カクタスジャック

10年以上昔、小劇場で演劇やっていた過去が… 今でも機会があると台本書いております。 …

カクタスジャック

10年以上昔、小劇場で演劇やっていた過去が… 今でも機会があると台本書いております。 練習で時々短編などアップします。

最近の記事

本当のことを言うべきか、言わざるべきか。それが問題だって話。

ブーブー。 YouTube見ながら芋けんぴ食べてると、LINEの着信があった。 「古屋っち先日はわざわざ公演観に来てくれてありがとう。バタバタしてて挨拶もできずごめんなさい。よかったら感想聞かせてくれると嬉しいでーす♡ 城みちる」 そっだ。 もう1ヶ月前かー。 年末のくっそ忙しい時期に無理して、池袋の小劇場に足運んだの。みちる先輩が新しく立ち上げた、演劇ユニットの旗揚げ公演。 観劇前の興奮もわくわくも全く無くて、見た感想はザ・つまんない。超退屈で苦痛な2時間半。

    • 「TENEえもん」

      「TENEえもん(仮題)」2021.1/1第一稿 開演5分前とか。 ○シーン⓪「前前前説」 前説。 大内「本日はご来場誠にありがとうございます。 開演に先立ちまして、改めまして諸注意がございます。 携帯電話、スマートフォン、電子機器のアラーム等、音の出る機器は、予め電源からお切り下さいますよう、お願い申し上げます。 上演中のご飲食は自由となっております。 本公演の上演時間は、約50分を予定しております。お手洗いは開演前にお済ませいただきますよう、お願いいたします。

      • 「13日間ブックカバーチャレンジorダイ」

        け。 何だよどいつもこいつも。 ブックカバーチャレンジ?あなたの聴覚に影響を与えたアルバムを1週間紹介するだぁ?腕立て伏せ動画ぁあ?えーとーせーとーらーえーとーせーとーらーーーー はー?何その「知り合いから回ってきたから断れなくて仕方なくやるんですー」は?ぶりぶりに漏れてるぞ自己顕示欲ぅ。選ぶ本もアルバムも意識高く見せたいのミエミエでーすーよーすごいすごーい あぁ? 俺別に淋しくねぇし。SNSでイチャイチャすんのとか御免だしーかーぺっぺっ… (ピロピロリン) そ

        • 「演劇するべきかそうでないか、それが問題だ。」

          「おい!惰眠を貪ってないで起きろゴルァ!? 「…うーん…だっ誰?春眠に包まれる私の頭をシェイクするヤカラはぁぁ… 「おーきーろーよー!!お前こないだまでSNSで”新しい演劇ユニットが始動!”だの”おいでませ”だの、演劇への情熱をぽこぽこアピールしてたじゃんよー!? 「はっ!?さてはお前がネットでよく聞く粘着アンチってやつだな〜 失せろ失せろ!各方面に通報するぞ! 「思い上がんなバーカ。お前みたいな末端自称演劇人狙って、人生棒にふる奴はいませーん。私は演劇の神シェイクス

        本当のことを言うべきか、言わざるべきか。それが問題だって話。

          「ドラミネーター」

          壊れたDVDプレイヤーとコードを手に、一心不乱にジャック付近をいじっている山田少年。 山田「ふっふっふ、、、貴様、弟の命を助けたいか?助けたくばこの赤と白どちらかのジャックを引き抜け。間違った方を選んだら弟の命は無いぞ、、、細心の注意を払えよ。(赤を引き抜く)、、、ブッブー!!残念ながらはっずれー!約束通り貴様の弟には死んでもらおう!(ぬいぐるみを壁に投げる)、、、そうだもう一つ覚えておけ。俺はよく約束を破る。(もう一個ぬいぐるみを壁に向かって投げて)やはりお前も死ね!ケケ

          「ドラミネーター」

          「時をかけるニート」

          こん畜生。 二日酔いのこめかみを錐で貫くような痛みで、クソ悪夢から目覚める。そんでまたがっかりするんだ。 どんなクソ悪夢よりウンザリな現実。原因不明の奇病が蔓延し、次に感染するのは自分かと怯えながら生きる。 感染防止のために、自ら隔離され終わりのない日々をすり潰す、まるで何十億のセルフ監禁。文字通り息もできない世界。 それがさ。 まさかの夢だったんだぜ。 「マジかよ!?」思わず口をついで出る。テレビとパソコン、スマホの画面を三度見して確認したんだ。間違いねぇ。 今

          「時をかけるニート」

          「魔女なんかじゃない。」

          「いやぁぁああ!来ないでぇ!お願い… 「ちょっと!落ち着きなってキッキ。…あ、すみませんねーびっくりさせちゃって。すぐ落ち着きますからこの娘。 「ごめんねトソボ本当にごめんごめんごめんなさいごめんなさい… 「アンタしばらく店は頼んだよ。キッキ、ほらこっち来て座って。これ飲んだら落ち着くよ。 「私が悪いんだ私が魔法を使えなかったせいでトソボは死んだんだごめんごめん… 「…キッキ… 「肝心な時に魔法が使えないんじゃない私魔女なんで名乗れないしもう一生魔法使える気がしないし私も

          「魔女なんかじゃない。」

          「ガラスの幕末」

          幕臣勝海舟を斬りに出向いた坂本竜馬。竜馬はしかし勝に説得され、佐幕派に寝返ったとの専らの噂だった。 竜馬の変心に戸惑う長州藩邸に、当の竜馬が一人乗り込んできた、、、。 照明点く。 胡坐をかいている高杉晋作。 高杉「、、、何、坂本が一人でやってきたと、、、?、、、構わん、通せ。(独白)何を考えている坂本竜馬、、、。返事次第じゃ生きてはここを出られんのだぜ。買いかぶっていたか、、、やはり見た目通りの本物のバカか、それとも、、、 声「おまんら邪魔するぜよ!! 悠々とした

          「ガラスの幕末」

          「独身中年男性 come 亜人」

          ギリギリまで迷ったあげく、件の飲血パーティーとやらに参加することにしたおれ。会場が房総半島南端だったので、平日の昼間から内房線で2時間あまり揺られて駅からバスを乗り継ぎ、よく知らない漁師町に辿りついた。  漁船が数隻とまってる小さな港の近くに公民館があり、駐車場に仮設のステージが作られてサルサっぽいバンドが演奏してる。まばらなテーブルと簡単なビュッフェ、中央には大きなまな板が二台。 「おーすおす!来てくれたんだ~」前回の主催者の女性が声かけてきた。今日はゴス風メイドの格好

          「独身中年男性 come 亜人」

          回顧録その①

          ある日の夕方、チャリで近所をブラブラしているおれに、高山(劇団の同期)から電話があった。  高山「鈴木さぁ、山田さんから電話あった?」  「、、、無いよ。何で?」  高山「Tさんがさあ、コンビニ強盗やって捕まったんだって。山田さんが偶然ニュースで見たんだってさ。」   Tさんが強盗、、、。ショックであるはずの知らせに、しかし意外だとは思わなかった。まあいつかこんなことになるだろうとさえ感じた。この コラムを書いている時点(2004年夏)では、その事件の詳細、そもそも本当にあ

          「Peace sells」

          ある日の事だ。   ほろ酔い気分で中野駅を降りたおれは、ちょっと買い物しようと回り道した。もう午前1時。この時間だと大分遠回りになるな、、、、    「、、、っと、兄さん、ちょっと、、、、    北口サンモールの路地を曲がったところで、呼び込みが声をかけてきた。この時間はこんなのが多くて、本当に面倒だ。    「すいませ〜ん。キャバクラとか興味無いんで〜、、、、  「いいから兄さん、10万で売ってくれよう。頼むよう。    、、、、、、!!!!!10万!?何?確かに今月は家賃

          「CATRIX」

          NYのとある路地裏。  大都会の深夜を連想させる、サイレンや雑踏のSE。やがてどこからか聞こえてくる、「It’s a small world」的な音楽。  舞台センターに小さく明かりが灯る。寄り添うように立つ、ミッキィとミニィ。 ミニィ「ああ神様!ここは何て暗くて寒いのかしら! ミッキィ「本当だねミニィ!僕達の仲間が住む世界に比べたら、ここはまるでラビリンス。きっと神様の恵みの光も天使の息吹も、こんな大都会の片隅には届きやしないんだよ。 ミニィ「ふふ、、、淋しい事言うのねミ

          「プリティ・ビッチ」

          パーティー。パーティーが無きゃ生きてけない。ワインと女、ダチのイカしたジョーク。そこに最高のショウがあれば文句無いってもんだ。でももう1ヶ月もご無沙汰。    その日も朝から退屈しきって、電話がなけりゃ消しゴムのカスでも食べてるとこだったよ。もちろん冗談。笑えないのは退屈のせい。リンリンリリン。ガチャリ。    「もしもし!?3時間前に注文した、金玉入りのピッツァがまだ届かないんだけど、どうなってる!?    待ってました。サイテーなジョークが大好きな、最高に病気なダチ。ジャ

          「プリティ・ビッチ」

          「アオヤマトリックスレボリューション」

          「よく来たな、ネオ。まあ腰掛けたまえ。何か飲むかい?」 薄暗い殺風景な部屋。ネオ、ネオをここまで連れてきたトリニティ。そしてモーフィアスと名乗る大柄な黒人。   それには答えずネオは切り出した。「あんたは、この女が言うように、おれの不安、どうにも拭い去れない違和感、、、、。自分が本当に生きているのか、この現実はリアルなのだろうか。」 そう、いつからかずっと頭の隅にこびり付いていた疑問。「あんたは、本当に、答えてくれるのか?」   しばらく間をおいて、モーフィアスはもったいぶ

          「アオヤマトリックスレボリューション」

          「ターミネーターちゃん」

          バイトをクビになってから1週間、一歩も部屋を出なかった。ニートの中のニート、引き篭もりのカリスマ。もはや自分を慰めてさえいない。一日中テレビを見るだけの日々。  数少ない友達から着信あったけど、全部無視。メールに至っては本文を読みもしない。そんなかんなでうんともすんとも言わなくなった携帯に、久々に動きがあった。  From:Kenichi@softbank2030.ne.jp  Title:オレヘ。  よう、過去のおれ。って言っても、そっちのおれはさっぱりピンと来ないんだ

          「ターミネーターちゃん」

          「豚たちの沈黙」

          「ようこそクラリス。ちょうど午後のカモミールティーを嗜もうとしていたところだ。どうだね君も、子ウサギちゃん。 落ち着いた口調と裏腹に、隠しきれぬ傲岸不遜。その頭脳明晰ゆえに当然のように他人は皆虫だと思っている、孤独な天才。その才能は前向きに使われる事はついぞ無く、孤島の牢獄で一生を終える運命。 なのに何故、その心は挫ける事なく誇り高き闇の王のままなのだ?クラリスは嫌悪感と息苦しさを隠せない。 「口のきき方に気を付けてレクター。今この場で法務大臣に電話して、今日中に電気椅子

          「豚たちの沈黙」