マガジンのカバー画像

詩作品 ラブレター

17
誰かに届きますように
運営しているクリエイター

記事一覧

ラブレター14

ラブレター14


文士

おい文学、頭ん中お花畑さかしてんじゃねえぞ 
それで学問て言えるんか 
お花ばらまくのはかまへんが 
自分までお花になって 
文学やれると思うなよ
頭ん中お花畑にさせときたいなら
文学のお客さんでいろよ

合理から逃げたのが浪漫なのか?
学問なら
逃げるなよ

気持ちいいことが好きなら
何すればいいかは自明だろう

===

それだけでいい

理由がなんであれ
私があなたを求めるのは本当

もっとみる
ラブレター13

ラブレター13

サラリーマン 

私たち
サラリーマンが大好き
大義のために
盟主に命を捧げて
毎日ヘトヘトに搾り取られるなんて素敵
見てるだけでゾクゾクしちゃう
帰ったら手作りご飯にマッサージ
カウンセリングもつけとくわ
夜のお勤めなんて言わないで
ほらほら精を出して

盟主 

私には男を見る目があるのよ
盟主の人間性くらい
わかるのよ
細かいことはわからないけれど
大義の意味はわかるのよ
鼻がいいから
方向

もっとみる
詩作品 ラブレター12

詩作品 ラブレター12




結ぶ
結ぶ
縁を結ぶ

まあるく
まあるく
世界を結ぶ

けして汚くない
けして汚くないと
信じさせてよ

ねえあなた
血は流さないで
そんなの
望んでない

ねえあなた
耳を噛むわ
あなたの左耳
穴が空くほど

戦わなくても
あなた強いの
血を流さないから
あなた強いの

20滴目 氷

20滴目 氷

北風

心が氷点下で
北風ばかり吹かせてしまう

あなたを蔑み蔑み蔑みつくした
青春時代に
凍らせた心

だれかの春風が
私の心を溶かすとしたら

陽の光が当たるところへ
足を踏み出す以外
ないのだと思う

===

日陰者

慰み者は
日陰者
一生日向には出られぬ
慰み者は
日陰者
日陰に囲われて
アンダーザグラウンド
それでも守られているなら幸せでいられる
多少息がしづらくとも

===

もっとみる
ラブレター10 (宛名付き)

ラブレター10 (宛名付き)



諭吉先生

ついにシブザワ翁に
取って代わられる日が
きてしまいますね

学問は
経済に
負けてしまうのでしょうか

無念です

実学
経済
机上の学問

さういふ時代の幕開けです

天は人の上に人をつくらず
人の下に人を作らず…

どれだけの人が
先生の言葉を誤解したことでしょう
私は誤解こそが悪だと思うのです

天は人の上に人をつくらず
人の下に人を作らず…
学問さえやれば。

そうであっ

もっとみる
love letter 11

love letter 11

For good readers

I was born to write.

So, if I can't earn money by writing,
It doesn't matter for me.

The meaning of my life is only the existence standing by me.

I will not be able to response fo

もっとみる
詩作品 ラブレター9  選者

詩作品 ラブレター9 選者

女性詩人

選ぶのは
男たち

男たちに
選ばれるのは
嫌だって?
だって
男を選ぶのは
女なんだから
お互い様

女には
男のことが
本能的にわかるように

男には
女のことが
本能的にわかるのだから

つまり
女性詩人と
男性詩人がいる

それだけの話

===

稚拙

飾れない
繕えない
あたし
いつだって
はだかんぼ
生まれたままの姿
いい歳して
恥ずかしいって?

いつだって
体育座り

もっとみる
詩作品 ラブレター8  大祓詞

詩作品 ラブレター8 大祓詞

太陽

天岩戸の影に隠れて
いるしかないのです

あなたが
隠れていろと
言うのだから

あなたの
荒魂が

===

荒魂

起こしてしまったのですね
私のこと

隠しても隠しても
もう無駄です

あなたの心に
はじめから
棲んでいる

あなたもわかっていたはずです

龍神よ、
私が怖いのなら
私が言うことを
よくお聞きなさい

さすれば
また眠ってあげるから

===

速佐須良姫

あなたは

もっとみる
詩作品 ラブレター7

詩作品 ラブレター7

過去形

初めて
唾を付けてくれた
貴方
私の身体にも
付けてほしかった

===

満ち

満ち足りもセズ
枯れもセズ

それでいて
充たされて
やる気に満ち
病と
遊びの
絶妙なバランスを
取る以外に方法はなく
それがどれだけ
傍にいる人に迷惑をかけるか
それはわかっている

美知、
あなたを一番
愛していました

===

ピル

「ピル飲んで欲しいな」

大学生の時の彼
衝撃の一言
まだピ

もっとみる
詩作品 ラブレター6

詩作品 ラブレター6

ハーレム

後宮の名残なら
本来自然なのです
経済の中で
金と美の交換
神の見えざる手

農耕のない未開の時代
殆どの間ヒトは
男も女も
互いにとっかえひっかえ
自然淘汰と多様性

市場経済では
有能な男に女は群がって
一夫一妻なら殆ど妥協
地主のドラ息子はごめんだけれど
腕一本で逞しく 
生き抜くあなたに
くびったけ

===

需要と供給

あなたの穴を
私が埋めれる
そんな確信だったの

もっとみる
詩作品 ラブレター5

詩作品 ラブレター5



宗教の上に
自然科学を厚塗りし
全知全能を騙った人類が
敵わぬものに
畏れをもつのが結局は
救いであった、か

敵わぬものを
虱潰しにしても
見えてきたのは
 〈違和感〉

正確に言うと
統計学は
数学ではない

経済に於いて
非常に有能であるが故
数学が出来なくても
使いこなせるが故

忘れている人も多いけれど
〈解が一つに定まらない〉のは
数学ではありません

外れ値や切り捨てたものを

もっとみる
詩作品 ラブレター4  (宛名付)

詩作品 ラブレター4 (宛名付)


茨木のり子さんに 

倚りかからない詩人の貴女が
倚かかったのは椅子の背もたれだけ

でもその椅子は、旦那さまが
最後に欲しがった物

夫が欲しいというものは
全て買ってきたあなたにとって
その椅子は特別な物

貴女は最期までその椅子を頑として手放さなかったという
そして
「Yの箱」が発見されました

マスターベーションを詩にできる貴女が
羞恥心でそれを発表しなかったとは
解釈できず

貴女にと

もっとみる
11滴目 あえて

11滴目 あえて

書籍

ことばはみんなのもの
所有され得ない
Twitterのように混ざり合うもの
会話のように混ざり合うもの

がしかし本は
一個となり
なぜか所有される
混ざり合わない個体

持って帰れないのが悔しい、
また会いたいのに。

家に置いておきたい、
いつでも会えるように。

私の「もの」にする言葉は
私の傍に居てほしいことば

手を伸ばせばすぐに届く
私の目に常に触れ
撫でることができる

敢え

もっとみる
3rd drop  ・ 3滴目

3rd drop ・ 3滴目

When I woke up, No one was there

I can't do moreover only by myself
I need some help
But nolonger Ican't believe anything else
I'm sad that I can't lean on anything else
but I believe the power of W

もっとみる