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音楽家のいろいろなエピソードにちなんだ絵を描いて、皆さんにご覧いただいています。私自身…

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音楽家のいろいろなエピソードにちなんだ絵を描いて、皆さんにご覧いただいています。私自身はバロック音楽が好きで、フラウト・トラヴェルソを習っています。普段はグラフィックデザインとイラストレーション制作の仕事をしています。 https://www.miuramanami.net/

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  • note クラシック音楽の普遍化を達成する

    • 1,239本

    クラシック音楽の歴史や作曲家、作品について、哲学的な視点から分析し、その普遍性や深さを探求する和田大貴のnoteです。クラシック音楽について語り合えることを楽しみにしています。参加希望の方はマガジンの固定記事でコメントしてください。

  • バロック・フルート レッスン記

    バロック・フルート(フラウト・トラヴェルソ)のレッスンを通じて学んだこと、気づいたことなどなど。

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    クラシックコンサートの感想&イラスト

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バッハを聴く トン・コープマンのリサイタルがきっかけでnoteを始めました

今、こうしてnoteにJ.S.バッハのエピソードと絵を描いているのは、トン・コープマンのパイプオルガンリサイタル(2023.2.18)がきっかけです。 パイプオルガンはこれまで…

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2か月前
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楽器製作者ルドルフ・トゥッツ氏の素敵な映像

だいぶ前のことですが、バロック音楽の演奏会に行った時、とても雰囲気のある楽器を使われていたフラウト・トラヴェルソ奏者の方がいて、あとでフルートの先生に「あの楽器…

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3日前
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バッハ エピソード31 アンナ・マグダレーナ・バッハのためのクラヴィーア小曲集

バッハは1721年に再婚した16歳年下のアンナ・マグダレーナ・バッハのために、翌年1722年から、一冊の音楽帳《アンナ・マグダレーナ・バッハのためのクラヴィーア小曲集》を…

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7日前
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バッハを聴く カンタータ第214番「太鼓よ 鳴れ ラッパよ響け」BWV214

爽やかな新緑と海風が心地よい横浜・山下公園。 古楽・アンサンブル山手バロッコによる横浜開港記念コンサート「バッハ珠玉のカンタータ 喜びのうた〜歓喜の響き〜」を聴…

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13日前
45

今日もnoteのイラストを描いています。

noteを開いたら、

「おめでとうございます!」と
初めてコングラボードが届きました✨
とても嬉しいです

スキしてくださった皆さまに感謝🩷

https://note.com/musicandwords/n/n17dd72b2757e

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2週間前
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フランス盛期のフルート奏者 オトテール

桜も散り始めた土曜の夕方、フルート教室のおさらい会がありました。おさらい会とは、日頃のレッスンで取り組んでいるエチュードなどをソロもしくは先生との二重奏で、人前…

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2週間前
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バッハを聴く マタイ受難曲

バッハ・コレギウム・ジャパンによる《マタイ受難曲》を聴きに行ってきました。 2月に《ヨハネ受難曲》を聴き、3月末、「いよいよマタイだ!」と期待と不安が入り混じった…

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3週間前
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バッハ エピソード30 宇宙を旅するブランデンブルク協奏曲

バッハのケーテン時代(1717-1723年)の有名な協奏曲といえば、6曲からなる《ブランデンブルク協奏曲BWV1046~1051》。《ブランデンブルク》の自筆譜は1721年3月24日付で…

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4週間前
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バッハ エピソード29 再婚

1721年12月3日、バルバラが急逝してからおよそ1年半後、宮廷歌手として当地にやってきたアンナ・マグダレーナ・ヴィルケと再婚します。 彼女は当時20歳でバッハより16歳年…

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1か月前
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バッハ エピソード28 339回目の誕生日を祝う

3月21日はJ. S. バッハのお誕生日(旧暦)です。 グレゴリオ暦だと3月31日になります。 今日は339回目のお誕生日です。 お祝いしましょう! ハッピーバースデー! 今日は…

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1か月前
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バッハを聴く 巨匠バルトルド・クイケン

バロック・フルート(=フラウト・トラヴェルソ)を始めようと決意したちょうどその頃、バルトルド・クイケンのリサイタルがありました。 クイケン氏は世界的なフラウト・…

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1か月前
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新しいバロック・フルートがやってきた

2023年1月にモダン・フルートからバロック・フルート(フラウト・トラヴェルソ)にレッスンを切り替えて2年目。これまでは先生の楽器をお借りしていたのですが、ようやく…

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1か月前
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バッハ エピソード27 妻マリア・バルバラの死

突然の不幸 1720年6月、バッハはレオポルト公のお供でカールスバートへ旅行に行き、1か月ほど家を空けました。7月に戻ってくると、旅行前にはとても元気だった妻マリア・…

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1か月前
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春の詩 ーウイリアム・ブレイクー

「フルート」が出てくる詩です。 春が近づいたらこの詩を読み上げたくなります。 そして、今すぐフルートを吹きたくなる、 そんな元気になれる詩。 フルートが好きな友人に…

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1か月前
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女性作曲家 アンナ・アマリア

遅ればせながら3月8日の国際女性デーにちなんで女性作曲家のお話をします。 クラシック音楽界において、女性作曲家の曲を聴いたことはありますか? ポーランドの作曲家…

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バッハ エピソード26 生涯一度も出会えなかったバッハとヘンデル

ヘンデルはバッハと同じ1685年生まれ。中部ドイツの狭い範囲にとどまっていたバッハとは対照的で、国際派として広くヨーロッパ中を旅して各地で活躍しました。生家のすぐそ…

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2か月前
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バッハを聴く トン・コープマンのリサイタルがきっかけでnoteを始めました

バッハを聴く トン・コープマンのリサイタルがきっかけでnoteを始めました

今、こうしてnoteにJ.S.バッハのエピソードと絵を描いているのは、トン・コープマンのパイプオルガンリサイタル(2023.2.18)がきっかけです。

パイプオルガンはこれまでサントリーホールやオペラシティの入場無料ランチタイムコンサートは行ったことがありましたが、リサイタルは初めてでした。すでに満席に近い状態で3階の最終列でしたが、オルガンとの高さは同じくらいで、演奏者が良く見える席でした。

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楽器製作者ルドルフ・トゥッツ氏の素敵な映像

楽器製作者ルドルフ・トゥッツ氏の素敵な映像

だいぶ前のことですが、バロック音楽の演奏会に行った時、とても雰囲気のある楽器を使われていたフラウト・トラヴェルソ奏者の方がいて、あとでフルートの先生に「あの楽器はどこの工房のですか?」と尋ねたところ、「トゥッツという工房ですよ。最近トゥッツさん、お亡くなりになってしまいましたね。」と2、3年前に聞きました。

「そうか、もうお亡くなりになった職人さんなんだ、残念だな。。。」
と、それっきり忘れてい

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バッハ エピソード31 アンナ・マグダレーナ・バッハのためのクラヴィーア小曲集

バッハ エピソード31 アンナ・マグダレーナ・バッハのためのクラヴィーア小曲集

バッハは1721年に再婚した16歳年下のアンナ・マグダレーナ・バッハのために、翌年1722年から、一冊の音楽帳《アンナ・マグダレーナ・バッハのためのクラヴィーア小曲集》を書き始めます。のちに《フランス組曲》となる5つの組曲(第6番を除く)がバッハ自身の手で記入されているため、とても貴重なものとなっています。

そして、1725年から第2巻がスタートします。第2巻は特に有名です。『アリアと歌曲』BW

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バッハを聴く カンタータ第214番「太鼓よ 鳴れ ラッパよ響け」BWV214

バッハを聴く カンタータ第214番「太鼓よ 鳴れ ラッパよ響け」BWV214

爽やかな新緑と海風が心地よい横浜・山下公園。
古楽・アンサンブル山手バロッコによる横浜開港記念コンサート「バッハ珠玉のカンタータ 喜びのうた〜歓喜の響き〜」を聴きに神奈川県民ホールに行ってきました。3曲演奏されましたが、今日はその中から世俗カンタータBWV214を取り上げたいと思います。

さて、《カンタータ第214番「太鼓よ 鳴れ ラッパよ響け」 BWV214》ってどんな曲?この作品は、ザクセン

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今日もnoteのイラストを描いています。

noteを開いたら、

「おめでとうございます!」と
初めてコングラボードが届きました✨
とても嬉しいです

スキしてくださった皆さまに感謝🩷

https://note.com/musicandwords/n/n17dd72b2757e

フランス盛期のフルート奏者 オトテール

フランス盛期のフルート奏者 オトテール

桜も散り始めた土曜の夕方、フルート教室のおさらい会がありました。おさらい会とは、日頃のレッスンで取り組んでいるエチュードなどをソロもしくは先生との二重奏で、人前で吹く会です。ピアノ伴奏はなし。毎年開かれる8月の発表会で、いきなりの本番は緊張感が高いので、発表会の前に「人前で吹く、広い空間で吹く体験をしてみよう」という機会を設けてくださっています。
本日の会場は、約40人ほど入る、音楽演奏用ステージ

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バッハを聴く マタイ受難曲

バッハを聴く マタイ受難曲

バッハ・コレギウム・ジャパンによる《マタイ受難曲》を聴きに行ってきました。
2月に《ヨハネ受難曲》を聴き、3月末、「いよいよマタイだ!」と期待と不安が入り混じった緊張感を持って席につきました。

《マタイ受難曲》の実演に接した人は一様に「感動した」と言う作品だそうです。
果たして、今日はどうだろうか?

《マタイ受難曲》は

1727年4月11日、バッハ42歳の時にライプツィヒの聖トーマス教会で初

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バッハ エピソード30 宇宙を旅するブランデンブルク協奏曲

バッハ エピソード30 宇宙を旅するブランデンブルク協奏曲

バッハのケーテン時代(1717-1723年)の有名な協奏曲といえば、6曲からなる《ブランデンブルク協奏曲BWV1046~1051》。《ブランデンブルク》の自筆譜は1721年3月24日付でブランデンブルク辺境伯クリスティアン・ルートヴィヒ(プロセインのフリードリヒ1世の弟)に捧げられたものです。

この第2番ヘ長調 第1楽章が1977年アメリカの宇宙探査機ボイジャー1号&2号に搭載されたゴールデンレ

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バッハ エピソード29 再婚

バッハ エピソード29 再婚

1721年12月3日、バルバラが急逝してからおよそ1年半後、宮廷歌手として当地にやってきたアンナ・マグダレーナ・ヴィルケと再婚します。
彼女は当時20歳でバッハより16歳年下のソプラノ歌手でした。バッハは彼女の美声に惹かれたのかもしれません。結婚10年を過ぎた頃、友人に宛てた手紙でバッハは妻のことを「とてもきれいなソプラノを歌う人だ」と書いているからです。

挙式は侯の命令によって、教会ではなくバ

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バッハ エピソード28 339回目の誕生日を祝う

バッハ エピソード28 339回目の誕生日を祝う

3月21日はJ. S. バッハのお誕生日(旧暦)です。
グレゴリオ暦だと3月31日になります。
今日は339回目のお誕生日です。
お祝いしましょう!
ハッピーバースデー!

今日はこれを聴いてみましょう。

4台のチェンバロのための協奏曲イ短調BWV1065
この曲は、ヴィヴァルディ作曲の協奏曲集作品3『調和の霊感』第10曲の4つのヴァイオリンとチェロのための協奏曲ロ短調RV580のリメイクです。

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バッハを聴く 巨匠バルトルド・クイケン

バッハを聴く 巨匠バルトルド・クイケン

バロック・フルート(=フラウト・トラヴェルソ)を始めようと決意したちょうどその頃、バルトルド・クイケンのリサイタルがありました。
クイケン氏は世界的なフラウト・トラヴェルソの名手であり、古楽界のレジェンドです。
東京でフラウト・トラヴェルソ奏者として活動されているプロの方は、ブリュッセル王立音楽院やハーグ音楽院で学んだクイケン氏のお弟子さんが多いです。
その彼がバッハを演奏しにやってくるというので

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新しいバロック・フルートがやってきた

新しいバロック・フルートがやってきた

2023年1月にモダン・フルートからバロック・フルート(フラウト・トラヴェルソ)にレッスンを切り替えて2年目。これまでは先生の楽器をお借りしていたのですが、ようやく、フルート工房にお願いしていた木製のフラウト・トラヴェルソがやってきました。
こちらは、1720-1750年ごろのパリのシャルル・ビゼイという職人さんの工房で作られていたもののコピーです。
ちょっと膨らんだ装飾デザインがフランス・バロッ

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バッハ エピソード27 妻マリア・バルバラの死

バッハ エピソード27 妻マリア・バルバラの死

突然の不幸
1720年6月、バッハはレオポルト公のお供でカールスバートへ旅行に行き、1か月ほど家を空けました。7月に戻ってくると、旅行前にはとても元気だった妻マリア・バルバラが亡くなり、すでに10日前に埋葬も済んでいるという悲痛な出来事が待っていました。残された子供は4人。年長のカタリーナ・ドロテアは12歳、年少のゴットフリート・ベルンハルトは5歳でした。

バッハは幼い頃からたくさんの死を経験し

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春の詩 ーウイリアム・ブレイクー

春の詩 ーウイリアム・ブレイクー

「フルート」が出てくる詩です。
春が近づいたらこの詩を読み上げたくなります。
そして、今すぐフルートを吹きたくなる、
そんな元気になれる詩。
フルートが好きな友人にぜひ。

18世紀にイギリスで発表され、世界中で読み継がれてきたウィリアム・ブレイクの名作より

「春」
さあ、フルートを鳴らそう!
まだまだ聞こえないよ
鳥たちは昼も夜もにぎやかな様子だ。
ナイチンゲールは谷間の中で
ツグミは大空

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女性作曲家 アンナ・アマリア

女性作曲家 アンナ・アマリア

遅ればせながら3月8日の国際女性デーにちなんで女性作曲家のお話をします。

クラシック音楽界において、女性作曲家の曲を聴いたことはありますか?

ポーランドの作曲家・バダジェフスカによる《乙女の祈り》やクララ・シューマンの《ピアノ協奏曲》など1800年代に入ってからはありますが、バロック時代はほとんどいなかったのではないかと思われます。当時は、社会的に女性がまだ職業音楽家として活躍することが、なか

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バッハ エピソード26 生涯一度も出会えなかったバッハとヘンデル

バッハ エピソード26 生涯一度も出会えなかったバッハとヘンデル

ヘンデルはバッハと同じ1685年生まれ。中部ドイツの狭い範囲にとどまっていたバッハとは対照的で、国際派として広くヨーロッパ中を旅して各地で活躍しました。生家のすぐそばにあったハレ大聖堂のオルガニストとしてキャリアをスタート。その後はハンブルクを皮切りに、ローマやナポリ、フィレンツェなどのイタリア各地、ハノーファー、ロンドンと渡り歩きます。バッハはそんなヘンデルの作品を自ら書き写しとるほど尊敬してい

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