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箔玖恵
2020年8月31日 15:08
「今日の1、2時間目はテストをします。」と突然本田先生が言ったので、もちろんクラス全員で「えーっ!!」と嫌がった。突然テストされても平気なのはいつも良い点数が取れるホマレくらいだろうけど、そのホマレも「本田先生、いつも前の日には明日テストするよって教えてくれるのに。」と文句を言っていた。本田先生は「たまには、いいでしょ。」とウィンクした。みんなまだ文句を言っていたけれど、先生に言われるとおりに変装
2020年8月29日 23:35
「じゃあ次のチーム入っていいぞ。」と先生に言われて理科室のドアを開けると、中は黒いカーテンで囲まれた小さな部屋になっていた。僕、ショウ、アイコ、リナ、4人がやっと入るとドアが閉められた。カーテンには画用紙がテープで留めてあり、『問題』と数字が3つ書かれている。「じゃあ問題、見てみよう。」とショウが言って画用紙をめくると、問題次のうち昆虫はどれでしょう。①トカゲ②ゲンゴロウ③クモ「全部で
2020年8月26日 00:20
ドカッ。ボコッ。ボカッ。月が半分しかない夜だった。その音は僕たちが大きな公園の横を通りかかった時に聞こえてきた。公園と言っても、半分は低い山になっていたし下の方には小さな川も流れていて昼間は人気があるけれど、夜は木がうっそうとしていて明かりも少なく、子供だけで行ってはいけないと言われていた。僕たちは塾の帰りで、いつもはママが迎えに来てくれていたけれど、今日は妹のピアノの時間と重なってしまったか
2020年8月22日 02:08
アオイは『オススメ図書』と書かれたプリントをチラッと見ただけで、適当にランドセルに押し込んだ。「本、読まないの?」となりの席のルウトに聞かれて「別に。」とだけ答える。アオイが転校してきて2週間になるけれど、ルウトとアオイはまだ話したことがなかった。ルウトだけじゃなく、アオイはまだみんなとあまり話せてなかった。急に引越しと転校を言われて、「じゃあ今日から新しい友達よろしく!」なんてすぐに気持ちを
2020年8月18日 05:27
いつもと同じ学校なのに、夜に登校するだけで何だかドキドキする。薄暗く静かな校舎。暗くて誰かが遊んでいても顔が見えない遊具。「うちの学校にも七不思議とかあるのかなぁ。」ダイキが水筒をぶらぶらさせながら言った。「あるらしいよ、階段が一段増えるとか。他にもトイレとか音楽室とか…理科室とか。」おどかすように手を幽霊みたいにしてコウタが言った。「ギャーッ」とみんなで大声を出しながら校門へ駆け込むと担任の
2020年8月19日 01:28
いつもと同じ学校なのに、夜に登校するだけで何だかドキドキする。薄暗く静かな校舎。暗くて誰かが遊んでいても顔が見えない遊具。「学校に筆箱忘れてきた!」午後5時半。遊んで帰る途中でユウトは思い出した。今日の宿題は算数で角度をはかるのに、筆箱の中の分度器が無いとはかれない。どうしよう…少し迷ったけれど、家に帰るのに学校の近くを通るんだから、ついでに行って忘れ物を取ってこよう、と考えて学校へ向かった。