緑子

気付くといつも日曜の夜のような文章を書いてしまう。

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気付くといつも日曜の夜のような文章を書いてしまう。

最近の記事

パンの旨み

久しぶりに出勤したので、夫の好きなパン屋に寄った。 結婚するまで、パンの好みが違うことに気付かなかった。お互いパン屋は好きだけど、夫はフランスパンや食パンなど、素材の良さを活かした素朴なパンを買う傾向がある。私は反対に、そのようなパンを買うことは稀で、惣菜パンしか買わない。パン屋というのは普段なかなか食べられない惣菜パンを買う場所だと思い込んでいたけど、ちゃんとこれが買いたいと自己主張しないと、この人惣菜パンを買わないぞ…?と気付いたのは一緒に暮らし始めた後だった。 結婚

    • 妹を誘うということ

      今日になるまで、妹との距離の変化に気づかなかった。 家族でホームセンターに立ち寄った。一時期よく行っていたが、おそらく最後に行ったのは10年ほど前だ。両親について行っても楽しくないので、妹と一緒に2時間かけて回ることにした。 結果的に、一番長居したのが表札コーナーだった。色々なデザインの表札を飾っているコーナーで、30歳近い姉妹でゲームをしてしまった。かるたのようなゲームである。例えば、妹が「髙橋!」というと、いくつもの苗字の表札がある中から髙橋さんの表札を見つけて、「は

      • 祖母の世界と銀魂の世界

        久しぶりに祖母に会った。祖母の住む町は、都内から1時間程度の距離にある、今では大分栄えた町ではあるものの、少なくとも親の子ども時代は、商店街が連なり、町の人々皆が皆を知っており、良いことも悪いこともうわさが広がり、持ちつ持たれつで生きてきた町だという。 その町で商売を営む祖母のもとには、町に昔から住む人たちが訪れる。今では新しい客は来ず小遣い程度の収入でやりくりをしているものの、近くの店の商人から学者まで、祖母の店に来ては話をしていくようである。 祖母には兄弟が多く、亡く

        • 何者かになる

          昨日なんとなくnoteを開き、文章を書きたくて仕方なくなったので書いてみる。 読み返してみて、ブログという形態で自分の考えをまとめるのは楽しいなと思った。noteを積極的に利用していたのが2年前、それからはツイッターにたまに浮上しては煮え切らない思いをつづり、まれに紙の日記に書くこともあった。普段のツイートでもただの事実だけでなく感じたことを書くようにしているけど、ツイートの場合そのとき思ったことを突発的に書くのであまり他者を意識した文章にならず、話をまとめようとする意識も

        パンの旨み

          リハビリと習慣

          前回の更新が10月であったようだが、10月がもう9ヶ月前であることに驚いた。ここを更新しなくなってせいぜい4ヶ月くらいか、という感覚であった。 1時間強離れた実家に戻る電車の中で書いている。今までここを更新したのも、大概は実家からの移動時間であった。電車に乗ると、大体1つは書きたいことが浮かび、それをもとに文章を組み立てるのに1時間という時間は非常に有用であった。 同じ電車の中での1時間なのに、いまいち書きたいことが浮かばない。最近、何も思うことがなかったわけではない。日

          リハビリと習慣

          資格試験という閉鎖社会

          私がかつて受験した資格試験の勉強をしている人を見かけると、声を掛けたい衝動に駆られる。何年も時間をかけて勉強し、資格のための学校にも通い、勉強の過程で助け合える友人も大勢作り、そして今の生活の基盤となっている資格だ。 どうやって声を掛けても鬱陶しいだろうなと思うので、実際に声はかけないけれど。 それでも、自分も同志であることをどうにかして伝えたいと勝手な仲間意識を持ってしまう。 かつて受験時代の私は、電車で資格試験の教材を読んでいる人を見かけ、いてもたってもいられなくて手持

          資格試験という閉鎖社会

          ラグビーブームを飲み込むまで

          ラグビーの試合を今年に入るまで見たことがなかったけど、今日はウェールズ対フランス戦も、日本対南アフリカ戦も見てしまった。完全なミーハーである。 そんな自分でも、今回のラグビーブームを飲み込めるようになるまでは大分時間がかかってしまった。 (なお、以下の文ではラグビーを楽しめるようになるまで時間がかかったという内容を書いていますが、時間がかかったのは自分の性格によるものであって、ラグビーの選手やファンを傷つけるつもりはなく、下記の文はあくまでも自分の心境の整理がしたいという

          ラグビーブームを飲み込むまで

          誰が先に結婚するかダービー

          27歳になると、「誰が先に結婚するか」を当てるのは非常に難しい。 27歳になる今年、周りの人がどんどん結婚していく。結婚式に呼ばれることも増えた。 先日も結婚式に参加したけれど、てっきり長く交際していた学生時代の彼女と結婚したのかと思いきや、めちゃくちゃかわいい職場の後輩と結婚していた。「こいつやることやってるでしょ」と言った同期も、結局大学時代長く付き合ってた彼女と別れてもうじき職場の女の子と入籍するらしい。どちらも交際1年ちょっとで、私としては早いなと思うけれど、早すぎ

          誰が先に結婚するかダービー

          noteに書かれるテーマの分類と傾向/書きやすい文章と書きにくい文章

          令和という新元号を聞いたときの衝撃でnoteを始めてから、早いもので5ヶ月が経ってしまった。書いた記事は5ヶ月で30記事と多くも少なくもないけれど、記事を読み書きしているうちに人によってテーマ選択には個性が出るし、自分にとって書きやすい文章と書きにくい文書があるということがだんだん分かってきた。そこで、noteの内容になるテーマについて大まかに分類をした上で自分にとってはどのような文章が書きやすいのか、自分のようなタイプの人がnoteで一定の評価を得るためにはどのようにしたら

          noteに書かれるテーマの分類と傾向/書きやすい文章と書きにくい文章

          忙しさは私を殺すが、適度な仕事も結局私を殺す

          最近、珍しく仕事が暇だった。ここ1ヶ月はほとんど毎日日付が変わっても仕事してたのに、だんだん仕事を振られなくなって、今週は一切仕事がなかった。文字通りゼロだった。 あまりにも何もないのも逆に不安だったけれど、これまで忙しかったから別に休んでてもばちは当たらないよね?と思って何もしなかった。将来のことを思うと本当にこれでいいのだろうか?と思いながら特に相談せずに過ごした。 私は今仕事の色々な業務を経験しているところで、来年には特定の部署に配属されてそれを専門に仕事することにな

          忙しさは私を殺すが、適度な仕事も結局私を殺す

          生活のステージ

          日曜日、死ぬほど服を買った。私はアウトレットでないと服を買えない貧乏性なので、日曜日はタガが外れたかのように買い物をした。 私の実家からは車で30分も走ればいけるようなところにアウトレットがある。そして2時間も走ればもう1件アウトレットがある。比較的近距離だし、そもそも私がシーズンに1回程度まとめて買い物ができれば十分なタイプであるので、買い物はいつからか、いつものアウトレットに行くようになった。 しかし、日曜日は初めて多摩南大沢のアウトレットに行った。初めて降りる駅、そも

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          プリクラがわからなくなった

          プリクラが私たちのものではなくなってしまった。 90年代初期生まれの私たち。プリクラが流行り始めた当初はまだ幼かったけれど、それからの成長は常にプリクラと共にあった。小学校高学年のときには近所のヨーカドーにクラスメイトで集まってはプリクラを撮っていたし、プリクラ交換などもしていた。 中学生になると隣町まで遊びに行ってプリクラを撮るようになった。この頃はギャル字最盛期で、私の周りはギャル系の子から地味な子までギャル字を書く人が多かった。デコり文化もあったから、当初買っていたn

          プリクラがわからなくなった

          カウンター席にて

          地元にある寿司屋に行くとき、私はいつもカウンター席で食べる。前からあるお店だけど初めて行ったのはせいぜい3,4年前で、それまでお寿司といえば100円の回転寿司であった私には、父親の「お寿司はカウンターで食べておすすめを握ってもらうのがいいんだ」という言葉は随分と気取って聞こえた。 初めてそのお寿司屋に行ったとき、父親の発言は紛れもなく真実なのだと思った。新鮮なネタを一番美味しい食べ方で握ってくれるから、何を食べても美味しいし、苦手な食材でさえも食べてみると本当はこんなに美味

          カウンター席にて

          王様と盗賊と姫君とフェミニズムとポリコレと私

          昨日、渋谷のヒカリエにて「王様と私」を観劇しました。そのとき思ったことと実写版アラジンを見たときの感想について書いているので、未鑑賞かつネタバレを避けたい方は見ないことをお勧めします。 また、王様と私については今回の劇しか見たことがないので、原作やこれまでに上映されてきた映画や劇とは演出や流れが異なる可能性があり、かつ相違点については調べずに記載していることをご了承ください。 * * * 「王様と私」は、1860年代のシャム(現在のタイ)を舞台にした話で、イギリス出身の未

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          夜と朝をなぞるだけのまともな日常

          BUMP OF CHICKENの「ギルド」が自分の中で再燃している。 バンプとの出会いは例に漏れず中2のことだった。クラスの友人がバンプを好きで、ギルドも収録されているユグドラシルというアルバムを入れたMDを貸してくれたことが始まりだった。 当時の私は音楽といえばヒットチャート上位の曲くらいしか分からず、テレビに映ることが比較的少ないロキノン系バンドについては全く知らない状態であった。ユグドラシルはロックの中ではポップ寄りなアルバムだと思うけれど、それでも当時の私にとっては

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          君は天然色

          珍しく日記らしい日記を書こう。 今日は心が揺れる出来事が多かった。仕事を始めて間もない時からずっと関わっているプロジェクトはうまくいかないことになりそうだし、長年恋人と付き合っていてプロポーズの予告までされていた友人は恋人から振られたらしい。前者については私や同僚のせいではないし、あまり構造的にうまくいかないだろう感じだったからしょうがないんだけど。でも、新人ながらも主体的に関わらせてくれて、先方ともコミュニケーションをたくさん取らせてくれたし、色々仕事の段取りの仕方とかや

          君は天然色