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ヒミツの書庫《小説・詩・マンガ・アニメ》

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からくり部屋の「隠し本棚」にそっと入れたい、個人的テイストのnoter創作。
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記事一覧

ブルーベリー

「シフォンにブルーベリーがたくさんついてる」  下の娘がいうのを、野崎は気にも留めずにい…

FouFou
3週間前
48

【童話】土と太陽

 ほんのすこしだけ昔、かふふ盆地の真ん中らへんに、のぶ爺さんのぶどう畑がありました。  …

兄弟航路
5か月前
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テレパシーの作法

「お主、悩みがあるそうだな」 「あなたは誰? なぜ姿が見えないのですか?」 「私はお主の脳…

与井杏汰
9か月前
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いつか見た風景 87

「忘却ホテルの思い出に」  バッカシ家の長男ジョーダンは7代続く家業を継いだ。ワニの紋章…

間 学
10か月前
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【短編】ガード下の女

 飲食店のひしめくガード下に、早朝にオープンする呑み屋が一軒あった。午前四時から正午ぐら…

かんやん
1年前
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「ガンバロボット」 -コミカルで楽しい曲をちょっと風刺を込めて作ってみた!-

私、基本はシリアスな曲が専門ですが、たまにコミカルな曲も作りたくなったりします。今回は少…

応答セヨ #6/6

6  鍵を開けたのはスミスだった。  部屋のなかは真っ暗だった。真夏のことで、室内はサウナのような蒸し暑さで、饐えた匂いが部屋じゅうに充満していた。床には弁当の空き箱や菓子の包装紙などが散乱して足の踏み場もなく、彼らは土足のまま上がりこんだ。  暗がりに慣れた目に、奥の部屋の中央に置かれたケージが見え始めた。糞尿の匂いが鼻面をなぶって、思わず鼻と口を片手で押さえる。匂いが目に沁みて、涙が溢れ出す。大型犬のねぐらにするようなケージで、身を屈めれば大人でもすっかり収まる容積があ

連載小説 hGH:2

 翌日、球場にきていた井本をGM室に呼んだ。球団事務所と球場は目と鼻のさきにある。詳細は…

Q四企画
1年前
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新年の挨拶

 例年仕事納めのあとは川に入るのが日課となるのはご承知のとおりで。胸まであるゴムの胴長を…

FouFou
1年前
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声の蝶

🦋一🦋  黒板に書かれた「形声文字」という四文字を見て、我が意を得たりと胸は高鳴ったもの…

FouFou
1年前
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真野さんと吉田くん 9話〜アフタークリスマス〜

12月に入り、空気はだんだんと冬らしい寒さをたたえ、街のそこかしこには、クリスマスを彩る電…

camyu
1年前
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4WD

 感動するような話ではない、とだけ先に言っておこう。  あなたの日常の中で、「毎日見かけ…

たべ
1年前
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2人のクリスマス(2ページ漫画)

ミキメミ
1年前
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クリスマスイヴ(ショートショート)   

 今夜はクリスマスイヴというのに、俺は1人でアパートの部屋で酒を飲んでいた。パーティを誘ってくれる友達もいないし、当然ながら彼女なんていない。俺は孤独であった。  仕事仲間といえる人たちはおらず、勤務先の営業所には俺より年寄りな先輩ばかりであり、若い女性など1人もいなかった。  大学時代の友人が懐かしかったが、皆離れ離れになってしまった。俺もまさかの田舎の営業所勤務で、電話かメール、ラインでもするしかない。リモート飲み会という手もあるが、どうやら他の連中はそれぞれの地でうまく