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音楽が好きな社会人です。 JASRAC許諾第J210730075号

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マガジン

  • 公園デビュー

    赤い公園の1stフルアルバム”公園デビュー”の収録曲を集めています。

  • 猛烈リトミック

    赤い公園のセカンドアルバム、『猛烈リトミック』収録曲をまとめています。

  • 赤い公園のシングル

    赤い公園がリリースしたシングル曲についての文章をまとめています。

  • 熱唱サマー

    赤い公園の4枚目のフルアルバム『熱唱サマー』収録曲をまとめました。

  • THE PARK

    赤い公園のアルバム、THE PARKに関連する記事をまとめています。

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津野米咲・赤い公園の音楽 - はじめに

 これは”公園デビュー”がリリースされたタイミングに行われたインタビューで津野米咲さんが答えた物ですが、赤い公園の音楽の背景を非常に端的に表していると思います。 ”突然笛が入ってきた”り、”みんなが一斉に歌いだす”ような事は徐々に少なくなりましたが、解散するまでこれは赤い公園に生き続けていたと思います。 解散コンサートでの石野さん、藤本さん、歌川さんの3人による演奏コーナーはこの”原風景”を思い出させてくれました。  バンドがオリジナル曲をまとめ上げる工程は千差万別と思いま

    • 津野米咲・赤い公園の音楽 38. オーベイベー!

       「オーベイベー!」は2021年に発売された赤い公園Last Liveの映像ディスクの初回限定盤に付属していた『津野米咲デモコレクション』の一曲目に収録されています。 収録された全4曲の内以前に赤い公園のライブで演奏された事がある曲が2曲ありますが、そのうち「さらけ出す」は3人体制のライブで演奏されただけなので、石野さんの歌でライブ演奏されているのはこの「オーベイベー!」だけと言う事になります。  この曲は新体制の赤い公園として初めてのツアーである『re:firstツアー』の

      • 津野米咲・赤い公園の音楽 37. 体温計

         「体温計」は2013年発売の『公園デビュー』の5曲目、津野さん自身がこのアルバムをLPに例えていますがアナログ盤であればA面最後の曲になります。 アルバム収録曲の中でデビュー後に作ったのが「つぶ」と「交信」、休止期間中に作曲されたのが「カウンター」と「贅沢」という事なので、「体温計」はデビュー前からあった曲という事になります。 ただ、アルバム発売以前にライブで演奏された事はないようで、アルバムをプロモートするツアーで初めてライブ演奏されていますが、そのツアーの後はライブでは

        • 津野米咲・赤い公園の音楽 36. いちご

           「いちご」は2014年発売の『猛烈リトミック』の4曲目に収録されています。 プロデュースは亀田誠二さん。 曲順的には「108」の次になりますが、「いちご」のBPMが107なのは多分偶然ではないのではないかと思います。  冒頭から繰り返されるシンセサイザーのフレーズは実際には4拍目の裏から始まっているのですが、これを一拍目の表として認識してしまうとAメロの歌い出しからリズムが不安定に聞こえ、更には正拍から始まるBメロあるいはサビに入るところで半拍分無くなったように感じて気持ち

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        津野米咲・赤い公園の音楽 - はじめに

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        • 公園デビュー
          6本
        • 猛烈リトミック
          7本
        • 赤い公園のシングル
          14本
        • 熱唱サマー
          2本
        • THE PARK
          3本
        • 純情ランドセル
          4本

        記事

          津野米咲・赤い公園の音楽 35. ずっと・公園

           この二曲は赤い公園には珍しいインスト曲で、メジャーデビュー前の2011年に発売されたインディ盤『ブレーメンとあるく』に収録されています。   赤い公園のインディ時代の楽曲の一部はその後メジャーレーベル用に再録音されて発表されているので、現在では入手しにくいインディ盤CDを手に入れなくても曲は聴くことが出来、その上インディ盤とメジャー盤との間の差は驚くほど少ないので敢えて手に入れて聞く必要は実質的には殆ど無いように思えます。 一方でメジャー盤には収録されなかった数曲については

          津野米咲・赤い公園の音楽 35. ずっと・公園

          津野米咲・赤い公園の音楽 34. sea

           「sea」は2020年1月29日に「絶対零度」のカップリングとして発売されました。 『純情ランドセル』の頃から、外部プロデューサーがいる場合はアレンジのクレジットはプロデューサーと津野さんの連名、津野さんがセルフプロデュースの場合はアレンジ=「赤い公園」名義が基本になっており、この曲もそれに従ってアレンジは赤い公園と記載されていますが、藤本さんがベースは打ち込みであると発言しているので、おそらくドラムも含めてトラックは全て津野さんの打ち込みであると思われます。 赤い公園のバ

          津野米咲・赤い公園の音楽 34. sea

          津野米咲・赤い公園の音楽 33. 『0日目』の「オレンジ」 

           ”いつか座席のあるホールでライブをやりたい”というのは津野さんの悲願だったようです。 それまでライブ(ワンマン)を行って来た会場はどれだけ大きくてもオールスタンディングの会場でした。 『赤い公園 「SHOKA TOUR 2020 “THE PARK”」』初日のLINE CUBE SHIBUYAは全指定席公演で、初の”座席のあるホール”でのライブとなる予定でした。   このライブは『THE PARK』発売前に発表されてチケットの先行販売も行われているので、『消えないーEP』、

          津野米咲・赤い公園の音楽 33. 『0日目』の「オレンジ」 

          津野米咲・赤い公園の音楽 根底を流れる和音

           津野さんは、幼いころに通っていた音楽教室の作曲の課題で”ドとシの音を一緒に鳴らしてはダメ”と言われ、それをお父様のつのごうじさんに見せて”何も間違っていない”と言われたのでその教室を辞めた、という話は有名だと思います。 その教室では、あくまで音楽の基礎の基礎として、完全な協和音のみで曲を作るように指導したいたのだと思いますが、当時の津野さんは既にドミソ、ドファラ、シレソ、の和音だけで曲を作る事に物足りなさを感じていたのでしょう。 その話をしたときにごうじさんが教えてくれた和

          津野米咲・赤い公園の音楽 根底を流れる和音

          津野米咲・赤い公園の音楽 32. 消えない

           「消えない」は2019年10月23日発売の『消えない - EP』の一曲目に収録されています。 曲自体は2018年9月ののフェス(BAYCAMP)で発表され(石野さんのお披露目ライブから4ヵ月後)10月29日には公式Youtubeチャンネルで全曲がMVで発表、その後のライブでも必ず演奏されていた曲です。 それまでの(旧体制の)赤い公園の曲と比較すると曲もアレンジも一聴すると非常にシンプルでストレートに響き、それがこの曲の人気の理由と思われますが、実際には一筋縄ではいかない部分

          津野米咲・赤い公園の音楽 32. 消えない

          津野米咲・赤い公園の音楽 31. BEAR - ほら - (journey) - 勇敢なこども

           今回取り上げる4曲は2017年8月23日に発売された4枚目のフルアルバム『熱唱サマー』の9曲目から12曲目です。 津野さん自身が”10曲目の「ほら」から最後の「勇敢なこども」までの3曲は意図せず組曲のようになった”と語っていますが、このアルバムを通して聴くと、その一曲前の「BEAR」から明らかに空気が変わるように感じるので、この4曲をまとめてみました。 後にMUSICAの2017年11月号のインタビューを一部引用していますが、この4ページにわたるボリュームのある記事の中で言

          津野米咲・赤い公園の音楽 31. BEAR - ほら - (journey) - 勇敢なこども

          津野米咲・赤い公園の音楽 30. journey

           2017年初頭に、”2ヶ月おきに3枚のシングルをリリースする”という発表がありました。 『ランドリーで漂白を』発表後にも同じようにシングル3枚連続発売というアナウンスがありましたが、その時は津野さんの体調不良による活動休止の影響もあり一枚目の『のぞき穴』がリリースされたのみで終わっています。  今回は2月に『闇夜に提灯』(蔦谷好位置さんプロデュース)、4月に『恋と嘘』(亀田誠治さんプロデュース)をリリースした後、6月にシングルとしては『のぞき穴』以来初めてとなる津野さんセル

          津野米咲・赤い公園の音楽 30. journey

          赤い公園 『THE PARK』 - 2

          1. 『 熱唱サマー』から『The Park』へ 『熱唱サマー』リリース後のインタビューで津野さんは、“今回は収録曲すべて誰でも歌えるようなメロディの曲を作る事を意図した”と語っています。 結果として収録された曲ほぼ全てが覚えやすく、歌いやすいメロディになっていると思いますが、それは単にメロディが分かりやすくなっただけではなく、メロディと伴奏の関係が単純化された結果と思われます。  初期の赤い公園がボーカルも楽器の一つのように扱い、歌のメロディとギター・ピアノ等のカウンターメ

          赤い公園 『THE PARK』 - 2

          赤い公園 - THE LAST LIVE 「THE PARK」

           2021年5月28日の赤い公園の最後のライブから2年が経ちました。 個人的にはその間にいろいろな事があったので”まだ2年か”という感じですが、思い出せない事もだんだん多くなってきました。 演奏の様子そのものはBlu-Rayディスクとして残されているのでこれからも何度でも繰り返して見る事ができますが、その時感じた事等、本当に忘れてしまう前に書いておきたいと思います。 開演前 自分は開演前に流されている曲を意識的に聴くタイプではないのでどんな曲がかかっていたのか実はあまり覚え

          赤い公園 - THE LAST LIVE 「THE PARK」

          赤い公園 『THE PARK』 - 1

           2020年4月15日に『THE PARK』が発売されてから既に3年が経ちました。多くの人から赤い公園の最高傑作と言われていますが、初期からのファンの中には違和感を感じた人もいたようです。 私もその一人なのですが、収録曲の振れ幅が比較的小さい点や、驚くような不協和音や不協和なカウンターメロディやベースラインの不在、リズムのトリックが目立たない点が、戸惑いの原因だったと思います。   また、これは完全に個人の印象ですが、全体的に暗い響きが多い事、全然別の曲なのになぜか同じ曲のよ

          赤い公園 『THE PARK』 - 1

          津野米咲・赤い公園の音楽 29. デイドリーム

           「デイドリーム」は2016年3月23日に発売された赤い公園の3枚目のフルアルバム『純情ランドセル』に収録された曲です。 プロデュースはPABLO a.k.a. WTF!?さん、アレンジはPABLO a.k.a. WTF!?と津野さんの共同クレジットになっており、また、ストリングスアレンジは堀向彦輝さんが担当しています。  『純情ランドセル』は全14曲のうち一曲(「14」)を除いてすべて外部プロデューサーとの競作になっている事、マスタリングをニューヨークのSterling S

          津野米咲・赤い公園の音楽 29. デイドリーム

          津野米咲・赤い公園の音楽 28. もんだな・急げ

           「もんだな」と「急げ」は2013年発売の1stフルアルバム『公園デビュー』の6曲目と7曲目に収められています。 この二曲はテンポが全く同じBPM130であり、キーもAマイナーとEマイナーで非常に近い為か二曲続けて一つの曲のように聞こえる方もいるかと思います。 「もんだな」が終わった直後に「急げ」冒頭のベースのノイズが響き、そのまま続けてイントロのギターが始まるのですが、デビューEPに収められていた「副流煙」の例(イントロ・アウトロと真ん中の歌の部分がかなり違う音楽に聞こえる

          津野米咲・赤い公園の音楽 28. もんだな・急げ