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アイ・ジャスト・ウオント・トゥ・メイク・ラヴ・トゥ・ユー/マディ・ウオーターズ I Just Want To Make Love To You / Muddy Waters
ある日、H市の営業回りの最中にHR商会というレコード屋さんに寄りこんだ。
ここのお兄さんが、ブラックミュージックに精通していて、東京の俺が通っていた駅前のレコード店にも行ったことがあるという。
共通の話題が見つかった。
正直帰郷してからは音楽の趣味が合う人と出会うことはあまりなかった。
少し欲求不満が募っていたときだったので余計嬉しかったのかもしれない。
このお店を切り盛りしていたO城さんにはソウ
メイヤー・オブ・シンプルトン/XTC Mayer Of Simpleton / XTC
ある日K崎くんから電話がかかってきた。
「俺君、パソコン買ったから見に来ない?」
「いいよ、今から行くよ」
「ギターの音を入れて欲しいからギター持ってきて」
「分かった」
ギターとMTRを持って行ってみるとそこには小さな箱と化け物のような
デカいプリンターが置いてあった。
K崎くんが言うには、
「これはアメリカのアップルっていうメーカーのパソコンで、マッキントッシュ・プラスって言うんだ」
「
ティアーズ・イン・ヘヴン/エリック・クラプトン Tears In Heaven / Eric Clapton
F原さん(俺の名字になったので今後は「妻」と表記)と結婚してアパートを借りて、一緒に住んでしばらくすると子供ができた。
二人で大喜びして産まれてくるのを今か今かと待っていたが、ある時病院に呼び出された。
どうも気になる影があるという。
地元の大学病院で検査を勧められた。
検査の結果、お腹の赤ちゃんの腎臓に水が溜まっていることが分かった。
医者が言うことにはちゃんとお腹の中で育たないかもしれない。
ランニング・アウェイ/カラーフィード Running Away / The Colorfield
実家に戻って生活して3カ月ほど経った頃、新聞広告の求人欄を見て広告代理店の面接を受けてみることにした。
全く未知の仕事だったが、応募資格に大卒の記述が無かったので、とにかく受けてみようと思った。
業界のことは全く知らなかったが、名古屋本社でそこそこ大きな中堅どころの代理店だと後から知った。
現地採用なので希望しない限り転勤は無く、H市の駅前に事務所があって始業時間が9:30だった。
普通の会社は9
終わりなき旅/U2 I Still Haven't Found What I'm Looking for / U2
故郷に帰るのを前提に東京のPA会社に勤めていたが、当時の音響業界はとても立場が低かった。
コンサートの全体予算からまず出演者のギャラが支払われる。当然だ。
次に会場、舞台関係が優先的に予算を取る。
そのあと照明が予算取りして、最後に残った予算で音響関係をなんとかやり繰りする。
その結果、労働環境は最悪なものとなる。
正直ある程度覚悟はしていたものの、あまりの給料の安さに音を上げた。
ここまで酷いの
時そば/古今亭志ん朝 Tokisoba / Kokontei Shinchou
80年代前半、東京に住んでいた時、時間とお金があると通っていたところが3ヶ所ある。
新宿ロフトと新宿末広亭と六本木WAVEだ。
G大駅の駅前レコード店に通っていた時、長兄さんに勧められて落語を見るようになった。
高校時代に読んでいたロッキンオンの松村雄策さんの影響もあったかもしれない。
もともと漫才ブームを経由していて、お笑い演芸は好きだったので試しにと聞いてみたらずっぽりハマってしまった。
ベートーヴェン弦楽四重奏15番 Beethoven: String Quartet No. 15
80年代前半、東京に住んでいた時、時間とお金があると通っていたところが3ヶ所ある。
新宿ロフトと新宿末広亭と六本木WAVEだ。
80年代の一時期、六本木のシネヴィヴァン(CINE VIVANT)に通っていたことがある。ちょっと難解な雰囲気のアート系の映画にあこがれていた時期だったのだ。
それがナウかったのだ。
映画や音楽やアートなど薄っぺらく広く浅く見て廻っていたのだ。
意味不明なシーン、細切れ
ダンス・ダンス/ザ・シェイクス Dance Dance / The Shakes
80年代、東京に住んでいた時、時間とお金があると通っていたところが3ヶ所ある。
新宿ロフトと新宿末広亭と六本木WAVEだ。
俺はややメジャー寄りのポップな音が好きだったので、そういう音を聴きたいときには渋谷エッグマン、テイクオフセブン、原宿クロコダイルなどのライブハウス巡りを楽しんでいた。
T本君などは屋根裏あたりのハードコアを観に行っていて、今日は客同士の喧嘩に巻き込まれたとか、楽し気に話して
ホエン・ラヴ・ブレイクス・ダウン/プリファブ・スプラウト When Love Breaks Down / Prefab Sprout
PA会社で仕事をしていた時は、勤務時間がとても不規則になった。
土日はイベントやコンサートがあり、朝早く家を出て、帰りは夜12時近くなった。
銭湯はもう終わってしまっていたので2〜3日風呂に入らないこともしばしばだった。
事務所は渋谷にあったが、機材などの倉庫はK県K市にあって、週の前半は土日に使用した機材のメンテナンス、後半は週末に向けての機材の準備をしていた。
他の会社と同様に先輩たちがまだ仕
ガールフレンド・イズ・ベター/トーキング・ヘッズ Girlfriend Is Better / Talking Heads
1984年、TEACというメーカーからPORTA ONEというマルチトラックレコーダーが発売された。
マルチトラックレコーダーとは音を重ねて多重録音できる音響機器で、レコーディング用のプロ機器は存在していたが、趣味レベルの物は無かった。
録音する媒体はカセットテープだった。
この後、MDやCD、ハードディスクへと録音媒体が進化し、パソコンでの録音に変遷していく。
この製品の前にPORTA STUD
ビールス・カプセル/シーナ&ザ・ロケッツ Virus Capsule / Sheena And The Rokkets
2回目のバンドの練習中、T野さんは何を思ってか俺に向かって
「俺君はギター弾いてみてよ。僕がベース弾くから」
と自分が持っていたナショナルのギターを俺によこした。
ベースとしてバンドに加入したけど、そもそもギターが弾けるからと言ってバンドに入ったから俺がどんなギター弾くのか知りたかったみたいだ。
T野さん
「曲は何がいい?」
俺
「う~ん、3コードの簡単なやつがいいですね」
T野さん
「じゃ、シ