しおん🍅

世の中の経済問題などを主に執筆。

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【第23回】日銀のマイナス金利解除 アベノミクス終焉で緊縮の時代へ

 日銀は3月18、19日の金融政策決定会合で「マイナス金利政策の解除」「長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)の廃止」「ETFなどその他資産買い入れの廃止」に踏み切った。今後の日本経済にどのような影響をもたらすのか。  マイナス金利とは、民間の金融機関が日銀に預けている預金金利をマイナスにすることだ。日銀はこの政策によって、金融機関が企業への貸し出しや投資に資金を回すように促し、デフレ脱却を目指している。  2016年2月に導入されたマイナス金利政策では、金融機関が

    • 【第22回】日韓通貨スワップ協定再開 事実上のウォン救済となり韓国が利用 

       日本と韓国は12月1日、6月29日に開催された第8回日韓財務対話の合意に基づき、金融危機の際に通貨を融通し合う通貨交換(スワップ)協定を締結した。  通貨スワップ協定とは、2国間あるいは多国間で自国通貨と外貨を交換する契約のことをいう。日韓の通貨スワップ協定によって、韓国はウォンを日本に渡し米ドルと日本円を受け取ることができる。  通貨スワップ協定にはどのような効果があるのだろうか。為替レートは、平常時であれば、両国間の金融政策の差でだいたい決まるが、通貨危機時にはそう

      • 【第21回】日銀の政策変更「1%を目途」に さらなる長期金利の見直しも

         日銀は10月30、31日の金融政策決定会合で、長期金利の上限を柔軟化し、「1%を目途」と改めた。 今後の日銀はどのように動くだろうか。  7月27、28日の決定会合では「10年物国債金利について1%の利回りでの指し値オペを、明らかに応札が見込まれない場合を除き、毎営業日、実施する」としていた。  これを受けて長期金利の上限を「1%」に厳格に抑えるとしてきた運用を、10月の決定会合では上限を「1%を目途」に見直しをされたと報じられた。「1%を目途」なので範囲は明確ではない

        • 【第20回】消費税が導入された経緯は何か 個人コード導入が最善の策だった

           10月にインボイス制度が導入されて、消費税に注目が集まっている。消費税はどのように導入されたのか。  消費税が導入される前、税金をごまかす事業者がたくさんいた。この当時、盛んに言われたのが「クロヨン」だ。クロヨンとは、サラリーマンなどの給与所得者は9割の所得を捕捉されるのに、自営業者などの事業所得捕捉は6割、農林水産業を営む事業者の所得捕捉は4割という意味だ。  また、銀行や郵便貯金で仮名口座を作ることができたため、税務署が資産を正しく捕捉できず、税金の徴収漏れが多かっ

        【第23回】日銀のマイナス金利解除 アベノミクス終焉で緊縮の時代へ

        • 【第22回】日韓通貨スワップ協定再開 事実上のウォン救済となり韓国が利用 

        • 【第21回】日銀の政策変更「1%を目途」に さらなる長期金利の見直しも

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        • 国際経済
          8本
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          【第19回】インボイス制度の仕組みと影響 徴収漏れや益税を解消すべきだ

           来月10月から消費税に適格請求書等保存方式(インボイス制度)が導入される。インボイス制度を導入するとどのような影響があるのか。  まず、消費税の仕組みについて確認しておこう。商品を仕入れる時には、相手に消費税を支払う。仕入れた商品を売った時には、消費税を受け取る。販売時に受け取った消費税を全額納付するわけではなく、仕入れの時に支払った消費税を控除して計算する。  例えば製造業者、販売業者、最終消費者という場合を考えてみよう。販売業者が本体価格8000円で仕入れて、1万円

          【第19回】インボイス制度の仕組みと影響 徴収漏れや益税を解消すべきだ

          【第18回】実質実効為替レートを「円の実力」と表現するのはミスリードだ

           国際決済銀行(BIS)が公表した8月の円の実質実効為替レート(2020年=100)の数値が73.19と、これまで過去最低だった1970年8月(73.45)を下回った。マスコミでは「円の実力が低下した」という報道が散見されるが実際はどうだろうか。  まず、実質実効為替レートとは何か説明しよう。為替レートは、2国間の通貨の交換比率である。実質実効為替レートは、これに「実質」と「実効」2つの変更を加えることで計算することができる。  「実効」とは、円とドルのように特定の2通貨

          【第18回】実質実効為替レートを「円の実力」と表現するのはミスリードだ

          【第17回】リーマンショックから得られる教訓 議事録から見る白川日銀の無能ぶり

           2008年9月に起きたリーマン・ショックから15年が経過した。そこから得られる教訓は何か。  当時の史実を振り返っておこう。2008年9月15日、米投資銀行リーマン・ブラザーズが経営破綻した。具体的には、リーマン・ブラザーズがサブプライム住宅ローンの損失によって連邦破産法11条を申請し、破産した。負債総額約6000億ドル(当時のレートで約64兆円)というアメリカ史上最大の企業倒産であった。  サブプライム住宅ローンとは所得の低い人向けの住宅ローンであるが、ローンの際の審

          【第17回】リーマンショックから得られる教訓 議事録から見る白川日銀の無能ぶり

          【第16回】ドイツのエネルギー政策は欺瞞 日本が教訓とすべきことは何か 

           ドイツ連邦議会は9月8日、石油とガスの暖房システムを段階的に廃止する法案を可決した。日本が教訓とするべきことは何か。  今回ドイツ連邦議会で可決された法案は「建築エネルギー法(GEG)」と呼ばれ、住宅やその他の建物で熱を発生させるために使用される再生可能エネルギーの量を徐々に増やすことを目的としている。現在、ドイツの建物の半数がガス暖房システムを使用していると推定されている。  この法律は2024年1月1日に施行される予定だが、機能している暖房システムは引き続き稼働し、

          【第16回】ドイツのエネルギー政策は欺瞞 日本が教訓とすべきことは何か 

          【第15回】未成熟の脱工業化と言われるインド経済は今後どうなるか

           中国を上回る経済成長を示し、グローバルサウスの代表格であるインドの経済が注目されている。インド経済の特徴は何か。また、インド経済の今後はどうなるか。  インドの経済成長の主因は力強い消費だ。インドの最終消費支出(年率成長率)の推移を見ると、7.6%(2017年)7.6%(2018年)4.9%(2019年)-4.5%(2020年)10.4%(2021年)6.4%(2022年)と、コロナショックを除くと非常に高い水準だ。また、半導体などの国際競争力の強いサービス産業もインド経

          【第15回】未成熟の脱工業化と言われるインド経済は今後どうなるか

          【第14回】アフリカ歴訪の成果と意義は何か 政治情勢を常に注視せよ‼

           西村康稔経済産業相は8月6~13日の日程でナミビア、コンゴ民主共和国、ザンビア、マダガスカル、南アフリカ、アンゴラの6カ国を訪問したが、その成果は何か。また、日本がアフリカ支援をする意義とは何か。  アフリカ経済の将来を占うときに気にかかるのが「資源の呪い」だ。これは、天然資源があるというが経済成長にとって祝福というより呪いだとする考え方だ。  イギリスの経済学者リチャード・アウティは、豊富な資源が経済発展に結びつかない原因として、①資源に依存して他の産業が育たないこと

          【第14回】アフリカ歴訪の成果と意義は何か 政治情勢を常に注視せよ‼

          【第13回】世界最大の年金基金であるGPIFはいらない

           GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は2023年4~6月期の運用収益が18兆9834億円だったと公表し、2020年4~6月期の12兆4868億円を上回り過去最高を更新した。  GPIFとは「Government Pension Investment Fund」の略で、日本の公的年金のうち厚生年金と国民年金の積立金の管理・運用を行っており、世界最大の公的運用機関だ。  GPIFは国内債券・国内株式・外国債券・外国株式にそれぞれ25%ずつ投資し、債券と株式に分けた時に

          【第13回】世界最大の年金基金であるGPIFはいらない

          【第12回】長期金利上限1%まで容認 今後趨勢的に金利上昇が不可避な理由

           日本銀行は7月28日に開いた金融政策決定会合でYCC(イールドカーブ・コントロール=長短金利操作)の柔軟化を決めた。   前回の6月16日の金融政策決定会合では「長期金利の変動幅を±0.5%程度」とされていたが、今回は、「長期金利の変動幅を±0.5%程度を目途とし長短金利操作についてより柔軟に運用する」と修正された。それと同時に、毎営業日実施される指値オペについて10 年物国債金利0.5% から1.0%とされた。  今回の決定は、日銀が許容する長期金利の上限が0.5%か

          【第12回】長期金利上限1%まで容認 今後趨勢的に金利上昇が不可避な理由

          【第11回】岸田首相「外国人と共生社会」は世界と逆行している 

           岸田文雄首相は、令和国民会議(令和臨調)の発足1周年大会で、人口減少を踏まえて「外国人と共生する社会を考えていかなければならない」と語った。  岸田首相は冒頭の挨拶で、次元の異なる少子化対策とデジタル社会への変革を掲げている。これらをあわせて読めば、人口減少には、少子化対策、デジタル改革、外国人受け入れということになる。  少子化対策には時間がかかるから、当面の間外国人受け入れというロジックを話しているが、当面とは言え、外国人受け入れの社会的リスクは大きい。その理由を考

          【第11回】岸田首相「外国人と共生社会」は世界と逆行している 

          【第10回】中国のGDPは信頼できない 「中所得国の罠」に陥り経済発展は困難 

           中国の国家統計局が公表した今年4月から6月までの実質GDPの伸び率は、前年同期比で6.3%だった。今後の中国経済の動向はどうなるだろうか。  中国のGDP統計が発表されるタイミングは異様に早い。あれほどの大国なのになぜそんなことができるのか。GDP統計は、消費、投資、輸出、輸入などの様々な統計データを集めてようやくできる。だから、GDP統計発表までの期間は最低でも1カ月は必要だが、中国の場合はすぐ出る。まるで誰かが数値を先に決めているかのようだ。  ただし、輸入の統計デ

          【第10回】中国のGDPは信頼できない 「中所得国の罠」に陥り経済発展は困難 

          【第9回】再販制度は市場経済として不健全 値段は需給バランスに従うべきだ

           「再販売価格維持制度」という制度を聞いたことがあるだろうか。モノの値段は通常、需要と供給のバランスによって決まる。値段が一定になるのは、完全競争のように競合他社との均衡であるが、実はシステム的に値段が一定に保たれている分野がある。それが再販制度だ。  再販制度が適用されているのは、書籍、新聞、雑誌、音楽CDなどだ。どれも身近な商品だが、これらの値段はどこの店でも同じである。要するに、再販制度というのは値段を変えずに売るという制度である。このように、あらかじめ値段が決まって

          【第9回】再販制度は市場経済として不健全 値段は需給バランスに従うべきだ

          【第8回】LGBT 理解増進法成立は暴挙 犯罪増加などの懸念払拭されず

           6月16日の参議院本会議において、LGBT理解増進法案が可決・成立した。政府が法案成立を急いだ背景は何か。また、法案成立によって社会にどのような影響があるだろうか。  今回の法案成立はあまりに強引だったと言わざるを得ない。自民党の公約を見ると、2016年参院選から2021年衆院選まで、公約ではLGBT法を議員立法で成立させるとしている。しかし、直近の2022年参院選の公約にはその記述がない。また政策集においては、2016年参院選から2021年衆院選まで公約とほぼ同じ記述が

          【第8回】LGBT 理解増進法成立は暴挙 犯罪増加などの懸念払拭されず