マガジンのカバー画像

俳句、短詩

154
自分の俳句作品や、鑑賞、思いなど気ままにまとめています。また、短歌などの短詩形作品などについても触れています。
運営しているクリエイター

記事一覧

✤2024日日俳句 にちにち・はいく✤
5/13 聖母子のステンドグラス青時雨

✰青時雨(あおしぐれ)は、雨上がりなどで青葉や木立から落ちてくる滴のことらしい。雨でないのか、いずれにせよ美しい夏の命の瑞々しさに溢れた季語。今日の雨は予報よりヒドくないけど、電車がヒヤヒヤでした😅

✤2024日日俳句 にちにち・はいく✤
5/12 ソフトクリーム千鳥ヶ淵を遠くして

✰吟行@北の丸公園、千鳥ヶ淵
吟行で来るのは初めて。
句材が多すぎてなかなか纏まらない💦

【俳句掲載】『名句水先案内』(角川俳句コレクション)

【俳句掲載】『名句水先案内』(角川俳句コレクション)

角川『俳句』連載の「名句水先案内」(2020年4月号~2022年3月号)。
今回、角川俳句コレクションとして一冊に纏められ刊行されました。
著者は『鷹』主宰・蛇笏賞作家の小川軽舟氏。

その中の一句として、下記の拙作(句集『柔き棘』所収)を紹介していただいております。
どうもありがとうございます。

一人づつタイムカードを押して霧 柏柳明子

本書の第一印象は、鑑賞の深さと選句の目の鋭さ。
一句ご

もっとみる

✤2024日日俳句 にちにち・はいく✤
5/11 風を得ていよよ好戦的な薔薇

✰ すっかり薔薇の季節ですね。この間までは躑躅が咲き誇っていたのに、今や萎れてしまって。木香薔薇も早々といないし。様々な色の薔薇が豊かにのびのび咲いているのを見ると、こちらも元気が出るようです。

✤2024日日俳句 にちにち・はいく✤
5/10 はつなつや足早な影に追ひ越さる

✰小学校の近くで日時計を見つけた。
今は時を刻まない存在だけど、過去の校庭の゙賑わいの夢を見ているのだろうか。

✤2024日日俳句 にちにち・はいく✤
5/9 胸張りぬ釣鐘草の喝采へ

✰季語・釣鐘草は蛍袋の傍題。蛍袋は使うけど、釣鐘草は初めて。近所を歩いているとこんなに花があったんだ、と最近は驚くことしきり。フィギュアスケート男子・宇野昌磨選手の引退の報。数々の素晴らしい演技に感謝。

✤2024日日俳句 にちにち・はいく✤
5/8 赤穂藩の石垣石や著莪の花

✰著莪(しゃが)の花はもう終わったと思っていたら、まだ残っているところが。
昼なのに雨が降りそうな重たい空。

✤2024日日俳句 にちにち・はいく✤
5/7 挑戦の少し楽しや桜の実

✰すっかり葉になった桜。見上げたら赤い実。
さらに見ていると黄色かったり暗褐色だったり。
さくらんぼではなく、桜の実らしい。
新緑の季節も短い。
植物たちのお喋りしているようなウキウキする色と生命力。

俳句関係のお仕事の連絡先

俳句関係のお仕事の連絡先

自治体や学校、生涯学習や企業の福利厚生のクラブ活動などでの俳句講座の開講、指導など承ります。また、贈答用の俳句(企業様のアメニティ・年賀状、慶弔、結婚式、お誕生日等)の制作なども承ります。
よろしくお願いいたします。

【お仕事のご依頼/お問い合わせフォーム】
下記をクリックし必要事項を入力の上、送信をお願いいたします。

※下記のページにこれまでの主な俳句作品と現在の俳句のお仕事などをご紹介して

もっとみる
明日のある日常:折島光江句集『助手席の犬』

明日のある日常:折島光江句集『助手席の犬』

「できるだけ普段着の言葉で、普段着の景色を季語とともに俳句として詠みたい」
自分の心と身体の感覚を信頼して、暮らしを見つめながら、ふいにやってきた言葉を受け止めて17音として紡ぎたい。
いつもそう思っている(実際にはなかなか難しいけど)。

今回、私と同じ「炎環」同人である折島光江さんが初句集を上梓された。
「光江さんもきっと私と似た気持ちで、そして同じような方向を大事にして俳句を詠んでいるのでは

もっとみる
【俳句掲載】『全国・俳枕の旅62選』

【俳句掲載】『全国・俳枕の旅62選』

俳人・広渡敬雄さんが『全国・俳枕の旅62選』を上梓なさいました(出版社:東京四季出版)。
その中の一句として拙句を掲載していただきました。
どうもありがとうございます😊

著者の広渡敬雄さんは俳句結社「沖」同人、第58回角川俳句賞受賞。
俳句のみならず、文筆の方面においても活躍著しい方です。

本書は、各章ごとに全国各地の名所・旧跡とその場所にちなんだ著名俳人を取り上げ、土地と作家のエピソードを

もっとみる
軽やかに、カラフルに:箱森裕美句集『鳥と刺繍』

軽やかに、カラフルに:箱森裕美句集『鳥と刺繍』

雷鳥や刺繍の花のその軽さ

句集タイトルのイメージにもっとも近い作品を挙げるとすれば、上記だろうか。
雷鳥のまるまるとした愛嬌ある姿。
季節ごとに羽の色が違うという雷鳥の特性に「刺繍」という措辞が重なる。
花の刺繍は実際の植物ではない。だからこそその「軽さ」に作者が感じたであろう表現としてのリアリティと発見を読者は我が物として共有できるのだろう。

あるいはこんな刺繍の句もある。

ジャンパーに花

もっとみる
【自選俳句10句】2023「日日俳句」より

【自選俳句10句】2023「日日俳句」より

対岸柏柳明子

初がらす垂直に時止まりけり
まなうらに四日の海を仕舞ひたる
対岸の翳りはじめし桜餅
あの蝶はあの日失くしたピアスだらう
風が来てサンバはじまる百日紅
去り際のみづいろ揺れてゐるプール
いとうりの知らん顔にて隣り合ふ
途中から白桃になる暗号文
凩に心臓攫はれぬやうに
宿木のささやく昔話かな

note「日日俳句」では、2023年1月1日から毎日・1つの俳句(日によっては2句)を掲載し

もっとみる
愛とかなしみの背理法:土井探花句集『地球酔』

愛とかなしみの背理法:土井探花句集『地球酔』

こんな日は仲間はづれの雉が好き

この句の中に自分を見る人、あるいは共感する人は、「ここに自分がいていいのか」と思うことが多いタイプではないだろうか。

どんなに大人になっても、一日を呼吸しているだけで難しい日はある。
仕事やお金があるということと関係なしに、絶え間ない隙間風のような精神の飢え。

上記に書いた内容は、言うまでもなく私が普段感じていることである。
だから、おそらく今でもなにがしかの

もっとみる