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療育の文

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新年度いろいろあるよね

新年度いろいろあるよね

怒涛の4月。

私は未就学児の療育に携わっている。

かわいい新入生を迎え身が引き締まる。新入生たちは初めての母子分離と初めての環境に大パニックだ。

あー、これぞ4月よ。
ママたちも大変だろう。
私も帰宅後はもうヘロヘロで何もしたくない。笑

そして子どもたちの状況を自分に置き換えて想像したりする。

例えば、、

異国の秘境に連れて行かれ、知らない人たちの中で、知らない儀式に出ろと言われ、知ら

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結局みんなグレーでしょ 自己理解編

結局みんなグレーでしょ 自己理解編

グレーとは色彩を表す言葉だ。
また、白黒どちらでもない中間的な状態を表す時にも使われる。

ライトグレー、チャコールグレー、鼠色、灰色、鉛色…
白に近いグレーや黒に近いグレー、
その濃淡のグラデーションは豊富だ。

さらには、医療的な診断に至ってはいないが、発達障がいの特性をもっている人をグレーゾーンと言ったりする。

でもさ、
白の人なんているのかな?

黒だって一つではない。無数のグレーのグラ

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療育という仕事 園庭のパワースポット

療育という仕事 園庭のパワースポット

小さな子どもたちと接していると、不思議な世界に出会うことがある。

目や耳では捉えられない世界。

私は子どもたちへの療育の仕事に就いる。そんな不思議な世界に触れ、かれこれ10数年になる。

まず、療育とは何か。
心身に障がいをもつ児童の発達を促し、社会的自立を目指すための医療的、教育的アプローチをいう。

私のいる施設では、幼稚園や保育園のように遊びや集団活動をする中で療育をしている。

子ども

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療育という仕事 登園バスは想いを乗せて今日も行く

療育という仕事 登園バスは想いを乗せて今日も行く

良いお天気でよかった。
だって今日は園の発表会。
そんな朝の登園バス内の話。
5歳の男の子が隣に座る私にそっと言った。

「先生あのね、朝ね、オネショしちゃったんだ。でもね、寝てたから知らなかったの」

子どものまっすぐな言葉だ。
ものすごく貴重な瞬間。

私の仕事は療育の先生。
心身の発達に凸凹のある子どもたちと遊んだり学んだりしている。

その子の口からポロポロ言葉が溢れてくる。

「ママが怒

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100回選び直してもいいよ

100回選び直してもいいよ

入学の季節。
春の木々の若葉が香る季節。

私の仕事(児童発達支援)は小学校へこどもたちを送り出すところで一区切りとなる。

「好き」「できる」「工夫すれば大丈夫」をたくさん見つけたね。
楽しかったね。
色んな道につながりますように。
素敵な出会いがありますように。

特別支援学校、特別支援学級、通常学級+通級指導教室、通常学級、子どもたちの特性も進学先もさまざま。本人だけでなくパパやママの不安も

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いつか森林で療育を

いつか森林で療育を

半月ほど前に蒔いた松の木の種が発芽した。

この間までビニール袋におとなしく入っていた種は、豊かな土壌とお日様と雨を浴びて、まるで自分が何者かを思い出したかのように勢いよく太陽に向かって立ちあがろうとしていた。

この松の芽のお母さんがいる森林に、最近よく行くようになった。

この森林、まだ知らないことも多く「おじゃまします」という気持ちで入るのだけど、なんか温かくて居心地がすこぶる良いのだ。

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最後は踊ろう 子どもに学ぶ人生の旅路

最後は踊ろう 子どもに学ぶ人生の旅路

先日、仕事である幼稚園を訪問し、園庭での自由遊びを見学させてもらった。

ブランコ、ボール、縄跳び、泥遊び、ドロケイ、虫探し、などなど。思い思いの遊びに熱中する子どもたち。
園児が多く大規模な園。

その時、スピーカーから音楽が鳴った。

自由遊びの終わりの合図かな?
でも何も聞こえないかのようにみんな遊び続けている。

はてはて?

2曲目が流れ始めた。
誰も動かない。

んん?

そして3曲目

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多様性とかインクルーシブとか

多様性とかインクルーシブとか

長崎県に来ている。自分のルーツのひとつに呼ばれたようだ。

宿泊してるホテルはオールインクルーシブ。部屋の冷蔵庫内もカフェもラウンジもフリードリンクなんだと。

うぇーい!
到着早々、素敵なラウンジでビールをいただく。
よき、よき。

しかし、、
引っかかるんだよな、この言葉。

インクルーシブ。

職業柄どうしてもインクルーシブ保育が頭に浮かんでしまうのだ。

保育園などを訪問するなかで、発達の

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繊細な子どもたちの真のちから

繊細な子どもたちの真のちから

不思議な夢をみた。

夢には3人の私が登場した。
100%の私ではなく、私の要素がマーブル状に含まれている感じ。

長い廊下にに並んだ椅子。
私らは、じゃれあいながら先頭の椅子を押し付けあっている。

いつまでそんなことを繰り返すの?

どこからか女性の声が聞こえた。
諭すような感じ。
怒鳴られるよりパンチが効いてるんですけども。

わかったよぉ。

3人が同時に同じことを思う。
足元をよく見ると

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繊細な子どもたちが感じる気配って

繊細な子どもたちが感じる気配って

療育の集団活動中のこと。
ある5歳の男の子が私に小声で言った。

「◯◯くんの気配がする。あっちへ行きたい」

この時、◯◯くんは納得がいかないことがありイライラしていた。彼はその子から離れたいと訴えたのだ。

彼と出会って3年。
その成長に驚いていた。
私は発達の特性に凸凹がある子どもたちの発達支援の仕事をしている。

自分の心の状態に気づいたこと
言語化できたこと
小声で言えたこと

これらは

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