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社会と心

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血縁

血縁

弟を諫めるように私を嗜める母をみて、「私はまだ彼女にとって嗜めなければならない存在なのか」と愕然とします。大人になりたい私の生焼けの成人性が未熟さと羞恥の刻印を押されます。

家とは暖かいようで、私にとっては一番自分の恐怖や不安と向き合う場所である気もします。両親からの承認、昨年帰省したときからの反応の変化、大学を卒業するにあたって肩にかかる期待やプレッシャー:まだ親の視線から抜け出せない私にとっ

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夢を見なくなったわたしたちへ

夢を見なくなったわたしたちへ

最近よく眠れなくなった。3時に寝床につき、7時に起きた。意味もなく高速回転する頭と走り回る思考をどうすることもできずに、チキンスープを作った。少し吐き気がした。

夢を見なくなったわたしたちへ。少しずつ遠のいていく水平線へ。夢が少しずつ軽くなって、当たり前を手に入れるために馬車馬のように働く日々が続きます。就職活動をしながら、やりたくないことばかりが明確になっていく日々には正直辟易とします。

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harbor・港

harbor・港

ものは来て去る。他人もまた来て去る。私たちもまた、行っては去る。高速回転している世界では、人が、ものが、私たちが交錯するスピードはあまりに速すぎて、少しスピードダウンしてくれればいいのにと思ってしまう。

ベルリンでの学期が終わった4月末、ロシアに帰国する友人を空港まで見送った。これだけ国を行き来しているというのに、親以外の人に空港まで見送ってもらったことがない。人を空港まで見送ったのも初めてのこ

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都会と田舎と若者と老人と余生と

都会と田舎と若者と老人と余生と

O県は、東京とよく似た外国のようだった。

中心街を囲んで放射線状に活気が薄れ、自然が際立つ様は東京と変わらなかった。ただしO県の場合は、それが東京よりとても顕著に現れていた。私の新しい住まいはインターン先の代表宅の坂下、八畳程の広いコンテナハウスだった。トイレはコンテナハウスを出て5メートルほど先の倉庫のなか。シャワーは代表宅のものを使わせてもらう。一般的なボランティアや居候からしてみればまたと

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都会と心、感性

都会と心、感性

西武池袋線、土曜日、午後6時21分。私は急に、生きていると感じた。

馴染みのない路線、馴染みのない座席の色。突発的に決まった予定、山積みになっていないタスク。

少し休んでおこうと目を閉じると、電車が動く音が聞こえる。馴染みのないガタンゴトンのリズムを聞いたとき私は急に、あぁ、私は今生きていると思った。

「最近、自分が"生きている!"と感じた瞬間はなんですか?」上級生のインフルエンサーがインス

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アートと社会(弱者)

アートと社会(弱者)

最近どうやら家でじっとしていられない病気を患ったらしい。昼ならまだだらだらしていられるのだけれど、どうにも夜になると心がむずむずして家から弾き出たくなる。そんなこんなで人が捕まらないときは美術館に出向いた。マイノリティのアーティストのコレクションで、アーティストの人と成り、そして彼らの作品にフォーカスを当てたものだ。

行動に頭がついていかないことがある。感情に頭がついていかないことがある。最近の

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