宮森みどり

自分以外の何かを演じる作品を制作するパフォーマンスアーティスト。実践に基づく研究、パフ…

宮森みどり

自分以外の何かを演じる作品を制作するパフォーマンスアーティスト。実践に基づく研究、パフォーマンス・スタディーなど。Powered by 宮森みどり+

マガジン

  • エッセイ

    直近のことを綴ったブログ、エッセイ。大切なものを掬い上げた時にはこぼれ落ちてしまうような、生活や気持ちについて書いています。

  • 宮森みどりというプロジェクト、というか生き方

    「宮森みどり」と名乗り始め、暮らしの中で実践してきたことやそれを振り返った記事の一覧です。

最近の記事

【雑記】メンヘラ上等!!!(博士後期課程に進学します)

4月から、晴れて大学院の博士後期課程に進学することになりました。4年間在籍した修士課程で無事に修士号を取れたようで、進学手続きもなんとか済んでいる状態だとのこと。 一昨日卒業式があったようで、たくさんの同期や後輩が卒業証書や卒業式の看板と共に写った写真がインスタに流れてきた。それをみながら私はこれまでのことを思い返していた。 18歳の時に学部に入学し、その後大学院に入学。26歳で修士課程を終えた私の時空はどこかで捻れたのか拗れたのかをして、この間のどこかで3年間ほどサラリ

    • 適切な距離感って

      これまで人と関わり始める方法について考えてきたことに続いて、人とどのように継続的にかかわっていけるかをこの1年間考えていた。理由はきっとたくさんあるけれど、私が私の声を聞くようになったことが大きいと思う。 大好きだった人を彼氏と呼ぶのをやめてからというもの、彼とのデートに使っていた時間をひとりで初めて行くお店に行くことに費やしてみたり、実は何度かデートへ出掛けていた。その最中私が感じていたのは、その場の盛り上がりとは裏腹に、疎外感と嫌悪感だった。 恋人が居らず、なんでも逐

      • 再び自らの足で歩くために(2022.01.12)

        学校ではいじめられ、休み時間のできるだけ全てを、トイレの個室や担任の準備室で過ごした。家では受験が順調なフリをして暖かい家族と過ごした。 それらはその頃の私の居場所の全てだった。 だから、担任や両親に嫌われたり疎まれたりするようなことだけは、絶対にあってはならないことだった。 「何を考えているかわからなくて気持ち悪い」 「お前がいると邪魔」 「いじめても気がつかないからもっとやってもいいんじゃない?」 「ブス、きもい」 「宮◯にはその仕事まだ早いんじゃないですか?」

        • 若さ、あるいは幼さと折り合いの悪さ

          18歳〜21歳の間バイトしていた蕎麦屋が、今月末に閉業してしまう事を知った。 平日の間に2日と、そして土曜日に通い、働いた店。まだ何者でもなかった、だけど何者かになりたかった私が日銭を稼ぐために過ごしていた場所。バイトを辞めた後も、そこに行くといつでも、あの頃に戻れるような気がしていた。 決して安いお店ではないから、バイトを辞めたあとしばらくは1人で行くことが難しかった。だけどちゃんと働いていれば顔を出せるような、そんな距離感の場所だった。 たまに訪れては世間話や身の上話

        【雑記】メンヘラ上等!!!(博士後期課程に進学します)

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        • エッセイ
          8本
        • 宮森みどりというプロジェクト、というか生き方
          6本

        記事

          奇妙奇天烈展覧会、「卒展」。

          卒業・修了展が終わった。死ぬほど忙しくて、死ぬほど大変で、死ぬほど心が揺れる展示。 私の展示場所には一週間で1万人を超える来場者数で、展示動線は行列みたいになっていた。休日のディズニーランドのほうがまだ歩きやすい。 とにかくLINEとDiscordが鳴り止まない。カタログがない、マップがない、ヒーターがない、受付のシフトが来ない、〇〇さんがいない、どれそれがわからない、などなど。 それに加え、知人から「今ついた!」「〇〇時ごろ行くよ」という連絡が相次ぐ。今会いたい人、今

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          奇妙奇天烈展覧会、「卒展」。

          卒修展の運営と設営

          明後日から始まる大学の卒業・修了作品展にむけ、月曜日から搬入が始まった。 実は、私は学科の代表を務めている関係もあり、年度始まりから運営の全体を管理し、準備を進めてきた。 コロナが明けたことも相まって、今年修了する人はすごく多い。だけど展示会場はいつもと同じサイズだから、なかなかどうして窮屈な配置となっていた。 大学院生だということもあり、みな学部のときと比べれば幾分か大人である。だからトラブルは早々ないと思っていた。 ところがそれは、私にとっては極めて難しい形で私の

          卒修展の運営と設営

          正しくて、健全で、いい関係

          2023年3月 大好きだった人を彼氏と呼ぶのをやめたいと思った。強く強く思った。私のせいで彼の元気がなくなっていくのをもう見たくなかった。彼が変わっていってしまうのが嫌だった。 だけど彼のことが大好きだった。ほんとにほんとに大好きだった。なんとなく、漠然と、能天気に、私達は「恋人」なんて大袈裟な名前がなくてもずっと一緒に居れると思った。 京都からの帰り道の新幹線、彼に連絡をした。その足で会いに行って、いっぱい泣きながら話をした。彼氏じゃなくなってもあなたのことが大好きだ

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          広島、ホストクラブ、友人。

          土曜日の夜11時、乗っていたバスが広島市八丁堀の駅に停車した。 向かう先は既に決まっていて、バスが広島駅北口駅を発った後は、専らその店の料金システムやSNSをチェックしていた。 私が向かったのは、実に8年ぶりに会う友人が働いている流川のホストクラブだ。 中学生の頃にインターネットで知り合い、10代の頃はよく遊んでもらっていたその人に会いにいった。 その友人は私よりも少しだけ年上で、よく会っていたころは(一方的に)兄のように慕っていた記憶がある。通っている学校に居場所がなく

          広島、ホストクラブ、友人。

          「いなせ」に生きる。

          「どうせ燃やされるんだから今燃えよう」とその人が言う。私は今日、その人と衝撃的な出会い方をした。今日この人と出会ったのは、なんの示し合わせもなく、たまたま行きつけのバーでのことである。 昨日今日とワークショップ公演があった私は、打ち上げを終えて最寄駅に戻り、へべれけでよく通っているバーに向かった。昨日は三連休の初日のせいかお客さんにあふれ一杯だけビールを飲むに留めた店に訪れると、なか日(日曜日)の今日はやや空いていた。入店してすぐ店奥の客が会計を済まし客が私だけになり店のバ

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          教えることで教わる

          河合塾美術研究所(美術予備校)に7年ぶりに足を踏み入れた。河合塾美術研究所は、私が大学受験生の頃通っていた予備校で、卒業以降足を踏み入れたことはなかったが、講評の依頼を受け伺った。 予備校で働く友人から外部講評の誘いを受け、恐れ多いと思いつつもいい機会だと思って仕事を受けることにした。 かつて受験生だった頃、とても苦しかったのを覚えている。面倒見よく指導してくれる講師陣を信頼しつつも、講評にはいつも怯えていたような記憶がある。そして、私自身にとっては黒歴史の宝庫でもある。

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          「愛した人を忘れずにいることは、決して無駄にはならない」

          小説を読むことが苦手で音楽もあまり聴かない私の目に突然、「愛した人を忘れずにいることは、決して無駄にはならない」という言葉が飛び込んだ。 忙しいからと予定を断ってしまうくせにInstagramはよく見てしまうという悪癖のおかげか、小説を読まずとも、音楽を聴かずとも、ロマンチックな言葉に触れることができる。練り上げられた小説や歌詞のようなものが苦手な私にとって、SNSがあるとはいえ、こういった種類の言葉に出会うことは稀なことである。 古くからの友人が、インスタのストーリーにジ

          「愛した人を忘れずにいることは、決して無駄にはならない」

          聡明な嘘つきの手付き

          あなたは、嘘をついたことがありますか? ほとんどの答えがYesなんじゃないかと思います。嘘はコンパクトで、最低限で、キャッチーな場合が多いのではないでしょうか。 どうしてこんなことをしたの?と問われ、本当のことを冗長に答えるのではなく、誰もが納得しやすい形で言葉を紡ぐこと。 あなたはどんな夢を持っていますか?と問われ、本当のことを答えるのではなく、割愛してキャッチーな肩書を答えること。 こういった応対は、嘘なのか?それとも生活やコミュニケーションのスキルなのだろうか。

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          【お知らせ】宮森みどり、団体化に踏み切りました

          2023年9月1日、私宮森みどりは、ひっそりと団体「宮森みどり+」を立ち上げることとなりました。 これは劇団でも、コレクティブでもありません。ただ、団体としか言い様はないだろうと思います。 所属や脱退など、そんな変な縛りは無しです。ただ、私の活動を支えてくれた人を不可視化する個人名義は、居所が悪くなったのです。 既に、活動の殆どが個人名義では語れないほどに多くの方に支えられてきました。会場設計施工・企画制作・出演など、助けてくれた多くの人の支えがあったから、今日これまで

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          働くことについて

          これまであんまり触れてこなかった、働くことについて書いてみようと思う。なぜ突然思い至ったかというと、フリーランスでお世話になった1社目のお客さんと、そろそろ契約が終わりそうだからである。 そしてやっぱり、自分の生活はお金があって回っていることを秘匿すべきじゃないと思ったからだ。 アーティストがお金のことにダンマリを決め込むケースは多いし、私も漏れずにそうしてきた。作品を作った人の背景に、例えば「会社員」「フリーター」「無職」などの職業がちらつくことが邪魔になるんじゃないか

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          働くことについて

          最低なラブレター 2023.8.23.

          答えの出ない、個人的な話なので有料記事です。

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          最低なラブレター 2023.8.23.

          バーイベント後記|「わたし」役を降板しよう

          昨日、新宿にある学問バーkisiというお店で、1日バーテンダーを務めた。 そこは、研究や実践をアカデミックな場所で行っている人が日替わりバーテンダーとして立つお店。 広義での研究と実践はしてきたし、それを来年から大学で実際に論文を書こうとしているし、そういう意味ではイベントの企画趣旨もズレていないし、店長さんにお願いして立つことにした。 劇場じゃなくて、ギャラリーじゃなくて、オルタナティブスペースでもない場所での発表は、今後ひとつの軸になっていくだろうなと考えていたので

          バーイベント後記|「わたし」役を降板しよう