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『自らを表現することが億劫になったあなたへ。』愛と狂気のマーケット

原宿駅で降りた。

なんだかとても久しぶりな気がする。

まだ上京したての頃、めいっぱいのおしゃれをして原宿に降り立ったことが思い出される。気がつけばあれから8年もの月日が流れていた。

長かった髪をバッサリ切ってブリーチして、ビリビリに破れたジーンズを買って、洋服や髪型で自分を表現することを楽しんでいた。

けれども、「なんか派手だね」「似合ってないね」「変だね」

人から言われる些細な言葉が積み重なり、洋服や髪型で自分を表現することが億劫になっていった。

そして、「好き」よりも「変だと思われないか」いつの間にかそれが私の価値基準になっていた。

原宿駅から取材場所まで向かう道中、改めて原宿を歩く人に目を向けた。

竹下通りでクレープを頬張る子供たち。
明治通りに出ると、歩いているだけで自然と目で追ってしまうような魅力的な方。

年齢、国籍、性別問わず、本当にいろいろな人がイキイキと歩いているなという印象を受けた。

一方でブランド化した原宿に対して、ちょっとした敷居の高さを感じたりもする。

本来の良さが埋もれ、原宿が「分かりにくくなっている」。

もっともっと自由に表現ができた原宿に立ち戻ろう。

原宿の「原点回帰」をキーワードに掲げる「愛と狂気のマーケット」の試みについて紹介していこうと思う。


今回インタビューを受けてくださった神田さんは、
私は四十歳になるのですが、私よりももっと上の世代って、原宿がもっと元気だった時代を知っている。そういう方とお話しする中で「昔は自由だったよね」とか、「昔はよかったよね」という言葉が染み込んでいて、それが悔しかった。

と心中にあった葛藤を教えてくださった。

ものづくりへの道が開かれ、誰でもそれを発信できる現代。

「SNSでの発信の上手さ・下手さで人の目に触れるかが決まり、
例え素晴らしい才能を持っていたとしても、埋もれゆく才能がある」

「原宿自体がブランド化し、若い世代が自分の作品を発表するにはハードルが高くなってきた中で、才能を生み出す場所、インキュベーションする場を改めて設けたい」

そんな想いから「愛と狂気のマーケット」は生まれた。

才能と出会える場所、愛と狂気のマーケット

「ラフォーレ原宿」。
誰もが一度は耳にしたことのある、原宿の象徴とも言える商業施設のB0.5階に「愛と狂気のマーケット」は店舗を構える。

「愛と狂気のマーケット」

この聞いた時に少しドキッとするネーミングに込めた想いについて、神田さんはこう語る。

愛は、「出会い」という意味。狂気は、「才能」という意味を持たせていて、
あらゆる「才能」と「出会える」マーケットを目指していきたい。

「愛=出会い」

オンラインショッピングの普及に伴い、店舗に足を運ばずとも商品を手にできる。
加えて、スマホの検索履歴から自分が手に取りそうな商品が向こうからやってくる。

便利だし、外さない。

一方で、ものとの出会いに高揚感を抱く機会は少なくなっている。

ビビットピンクを基調としたエントランス。ラフォーレ原宿B0.5階という立地も多くの人に出品者の狂気(才能)に触れてほしいという、挑戦を応援する風土が伺える。

「なんだ?なんだ?なんなんだ?!」

店舗に足を運んだ時に、エントランスでまず感じる高揚感。

そこから、「どんな商品が並んでいるのかな?」と店内を覗いてみると、カテゴリー分けして陳列されていないカオス感。

あえてカテゴリー分けせず、陳列する理由について、神田さんはこう語る。

「ここだけ見たら、自分の好きな世界観にあっているなと、自分の好きそうなところだけみて店舗を後にするよりも、フロアを全部見て回って、そこから自分の好きを見つけていただけるような、新しい好きと出会っていただくための設計にしてます」

入口を訪れた時の期待感から、「これだ!」という商品に出会う瞬間までの高揚感を生む導線が丁寧に設計されている。

購入者とクリエイターだけでなく、クリエイター同士も繋がれるように、名刺交換会やEVENING PARTYなど、あらゆる出会いを生むイベントが催されている。

「狂気=才能」

才能と聞くとどうしても壮大なものに思われがちだが、才能の定義について、神田さんはこう語る。

「服やアクセサリーなど、いわゆるアパレルのジャンルを飛び越えて、知名度の有無・買い手と売り手などの境界線をも飛び越えて、それぞれの考えやアイディアを自由にこの世に生み出そうとすること。それこそが才能であり、才能と才能が共鳴することで新しい「才能」が生まれると思っています」

商品や作品を通じて込められた、思想、アイディア、挑戦。
これら全てが、才能であり「狂気」なのである。

才能を才能と呼ばず、「狂気」と表現することで、あらゆる垣根を飛び越えていこうとする力強い意志が感じられる。

高揚感を覚える一方で過激に感じられるかもしれないが、その作りは、出品するクリエイターにこれ以上ないくらい寄り添った仕組みになっている。

常駐スタッフ不要、スマホから簡単応募、1ヶ月2万円から出品可能。

10年以上、常設店やPOPUPSHOP誘致を担当をする中で、深夜の設営や常駐スタッフの手配などができず出店を諦めるクリエイターさんを直近でみてきたそう。

だからこそ「商品作ること以外のハードルがない設計にしたい」という想いから、このような仕組みを取り入れている。

原点回帰と同時に進化の営み

約45年、原宿という街で店舗を構え、若き才能が生まれる様を一番近くで見守ってきた「ラフォーレ原宿」。
地元で身につけると、目立ちすぎてしまうようなファッションも、原宿で身につければ、「それいいね!」と肯定してくれるような、原宿が持つ「懐の深さ」。
これこそがあらゆる狂気(才能)たちの愛(出会い)を受け止める土壌となっているのである。

原宿という土壌にオンラインショッピングやSNSの普及など時代の変化を取り入れ、
昔の原宿を知る人にとっては懐かしく、近寄り難いと思っていた私からすると親しみやすい。
ドキドキとワクワクが詰まった空間が広がっている。

自らを表現することが億劫になったあなたへ。

表現するということ。
これは、絵や言葉である必要はなく、自分が何を身につけるか。
そんな日常のささいな選択にも狂気は宿っている。

店舗を見た時の、お腹からゾクゾクと湧き上がる期待感。
「これだ!」という商品に出会えた時のビビっと感じる運命感。
「愛と狂気のマーケット」には、あなたの中に眠る狂気を呼び起こす「愛と狂気」が詰まっている。

「昔はこうだったのに」と過去の自分を懐かしむよりも、過去の経験を生かしながら、
今現在の自分がよりワクワクドキドキできるような商品に出会いたいし、出会えるんだ。
狂気を肯定してくれる場所が「愛と狂気のマーケット」にはあるんだ。
インタビューを通じて、そう思わせてくれた。

周りの目が気になって、自分の感情に蓋をしている。

そんな方は、是非「愛と狂気のマーケット」に行ってみてほしい。

店舗情報

・住所

〒150-0001 東京都渋谷区神宮前1丁目11−6 ラフォーレ原宿 B0.5F

・営業時間

営業時間:11時~20時 
※毎月月末は18時閉店/毎月1日は16時開店

・公式HP

・Twitter

・Instagram

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・運営会社

執筆者:成田吉子

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