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【第六回】チャップリンが生きた道~作品紹介

【第六回】チャップリンが生きた道~作品紹介

これはチャップリンの有名な言葉だが、実は母ハンナの言葉でもある。

チャップリンの作品がこれまで愛されてきたのは、シンプルに「前向きになれるから」と言える。

貧困でボロボロの服に身を包み、孤独に彷徨うちょび髭の放浪者は常にポジティブだ。家や食べ物や仕事がなくても、苦しい生活なりに楽しく過ごし、愛する人に一途に尽くす。

作中の放浪者チャップリンは、不幸な状況をネガティブに捉えていない。たとえ落ち

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幸せってなんだっけ

幸せってなんだっけ

昨日久しぶりに映画を観てきました。
役所広司さん主演の「PERFECT DAYS」です。

ヴィム・ベンダース監督の作品は
以前にも観たことがありました。

作風は想像どおりでしたが、
多くを語らない叙情的な作品を
日本人の役者で
全て日本語で創っていたのは
とても新鮮でした。

役所広司さんはもちろんですが、
脇を固める役者さんも
「ああっ、この人!!」
という絶妙な人選の方ばかりでした。

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【映画感想】衣笠貞之助 『狂つた一頁』(1926年)

【映画感想】衣笠貞之助 『狂つた一頁』(1926年)

皆様、ごきげんよう。弾青娥です。

数か月ほど見ようか見まいかと迷った映画がございました。ストーリーなどをあらかじめ読んで知っていた衣笠貞之助の『狂つた一頁』です。

画像検索でヒットする何だか不気味な写真に恐怖を覚えつつ、また興味を抱きつつ、「いつか近いうちに観よう」と思いました。ホラー映画を見た後にインド映画の『バーフバリ』を見れば記憶がリフレッシュされるという保険的かつ励まし的な某ツイートを

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『ストレイ・ドッグ』(2018)

過去に覆面捜査官をしていた主人公は、何年も取り逃がしていた犯人が再びLAに来ていることを知る。過去に決着をつけるため、ぼろぼろになりながらも一人で犯人の痕跡を追う。
ニコール・キッドマンが汚れ役の刑事に初めて挑戦する意欲作です。顔も特殊メイクでやさぐれ顔に!

やさぐれキッドマンはスゴかったし、演技も今までの感じとは全然違ってはっちゃけてたと思うんですが、お話的にはあとちょっと吹っ切れて欲しかった
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「焼き場に立つ少年」The Boy Standing by the Crematory

「焼き場に立つ少年」The Boy Standing by the Crematory

ジョー・オダネル(Joe O'Donnell, 1922-2007/米-フォトジャーナリスト)が撮影した「焼き場に立つ少年」(The Boy Standing by the Crematory)

(註)「焼き場に立つ少年」は、この向きが正しい(従来のものは裏焼き)と近年言われている。背中の赤児は、眠っている訳ではない。長崎に起きた事象を強烈にインパクトを与える写真だ。

1945年8月9日午前1

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『キング・オブ・コメディ』(1983)

マーティン・スコセッシ監督の有名な代表作の一つです。

自分が偉大なコメディアンになる事を信じて疑わない主人公が、憧れのスターと知り合えたことをきっかけにして、妄想が狂気へと暴走していく物語です。
大ヒット作『ジョーカー(2019)』の下敷きとなった作品でもあります。

『ジョーカー』が正当な続編と言っても良いくらい、描かれている狂気が同質で実に嫌な感じでした。(ちなみに『ジョーカー』ではロバート
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オリンピックが奪う「終の住処」。映画『東京オリンピック2017 都営霞ヶ丘アパート』アップリンク吉祥寺・京都にて、7月23日(金)より先行上映

オリンピックが奪う「終の住処」。映画『東京オリンピック2017 都営霞ヶ丘アパート』アップリンク吉祥寺・京都にて、7月23日(金)より先行上映

映画『東京オリンピック2017 都営霞ヶ丘アパート』をアップリンク吉祥寺、アップリンク京都にて、7月23日(金)1週間限定先行上映、8月13日(金)より公開します。

都営霞ヶ丘アパートは1964年のオリンピック開発の一環で建てられ、国立競技場に隣接し、住民の平均年齢65歳以上の高齢者団地でした。単身で暮らす者が多く、住民同士で支えあいながら生活していましたが、2012年7月東京都から「移転のお願

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『彼らは生きていた』(2018)

もう100年以上も前になる第一次世界大戦(1914~1918)の白黒映像(音声無し)を、最新技術によって着色、読唇術によって音声の再現が行われて現代に蘇った異色のドキュメンタリーです。

実際その効果はすごくて、遠い昔に撮られた古めかしい兵士から一気に身近な青年になっていてびっくりしました。

これはずっと観たかった作品で、映像の(もっと言えば映画という資本の)力というか可能性をすごい感じましたね
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セルジュ・ゲンズブール没後30周年。ジェーン・バーキン主演の名作『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ 4K完全無修正版』アップリンク吉祥寺にて6月25日(金)より上映

セルジュ・ゲンズブール没後30周年。ジェーン・バーキン主演の名作『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ 4K完全無修正版』アップリンク吉祥寺にて6月25日(金)より上映

セルジュ・ゲンズブールが監督を務めた1975年の名作『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ 4K完全無修正版』をアップリンク吉祥寺にて6月25日(金)より上映します。

1969年にリリースされた、セルジュ・ゲンズブールの代表曲で、ジェーン・バーキンとのデュエットソング「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」。映画『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ』は同楽曲をモチーフに映画化された作品。映画音楽を手掛け、

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【漫画レビュー】人種問題を扱ったバディものの傑作だった

【漫画レビュー】人種問題を扱ったバディものの傑作だった

「なんでもかんでも漫画で描こう。」
という心根のもと、
始まったのが『漫画レビュー』。

授業中の本気のラクガキを
こっそり見るくらいの感覚で
楽しんで貰えたら
i'm lovin' it🍟
ーしたら領

📗

今回は映画作品

『グリーンブック』をご紹介。

第91回アカデミー賞、受賞作。
製作費:$23,000,000
上映時間:130分

📗

アップリンク京都 x agnès b. 6月18日(金)よりエリック・ロメール監督特集上映、アニエスベーポスターコレクション展も開催

アップリンク京都 x agnès b. 6月18日(金)よりエリック・ロメール監督特集上映、アニエスベーポスターコレクション展も開催

映画館「アップリンク京都」をサポートするアニエスベーが映画をセレクトするスペシャルな通年企画「アニエスベー・ムービーセレクション・ディレクターズシリーズ」。第二弾は、恋愛喜劇の巨匠エリック・ロメール監督の作品をセレクト。

アップリンク京都では、「六つの教訓話 デジタル・リマスター版」と、「80年代のロメール/喜劇と格言劇シリーズ」5作品を6月18日(金)より、一挙上映します。また、ギャラリーでは

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(大人向け)タイトルが気になる昭和のお色気映画 第3回「驚異のドキュメント 日本浴場物語」

(大人向け)タイトルが気になる昭和のお色気映画 第3回「驚異のドキュメント 日本浴場物語」

 動画配信サービスの普及により、これまでなかなか見る機会のなかったジャンルの作品が、気軽に鑑賞できるようになりました。こちらではタイトルが気になりすぎて、筆者が思わずクリックしてしまった昭和のお色気映画の鑑賞レポートをお届けします。

※紹介する作品はすべてR15+もしくはR18+指定で、今日の観点からすると不適切な表現も含まれます。紹介作品をご鑑賞の際は、その旨ご理解ください。また、配信が終了す

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『リトル・ダンサー』(2000)

炭坑不況に揺れるイギリスで、ある日突然バレエに目覚めてしまった少年のお話です。自分でも理由が分からず夢中になっていくバレエに、家族や周囲がちょっとづつ変わっていく…。
大好きな監督、スティーブン・ダルドリーの長編デビュー作です。

基本、何かにつけて好きな理由や意味などを求めがちな私にとって、『好きだからやる(他に意味などない)』という強さは憧れであり、一番心動かされる要素だったりします。
この作
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「フレッシュな才能、お味見いかが」短編映画全12作品『SHORT TRIAL PROJECT 2020』アップリンク・クラウドにて、配信スタート!上田慎一郎監督らの過去作品も。

「フレッシュな才能、お味見いかが」短編映画全12作品『SHORT TRIAL PROJECT 2020』アップリンク・クラウドにて、配信スタート!上田慎一郎監督らの過去作品も。

劇場公開に先駆けて、オンライン映画館「アップリンク・クラウド」にて、『SHORT TRIAL PROJECT 2020』先行配信がスタートしました。2月11日(木)23:59までとなりますので、お見逃しなく。

新たな才能発掘を目的として、新進気鋭のクリエイターと役者で短編映画を企画制作する『SHORT TRIAL PROJECT』。

今回は10周年を記念して、過去に参加した上田慎一郎監督(『カ

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