【うたかたの日々のために。】No.16 「プラネタリウム」


 今思えば、それほど親しかったのかどうかもわからない女の子とふたりで、プラネタリウムに行った日のことを、仕事終わりにふと思い出した。どういう経緯だったのか、ずいぶん昔の話だから思い出せないのだけど、とにかく一緒に星を見に行こうという話になったのだ。僕は当時、休みなく仕事をしていて、とても疲れていた。それもあって、プラネタリウムの椅子に深くもたれかかり、作り物の夜空に光る星たちを眺めるうちに、いつの間にか眠ってしまった。目を醒ますと、すでに上映は終演。帰り道、女の子はしばらくの間、プラネタリウムの上映内容の話を熱心にしていたけれど、不意に低いトーンの声で「でも、きみはずっと眠っていたものね」と言った。言いわけなどせずに、疲れていたので寝てしまったと謝ればよかったのだけど、なぜか、僕はそのとき「いや、ずっと起きていたよ」と嘘をついた。どうしてあのとき、僕は嘘をついたんだろうな。今でもわからない。(狭井悠)


《今日のぼんやり》

 毎日更新211日目。結局、毎日仕事をしていたら、あっという間に正月が終わってしまった。東京の正月をゆっくりと過ごしてみようと思っていたのに、結局、パソコンのモニターを眺めてばかりいた年始だった。仕事で疲れて、ベッドに横になり、目を閉じると、キリンジの「エイリアンズ」という曲がずっとあたまの中にリピートしていて、なんだか冷凍都市の暮らしって感じだなあ、と、独りごちた。良い曲なので、紹介して今日は締めとする。

遥か空に旅客機 音もなく
公団の屋根の上 どこへ行く
誰かの不機嫌も 寝静まる夜さ
バイパスの澄んだ空気と 僕の町
泣かないでくれ ダーリン ほら 月明かりが
長い夜に寝つけない二人の額を撫でて
まるで僕らはエイリアンズ
禁断の実 ほおばっては
月の裏を夢みて キミが好きだよ エイリアン
この星のこの僻地で
魔法をかけてみせるさ いいかい
どこかで不揃いな 遠吠え
仮面のようなスポーツカーが火を吐いた
笑っておくれ ダーリン ほら 素晴らしい夜に
僕の短所をジョークにしても眉をひそめないで
そうさ僕らはエイリアンズ
街灯に沿って歩けば
ごらん 新世界のようさ
キミが好きだよ エイリアン
無いものねだりもキスで
魔法のように解けるさ いつか
踊ろうよ さぁ ダーリン ラストダンスを
暗いニュースが日の出とともに町に降る前に
まるで僕らはエイリアンズ
禁断の実 ほおばっては
月の裏を夢みて
キミを愛してる エイリアン
この星の僻地の僕らに
魔法をかけてみせるさ
大好きさエイリアン わかるかい

 今日もこうして、無事に文章を書くことができて良かったです。

 明日もまた、この場所でお会いしましょう。

 それでは。ぽんぽんぽん。


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