりも聡明な人。憧れから、秋春のいる塾へ入り、距離を徐々に詰めていき……。 え、好きですけど!? タイトルからして、大好きですけど!? 青春の汗臭さと性欲のくらさとがあいまった最高のタイトルでは!? ドドド片想いしている後輩が攻めなのでとても好きでした。憧れが執着に変わって性欲におちるのとても好きな人は

          BLをだらだら(2) 2021/1/30 「憧れ」の話