東 里胡(あずま りこ)

小説を書いてます。 受賞歴:第9回小学館ジュニア文庫小説賞「訳ありイケメン王子と同居中…

東 里胡(あずま りこ)

小説を書いてます。 受賞歴:第9回小学館ジュニア文庫小説賞「訳ありイケメン王子と同居中です‼」大賞受賞 第6回ほっこり・じんわり大賞「君といた夏」大賞受賞 第6回ライト文芸大賞「感情ミュート」青春賞受賞、他。 児童文庫や青春恋愛を主に書いております。

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東のプロフ

東 里胡 エブリスタやアルファポリスをメインに、小説を書いております。 得意なジャンルは、恋愛・青春・現代ファンタジー・ヒューマン・ホラー・童話など。 長編・中編・短編、どれでも書きます。 最近、児童文庫公募に夢中です。 書籍 「5分後にときめくラスト」河出書房新社に 「この愛が消えてしまう前に」が収録されております 入選歴 【第9回小学館ジュニア文庫小説賞 大賞】 「訳ありイケメン王子と同居中です!!」 【第6回ほっこり・じんわり大賞 大賞】アルファポリス 「君と

    • 四月が終わるそうです

      信じられないことに明日から五月らしいです。 なんの成果もない東です、それでもなんとか頑張っておりますん。 創作大賞、始まりましたね! 昨年は他の方の応援に回ってましたが、今年は参加する側に。 エブで準大賞をいただいたものの、特に書籍化予定のない作品 こちらを応募してみました。 私の作品の中では珍しく男性の読み手の方も多かった作品です。 大好きなタイムリープや特殊能力を盛り盛りした作品なので、好き嫌いが別れそうですが、こういうのも大好きです。 改稿しながら更新していて、やっぱ

      • 約束の未来~Re:set~・終

        エピローグ「紅~!! 記章つけてる? 大丈夫?」 「大丈夫よ、なんでお母さんがそんなにオロオロしてるの」    当の本人よりも焦る母に笑っていたら。 「ねえ、記念写真撮らない?」 「いいよ」  もじもじと恥ずかしそうに提案してきた母と記念撮影、どうせまたリビングに飾られるんだろうな、恥ずかしい。  入学、卒業の度に撮影してきた母との記念写真。  その中の一枚、高校の入学時のは記念館で撮ったもの。  めちゃくちゃ恥ずかしかったのを覚えてる。  母の方がいい笑顔だもの。  

        • 約束の未来~Re:set~⑱

          第四章 許されないことだとしても⑤「続けます、被告人が本日午後十八時六分、〇〇区一丁目交差点おいて延命罪を犯そうとした瞬間を、あなたたち二人はどこで見てましたか?」  異議を申し立てる前に私を一瞥した冷たい瞳。  私が何か言えば碧や宵の不利になる、そう感じて、必死に唇を噛みしめて異議を飲み込む。  少なくとも碧は私を止めたのに。  あなたの言いつけを守り時空界の法を守り必死に止めてたんだから。  それに宵だって結局法を犯さなかった。  結果だけ見てよ、全部私が悪いのに。

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          約束の未来~Re:set~⑰

          第四章 許されないことだとしても④「紅ちゃん、目瞑ってくれる? しずらい、かも」  真正面に立ち私を見下ろす宵の顔が少し照れているようにも見えた。  前は騙すようにしておでこに印したくせに。  大丈夫、もう覚悟は決まってるから。  いいよ、と微笑んでみせると安心したように宵も頷いて、それを合図に、ゆっくり瞼を閉じると押し出されるように落ちる涙。  気にしないでね、きっとこんな涙は最後にするから。  今優先すべきことを大事にしたい。  少し上を向いて、宵からの契約の印を待った

          約束の未来~Re:set~⑰

          約束の未来~Re:set~⑯

          第四章 許されないことだとしても③ 「最近、遊びに来ないね、紅もだけど。碧くんや宵くんも」  何も知らないお母さんの発言にドキリとした。  テストが終わってそろそろ保育園に行こうとしてはいるのだけれど、碧も宵もお互いを避け合っているようで、学校では二人口を利かなくなってしまった。  保育園に遊びに来たいのは宵の方だろうけれど、宵を誘ったら碧がきっといい顔をしないだろうし、その逆をしたら何だか宵に申し訳ない気がして、それでずっと保育園に出向けなくなっていた。 「もしかして進

          約束の未来~Re:set~⑯

          約束の未来~Re:set~⑮

          第四章 許されないことだとしても② テスト前の早帰り、保育園側から学生は勉強第一と言われてこの時期は行けないので真っすぐ帰路につく途中、何となく前から思っていたことを聞いてしまったのだ。 「宵ってどこに住んでるの?」 「どこ? え? 時空界だけど、何で?」  とさも当たり前かのように答えたけれど。 「毎日、時空界に帰ってるの?」  私の頭の中は疑問符だらけだ。  そんなに簡単に行き来できる場所なんだろうか、と。 「紅ちゃん、興味ある? だったら今から見に来る? すぐ

          約束の未来~Re:set~⑮

          約束の未来~Re:set~⑭

          第四章 許されないことだとしても① 進路希望を提出したその日の放課後、指導室に呼び出された。  第一希望職種 保育士  第二希望職種 裁判官  私の成績ならば裁判官は夢ではない、何故突然保育士なんだ、と先生は嘆いていた。  多分私が教師でもそう思っていただろう。  だけど、今の気持ちに正直になると保育士の方へと気持ちが傾いているんだ。  先生の一方的な説得に異論を唱えたならばきっと遅くなると感じ。  素直にウンウン頷いて「前向きにもう一度考えます」と頭を下げて指導室を出る

          約束の未来~Re:set~⑭

          約束の未来~Re:set~⑬

          第三章 新しい自分④「おはよ、紅」  よくもまあ何事もなかったような顔をしていられるな。  私はと言うとダブルショックで寝不足だというのに。 「もういいの? 明日まで休むつもりだったんじゃないの?」  全然何も気にしてません、通常運転です、と取り澄ました顔をして、いつものように応対したのに。 「いつまでも休んでるのも良くないだろうって、父さんがね。それと俺がいないと宵が好き勝手してるみたいなんで」  と、私の額に冷たい視線を這わせたので思わず顔を背けた。 「ん? 

          約束の未来~Re:set~⑬

          約束の未来~Re:set~⑫

          第三章 新しい自分③ その夜、不思議なくらい碧は笑っていた。  うちの母さんの話を聞いては笑い、私の話を聞いては笑い、なんだか変だなって思った。  まるで笑顔の仮面でも付けてるみたいだ、って。  だって昼間の笑顔はこんなんじゃなくて、逆に心配になる、から。 「ご馳走様、紅。本当に美味しかったよ」  玄関で靴を履く碧を見ながら首を捻る。 「お母さん、碧のこと送ってくる、ついでに参考書も借りてくる」 「は?」 「いってきます~!」  何か言いたげな碧に続いて家を出た。  

          約束の未来~Re:set~⑫

          約束の未来~Re:set~⑪

          第三章 新しい自分② 真夏の陽ざしは朝から容赦なく私に降り注いでいる。  半袖から突き出た二の腕がジリジリと痛い、ああ蝉何匹いるのよ?  今年は昨年よりも暑いから蝉が大量発生した年だっけ?  ……、えっと。  首相交代、って何年、だったかな。  後、そろそろ大規模な詐欺事件があって、それって今年? 来年?  洗濯物を持ったまま考え事をしている私に。 「焦げるよ、紅」  声の主は花壇の水撒きをしている碧だ。   「あ、おはよ」  我に返って目先の洗濯物を干す、という仕事に

          約束の未来~Re:set~⑪

          未来の約束~Re:set~⑩

          第三章 新しい自分① もうすぐ夏休み、リセットされてから後少しで一年になる。  こんなにも長い間、自分の特殊能力とは遠ざかっているせいなのか、一度目の人生は、全て夢の中での出来事なんじゃないか、って気すらしてくる。  ただし碧の監視と宵のつき纏いが無ければ、だ。  碧は相変わらず心配性なので行き帰り偶然を装ってるかのように隣を歩いて来るけれど。  バレバレですからね?  もう自分自身で特殊能力を使うこともできないし、その心配なんかいらないというのに。  最も碧がそれよりも

          未来の約束~Re:set~⑩

          約束の未来~Re:set~⑨

          第二章 間違い探しの日々④「何で私が神原宵なんかと?!」 「だから!! 絶対にそうなるなよ、忠告だけはしとく」  碧が怖い顔で私を睨んでるけれど睨みたいのはこっちだよ、だって。 「伴侶ってのは、つまりその」  結婚、とか、その、多分……。 「そ、紅の想像通りだよ、神原宵と『出来るなら』、!特殊能力《チカラ》は戻ってくるけれど」  出来る!? つまりは、そういうことよね? 夫婦になるって、きっと。  絶対に絶対に、嫌! 神原宵となんか!  何で私の二度目の人生にそんな

          約束の未来~Re:set~⑨

          約束の未来~Re:set~⑧

          第二章 間違い探しの日々③  新しい制服に袖を通し、写真館で記念撮影するのは、我が家にとって初の試みだ。  十年前、母からそれを提案された時の自身の台詞を覚えている。 『面倒くさい。お母さんと一緒にとか、何でそんなの撮らないといけないの?』  母の傷ついたような、寂し気な顔が、今でも忘れられない。  その後、罪悪感でそのまま自分の部屋に籠ったことも鮮明に覚えている。  だから今回は。 「あのさ、庭で記念撮影とか、する?」 「え?」 「だから、ほら、新しい制服もできたし、

          約束の未来~Re:set~⑧

          約束の未来~Re:set~⑦

          第二章 間違い探しの日々②  中間テスト勉強、やるだけのことはやった。  学校に向かう途中、グルグルグルグルと頭の中で、数式と英単語が無限ループしてる。  今回のテスト範囲どころか、何なら中一までも遡って苦手な箇所をしらみつぶしにしたし、自信のない問題も、似たような例題を自分で作ってまで復習し尽くしたとは思う。  なのに――。  湧かない自信、それどころか、絶対に勝てないんじゃないかって不安になる元凶が私の顔を覗き込んできた。 「顔色、悪くない?」  見透かされたようでギ

          約束の未来~Re:set~⑦

          約束の未来~Re:set~⑥

          第二章 間違い探しの日々① 「雨だ」  朝は降ってなかった雨に昇降口前で足止めを食らって、誰に話しかけるでもなく独り言ちたら。 「一緒に入ってく?」  庇の下で雨宿りをする私の横に、いつの間にか立っていた碧に拾われた。 「いらない」  碧に入れて貰うくらいなら濡れて帰った方がマシだと、雨の中飛び出そうとして強く腕を引き戻される。 「嘘だって、はい。オレ置き傘してたのに今日折り畳みも持ってきちゃったんだよね」  と鞄の中から出した碧の紺色の傘を私に手渡してくる。

          約束の未来~Re:set~⑥