ヨノハル

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夢で会えたなら何を話そう

シンを観たよの話。 シリーズ通して追っかけてもない新劇もとびとびしか観てない(Qを履修していない!)という体たらくなので、そんなに実のあることは言えません。ふせったーであげようとしたけど、読み返すときがあれば探すの面倒だなと思ってほぼそのまんまnoteに転記してる。だから媒体の問題であって全然note然とした記事じゃない。あと、このごろ言語野がずいぶん後退気味で刺激耐性なさめなので、散文の構成が本当にできない。ここまで読んでもらったのも申し訳ないので先に謝っておきます。そう

    • ここにあるけどこわれてる

      ろくでもない、ろくでもないと叫ぶわりには存外収まりがよいらしく、なんとなく日記を書くモチベーションがめぐってくるようになった。休日は全力で回復に努めているから忙しいけれど、平日、出歩いたり飛んだりへこんだり透き通ったりすると、一周まわって心がなんかいいところに落ち着いてくれる。そうなると、おう、文章でも書いてみるか、という気持ちがやって来てくれるからありがたい。心、ちょうど直立しないオブジェみたい。ねえ、これ、どっち向きに置くのが正解なんだろう。わたしが歩いたり立ち止まったり

      • 冬へ急ぐ

        なんとなく日記を書こうと思った、ろくでもない日記を。だいたい格好つけた文章ばかり書こうとするから筆が続かない。ろくでもない美学に生き、いつかその美学のもとに縊り死ぬ。死なないために格好よくない文章でも書く、眠りにつく半時間、その間ありったけの残滓を発露する。生きるって日々無様であり続けることなんだって誰も教えてくれなかった。さすがにあんまり調子の悪い日にはしないんだけど、そうでもない日には歌集を持ち歩く。仕事の時は半々ぐらい(外回りに多くの場合歌の付け入る隙はない)。歌にもい

        • 何をも燃やさないつよき火を

          ああ、歌集のことをきちんと書こう、と思って筆を執った。 雪は朝(あした)のかがやきを降る 藪内亮輔の歌集『海蛇と珊瑚』を読み通した。 彼の作品のことは随分前に知っていた、その端正な美意識に惹かれ、本作を手に取ったのを覚えている。 "詩歌の世界で使い古された「花」「雨」「雪」「水」が、この人の手にかかると、世界で初めて使われたかのような歌が生まれる。(帯文:金原瑞人)" このような言葉でもって姿を突き止められるのはきっと幸福だろうと思う。はじめて出会った時から、彼の眩しい

        夢で会えたなら何を話そう

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        • 晴るる空
          2本
        • #tanka
          8本

        記事

          透明な弾丸

          今日は村上春樹『猫を棄てる 父親について語るとき』を読んだ。 村上春樹というと、新刊が出るたびに猫も杓子も、と書店のフロア中が沸いている印象で、私もまたそれをしれっと横目に見ている側の多数のうち一人だった。この著作についてもそれは例外ではなく、しばらくは「やってるなあ」という気持ちで平積みにされている様子を眺めていた。 ただ少し前に、紀行文集(『ラオスにいったい何があるというんですか?』)や読書案内(『若い読者のための短編小説案内』)を一読した際、彼の文体にある平易なのに

          透明な弾丸

          Nという人々

          自分の話をするのが苦手だ。リアルの、生身の人間と過ごす会話の中で、自分だけの尺を分けてもらって、自分だけの話をするのが苦手だ。 だって、注目されたところで、私の言葉は伝わらないから。どうにか言葉を引き寄せて表現をしても、一見しただけの多くの場合、要領を得ない顔をされるか、何を言っているんだと一笑に付されて流される。なんだ、苦手だのなんだのといったところで結局そんなことがこの話の全てかよ、そうなのだけど、やっぱり私の言葉は人に伝わらない。 会話にはいつでも相手が必要だ。そこに

          Nという人々

          それは「グレイト・エスケープ」だね

          大脱走のテーマ/FoZZtone より かつてスピッツが唄っていたみたいに、趣味という幸せもまた途切れながら続くのだと思う。大人の資本は時間と体力だ。大人は資本を費やして自在に幸せを手に入れる。だけど目的や体力の伴わない時間は味のしない食べ物のようで、それだけ費やしても心は満たせない。惰性でプロテインを飲んでいる。粉をといた無味の液体、としか思わないんだけど口当たりが癖になってしまった。遠くにほのかな大豆のうまみ。無意味なものや時間に慣れ始めている。 特に心は苦しくないの

          それは「グレイト・エスケープ」だね

          歌は剥かれるのを待つ果実

          こんばんは。昨日は、大学短歌バトル2018を観戦してました。温泉の休憩室より湯冷めしながらの観戦でしたが、それを上回る熱い闘志に触れ、トータルではとても熱くなりました。早稲田短歌会の皆さん、優勝おめでとうございます。 勝負の形式としては「歌合」と呼ばれ、各チームには提出歌の作者「方人(かたうど)」と味方の歌をアピールし敵方の歌を批評する「念人(おもいびと)」がいて、それぞれの提出歌の優劣を審判「判者」が決定する、というディベートのようなものでした。 私は参加経験もなければ

          歌は剥かれるのを待つ果実

          あなたの外す眼鏡が冷える

          こんにちは。先日すごいレンズを購入したことで迂闊に楽しくなってしまい、街を撮り歩いていたら何かと日が空いてしまいました。皆様はいかがお過ごしでしょうか。趣味にお金、かけていますか。 写真付近の界隈には、魔的な魅力を持つレンズを銘玉(名玉)と称し讃える文化がありまして、なんだか古代の呪術国家みたいだと思います。どんな芸術でも良い道具が必ずしも良い結果をもたらすとは限りませんが、呪術的な力でもって心に栄養を与えてくれるので、できる範囲での摂取を心がけたいですね。習慣として。

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          お前の最後はひとりだ

          こんにちは。各方面で絶賛されている中、昨日やっと『勝手にふるえてろ』を観てきました。 終始、松岡茉優と付き合いてえ!!という真なる気持ちと、切り取られる構図のいちいち美しいことに夢中になり、中盤以降のシナリオがほとんど頭からすっぽ抜けてしまいました。なんたる失態。 エンドロールに入った瞬間にいろんな意味で「うわもう一度観なきゃ」と焦った作品は初めてです。最初から最後までどきどきしてました……。 JR東日本のキャンペーン広告「行くぜ、東北」でこのごろ絶賛目にする彼女、あの

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          君と地球の朝を歩めり

          こんにちは。いよいよもう寒いですね。私は大阪から東北にきたなんちゃって北の人なので、路面が凍るとすぐに正体がバレます。歩けない。 そういえば、仙台にはおしゃれな帽子屋さんがたくさん(たぶん大阪よりはたくさん)あるんですけど、それって吹雪か冷気とかそういう物理的な脅威から身を守るためでもあるんだろうなって思います。 雪道を歩くとすぐに汗だくになるし、なぜだか明け方に寝汗をすごいかくので、ここでの冬は寒さと暑さの比率がだいたい同じぐらいです。すごい生きてるってかんじがする。

          君と地球の朝を歩めり

          そうだとは知らずに乗った地下鉄が外へ出て行く瞬間が好き

          こんにちは。年末からしばらくお仕事に追われていたのですが、やっと今週で一つの山を越えることができました。余裕がなくなると私生活の手を抜いて帳尻を合わせるタイプの人間なので、これから少しずつ日常を取り戻していこうと思います。 さて、このnote・マガジンではできるだけ等身大な言葉で、私の思う短歌のことや短歌じゃないことを述べます。 いつもね、ほんと、短歌に限らずいろんなことを考え始めるとついつい気難しく構えてしまう癖があるんですけど(前回の投稿とかそういうのです)、時にはそう

          そうだとは知らずに乗った地下鉄が外へ出て行く瞬間が好き

          君の不思議な詩を思い出す

          こんばんは。前回は挨拶・個人的な前語りに終始していたので、今回よりさっそく短歌について読者に向けた話をします。 はじめに。このnote・マガジンの目的は、できるだけ等身大な言葉で、私の思う短歌のよさを読みほどくことです。短歌がどんなものか知らない、知っているけどわからない人(これはどんな歌人でも突き詰めたらそうだと思いますが…)に向けて、私なりのわかり方・よさの感じ方を伝えたいと思っています。 一般的に短歌の「評」というと、信頼性を裏付ける文体が前提であり、一切の隙を埋め

          君の不思議な詩を思い出す

          ここから先は夜の歩道橋

          短歌のことをもっと考えたいと思い、マガジンとして定期的に発信をすることにしました。 表現というものにはすべからく質量があって、その重みに耐えうる心を作るには、日々持ち上げることを続けるほかない、と思います。止まることなく歩み続けた先に初めて、自在に手足を動かせるようになるはずだ、と。 twitterでの投稿はいわばミニマムな個室で、例えば短歌と少しの評を添えるだけで簡単にそれらしい空間を得られます。けれど、それだけではおそらく自分の中で積み上がらない。確かな構造と質量を伴

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          ストラクチャー - 夜

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          光と曇

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