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【小エッセイ】混じり気
カラカラと、乾いたエアコンの音が聞こえる。漠然とした不安がシーツのように脳を覆っている。遠くで聞こえるサイレンの音は、きっと私を呼んでいる。込み上げる小さな咳では、黒い内臓を外へ押し出せない。せめてシャワーをしたい。皮膚を溶かし筋肉を剥いて、骨を洗いたい。
/ルリニコクみみみ
【小エッセイ】やるやらぬ
やるもやらぬも私の自由。
やれば矛盾に狂う日々。
やらねば嘘なく普通でいられる。
醒めぬも醒めるも私の自由。
醒めねば苦痛に狂う日々。
醒めれば少しは役に立つ。
やらぬ醒めるを他人が望むが
きっと私は地獄行き。
/ルリニコクみみみ
【小エッセイ】つくる
机に向かう。
夜の香りも感じない。
笑える話も
明日の予定も
財布の中身も
よく思い出せない。水中の蟻。
書いているのか。
書かされているのか。
関係ない。目の奥だけが熱い。
世界はいつも耳元で囁く。
死ね。死ね。
それでも手は止められない。
まだ生きているのだから。
/ルリニコクみみみ
アマル・デ・エルスと彼の唄
雨の香り夜の香りいつもの迷い道
何処にいるの?何処にいるの?冷たい息を吐く
雨の心夜の心独りで抱きしめる
暗い道を照らす音を探す錆びた器
いつかは消えるこの身体この心
それなら何のため生きていく?
意味のないこの世界意味のない毎日に
虚しく踊って砂まみれ
心の景色と見えてる景色が
重なり合わない霧の中
紅いお目々の着飾る雛人形
飛び回れ
そうだこんな日々、どうせ何もない
砂に汚されて踊りまし