歌奈子

ドラマと映画、読書が趣味。20代後半。 お芝居が好き。 【やりたいこと】世界旅行、小説…

歌奈子

ドラマと映画、読書が趣味。20代後半。 お芝居が好き。 【やりたいこと】世界旅行、小説を書く、英語と韓国語を話せるようになる、ラジオ、朗読

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ワンダフルライフ

井浦新さんの映画デビュー作ということで観た。 この頃も今と同じく、綺麗で落ち着いたリズムがあって、静かで、哲学者のような雰囲気を持っている方だ、と感じた。 この映画が公開された年、私は生まれた。 私が物心ついていない頃すでに俳優として活躍していた人たちが、今も映画やドラマに出ている。自分が赤ちゃんだった頃、彼らはすでに大人だった。そのことがなんか不思議だった。 小津安二郎監督作品のように真っ正面からずっと映し続ける、死者たちの語りのカットが印象的だった。皆、役者としてでは

    • アンメット 2話

      電車のドア付近にもたれかかりながらスマホで観ていて、泣きそうになってしまった。変なやつになるところだった。 努力できる人間で、努力で自分の人生を切り拓いてきていて、そこを皆に認められている亮介くんが、自分の根幹にあるその信念や価値観を揺るがされながら少しずつ、前向きさを取り戻す物語だったと感じた。 努力でどうにもならない事実を突きつけられて、大好きなものと離れなければならなくて。その事実を頭だけでなく心でも理解してしまった時、どれだけ辛かっただろう。 どうにもならない事実と

      • 正欲

        「地球に留学しとるような感覚なんよね、ずっと」 私がはっとする台詞を、夏月はぽそっと呟いた。視聴者にとっては大事な台詞だけれど、夏月はその感覚をずっと持ち続けて葛藤し最適な言葉で言語化できるまで悩んだからこそ、何でもない言葉のように呟けたのだと感じた。 めでたいポジティブな空気感で描かれることの多いプロポーズのシーンや結婚生活は、「嬉」という雰囲気が限りなく削られていたことが印象的だった。本当に、理解者と住み始めた、という感じ。夏月のほうはでも、感じたことのない安心感や「この

        • 夢、書いておけばいつか半分くらいは叶っているかも

          夢を書いておく。 最近誕生日を迎えたので、5年先くらいまでの夢を書き留める。 夢なんて、今までは思いついた時に日記に書くだけだったけど、不特定多数が閲覧可能な状態の場所に記しておけば、自分の肝も座るというか本気で目指す気になるんじゃないかと思って。 仕事今転職活動中なので、まずは転職活動を無事終える。 ビジネスマンとして成長しようと思い続けられる職場で、30までに「私はこれができます」と胸を張って言える状態になる。そしたら多分、将来どんなことがあっても自分で生計を立てて生き

        ワンダフルライフ

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          白河夜船

          「明日は午後に仕事に出ればいいんだ」 これを言っちゃう罪な男を井浦新さんが演じていて、感無量というか、生きてて良かったと思った。 岩永は地に足ついた感じがしてて、寺子の方が酔ってる感じがする、と最初は思った。女性のほうは恋してて、男性の方は典型的に不倫のつもりでいると。 先方の、って言い方がもう、ほんとこの手のこういう種類の男性が言いそうなことだなぁと感じて気持ち悪い(とても好き)。どういう理由だって不倫は不倫だ、と、初っ端から心は割り切っていたので、こうやって男性側を批判

          白河夜船

          「大丈夫」と言ってくれる人を探していた

          自分は自分のことが好きだ。 もう受け入れている。 でも、自分はそうでも、他人は自分のことを「大丈夫じゃない」と思っているかもしれない。 ふと不安になったとき、誰かに「私、これでいいかな?」と聞きたくなる。 そばに誰かいてほしくなる。 「大丈夫」と言ってくれる人を、探す。 本当は自分が自分にそう言ってあげられたらそれでいいのだ。 でも、それができてもなお、まだ他人の「大丈夫」が欲しくなる。 自分ひとりで部屋の中にいるときは自分を認められていても、一歩外に出て、違う価値観の人と

          「大丈夫」と言ってくれる人を探していた

          考えてていいんじゃないか

          物事を考えすぎているということに、私は最近まで気づかなかった。 変わり者風の意見を披露して凄いやつだと思われたいとか、「承認欲求を満たしたい」とか(最近の人って他人に対して「承認欲求」って言葉を使い過ぎじゃない?何か、すぐ「承認欲求」って言葉で他人を貶そうとするし、「承認欲求」自体を悪者みたいに捉えてる気がする。まあ目立ちたくて悪いことする人もいるのは事実だけど、マズローの欲求五段階説のうちに含まれてるくらいだから、承認欲求って誰でも持ちうる、持ってて自然なものくらいの軽さで

          考えてていいんじゃないか

          日常に、ささやかな登場人物がいること

          今年のドラマ生活はおっさんずラブから始まった。春田と牧と部長にまた会えるという喜びを噛み締めていたが終盤はもう完全に新キャラの和泉さんと菊様の恋模様に心を持っていかれた。あんなドイケメンのおじ様がドイケメンの秋斗を想い続け、そんな彼をドイケメンの菊様が支えている。切ない菊様の片思いの年数は軽く10年以上という。そしてそのドイケメン達は皆公安なのだ。もうやっちゃってますって。完全に私は沼から出られなくなってしまった。 そんなこんなでおっさん達に心を囚われたままの日常を過ごして

          日常に、ささやかな登場人物がいること

          ダブル•ファンタジー それぞれの男性と奈津

          「人は女に生まれるのではない、女になるのだ。」 その印象的な言葉が繰り返されるので、これは母の娘だった女性が男性達との関わりによって女になっていく作品のようだが、実際は依存関係に縛られていた人間が精神的な自立に向かっていく、そういう物語だったと感じる。不倫ドラマだし、性的な描写とかそういう刺激的なものに目を取られてしまいがちだけれど、シンプルに捉えると、1人の人間の成長物語というだけだったように思う。不倫について「絶対だめだろ!」という自分の気持ちを全面に出したままだとそもそ

          ダブル•ファンタジー それぞれの男性と奈津

          NewJeansのETA解釈

          習い事の空間でよくかかってて、何の曲だろ?洋楽かな?と2ヶ月くらい気になっていた曲。 たまたまYouTubeのおすすめに出てきて何となく押してみたらこ曲で、あぁNewJeansの曲だったのか!とびっくりした。OMGとDitto以外聴いていなかった。 カナルビと和訳を入れてくださっている動画を数本見て、コメント欄に色々な解釈が書いてあることに面白さを感じた。 彼氏が浮気してるよって女友達に教えてあげてるとか、実は女の子のことが好きだから「あんな男やめなよ」って言ってるとか、色

          NewJeansのETA解釈

          にじいろカルテ 5話

          「話を聞いた人がさ、勝手に分かりやすい物語にしてしまうのが、嫌だったからなんだ」 朔先生のこの一言が魔法のように頭に沁みた。 「人はそうやってさ、自分が勝手に語りやすい物語の中に人を閉じ込めるだろ?俺はさ、その場所にいる限りずーっとその物語の登場人物なんだよ」 悲しい出来事に限らず、人は自分にとっての分かりやすさを求めて、他人の過去や個性を勝手に脚色し、頭の中で相手を「それっぽい人物として」認識してしまう。 相手が抱いてきた数え切れないほどの感情や葛藤を無視して、相手に

          にじいろカルテ 5話

          「あんた」(アクターズ・ショート・フィルム2)

          千葉雄大監督の「あんた」。 伊藤沙莉さんと千葉雄大さんの、これ普段の様子撮ってるだけですか?ってくらいの生き生きした会話に思わずにやける。 千葉雄大さんて、最初はあざと可愛いキャラという感じで一世を風靡したけど、本人は本当はこんな感じで「てかその男はちゃんとゴムつけたんでしょうねぇ!?」とかぶっちゃけた会話して楽しそうに笑うんだろうな、と、感じて、改めて好きな俳優さんだなと思った。いや、現実は違うかもしれないけど。 伊藤沙莉さん演じる女の子が彼氏できた話して、最初はスイッチ

          「あんた」(アクターズ・ショート・フィルム2)

          私の季節、春。私は単純なのか

          昨日、嘘みたいに暖かい室温に胸が高鳴り、窓を開けて寝起きには眩しすぎる太陽光を浴びた瞬間、アナ雪のアナの「今日は戴冠式だ!」の時さながらの晴れ晴れウキウキのテンションになった。 私は春が好きだ。暖かいのが好きだ。というか春、夏、秋が好きだ。 春は、冬という寒い時期を抜けて来るからこそ、より暖かさの有り難みを感じられて気分がすっと晴れていく。 うきうきとごろごろ寝て、丁寧に朝ごはんなんか作って、本屋で恩田陸さんの「spring」を買った。 いやあなた、はしゃいでるけど今いちお

          私の季節、春。私は単純なのか

          読書欲がやまない、なぜ。

          kindle!kindle用のタブレット!ipad!楽天マガジン!ときて、ついに今日Audibleを購読した。すべて昨年末から今までにかけての出来事だ。 それまでは、本といえば紙!という主義のオナゴだったはずだ。紙で読まないと、覚えないし。本屋さんで読むから、いいんじゃない、本っていうのはさ。そんなさっくり電子でつまむものじゃないわよ。って、ちょっと気取っていたはずだ。 実際、読んでいた本のジャンルは100パーセント小説だったため、紙の本の触り心地も楽しみながら、その他の通

          読書欲がやまない、なぜ。

          つんドルを観て考えた自分の人生

          「僕から見たら、君は眩しいけどね。  全力で生きてるじゃない。心配になるくらい。」 そのササポンの言葉が、自分自身にも深く刺さった。 なにより、安希子が自分のようだった。 焦って、がんじがらめになって、自分は大丈夫だと言い聞かせて(実際、全く大丈夫ではない時ほど周囲と自分には「私は大丈夫!」と言い切ってしまうんだよな)、でも体と心は完全には騙し切れなくて、気がつく頃にはとんでもない程疲弊している。 ササポンのリズムに触れて、安希子の口調が穏やかになる。最初と最後のほうの、病

          つんドルを観て考えた自分の人生

          52ヘルツのクジラたち

          苦しくて、苦しくて、苦しくて、 本当に苦しい時は、涙が出ないな、と感じた。 胸が擦り切れるような苦しみと、頭のてっぺんを殴られたような苦しみと、胸の奥から込み上げてくるような苦しみを、消化できないうちに物語が進んでいって、映画を観た後、駅までの道を夢遊病のように歩いた。 でも、海の見える家でキナコがアンさんに語りかけるシーンは涙が溢れた。 わずかでも希望が見出せるような瞬間が、心の奥に温かく沁みてくる作品だった。 なぜ人の苦しみが分かる人が先にいなくなってしまうのか。ここ

          52ヘルツのクジラたち