記事一覧
ロックの冒険(外伝❸)
長い旅の後、ロックは懐かしい海へと帰ってきた。
ミラン、ブルース、スターリング、バートンとは途中でお別れした。
ロックは久しぶりに海を見た。
海にはテイリーの仲間のウミネコたちや他のカモメたちが待っていた。
「よう、ロック、元気に帰ってきたかー!」
ルコームが空を飛びながらロックに声をかけた。
ルコームはオオミズナギドリだ。
ほとんどを海で過ごすオオミズナギドリのルコームは、休む時も海の上で、カモ
ロックの冒険(外伝❷)
ロック、クロウ、テイリーたちは海に向かって飛んでいた。自分たちの故郷に帰るために。
ロックたちは喉が渇いた。水を飲むためにたくさんの水が溜めてある田園地帯へ降りた。
そこには見たことのない美しい2羽の鳥がエサをついばんでいた。
全員がうっとりと眺めていた。
イソシギのバートンが言った。「皆あの鳥を見たことないの?あれはセイタカシギだ。」
「セイタカシギ?確かに背が高いね。」テイリーが感心したように
ロックの冒険(外伝❶)
ロック、クロウ、テイリーたちは海に向かって飛んでいた。自分たちの故郷に帰るために。
「ねぇテイリー、少し休もうよ。君はウミネコで体が大きいから長く飛べるからいいけど、僕は大変なんだよ。
「分かった、ロック。すぐ近くに林があるから、あの近くで休憩しよう。」
テイリーを先頭に鳥たちは林に向かって降りていった。
林に着き、ロックたちは羽を休めた。今自分たちがどの辺りにいるのか、いつここを出発するかを語
ロックの冒険(最終回)
僕の名前は「ロック」。イソヒヨドリだよ。
森を目指してハシボソガラスのクロウと旅をすることにしたのさ。
「ギヤー!」という苦しそうな声を出して女王ミニベットが羽をばたつかせた。
ロックやミニベットの手下たちが一斉に女王の方を見た。
そこでは、ハシボソガラスのクロウがミニベットの首に噛みついていた。
「クロウ、何をする?お前は私を裏切るのか⁉︎」ミニベットが苦しそうな息で毒づいた。
「ミニベット、
ロックの冒険(27)
僕の名前は「ロック」。イソヒヨドリだよ。
森を目指してハシボソガラスのクロウと旅をすることにしたのさ。
翌日ロックとシュラーは森の奥、すなわち女王ミニベットがいる大きな木の場所へ、こっそりと向かっていった。
そこには今はミニベットが枝にとまっているだけだった。
「よし、まだアオゲラやイカルたちはいないな。」シュラーが言った。
ミニベットは枝で毛繕いをしていた。女王の名にふさわしく、紺色の美しい羽
ロックの冒険(26)
僕の名前は「ロック」。イソヒヨドリだよ。
森を目指してハシボソガラスのクロウと旅をすることにしたのさ。
以前ウミネコのテイリーが言ってたことをロックは思い出した。何か助けがいるときは、空に上がってテイリーの名前を呼べばいい。
ロックは周りを取り囲まれる前に1人で、できる限り上空まで飛んだ。ロックの羽がちぎれるくらいの羽ばたきで、ぐんぐんと大空へ昇っていった。そして叫んだ「テイリー、テイリー、助け
ロックの冒険(25)
僕の名前は「ロック」。イソヒヨドリだよ。
森を目指してハシボソガラスのクロウと旅をすることにしたのさ。
ムクドリのスターリングが以前言っていた。
もしミニベットの魔法を解く方法が分かったら、シジュウカラのティットを助けてほしいと。
モズのシュラーの仲間もミニベットの魔法で石にされている。
どうにかミニベットの魔法を解いて森を救わないといけない。シュラーにいたってはミ
ロックの冒険(24)
僕の名前は「ロック」。イソヒヨドリだよ。
森を目指してハシボソガラスのクロウと旅をすることにしたのさ。
ヤマガラの群れのバリドが、ロックとクロウとシュラーにだんだんと近づいてきた。3人は目をつぶったまま反撃の瞬間を待った。
「今だ!」シュラーが叫んだ。
3人は一斉に枝から飛び出し、周囲を囲んでいるヤマガラたちに噛みつきはじめた。
ロックが1羽のヤマガラと
ロックの冒険(23)
僕の名前は「ロック」。イソヒヨドリだよ。
森を目指してハシボソガラスのクロウと旅をすることにしたのさ。
グロスビーたちイカルとロック・クロウが争っている中に、一羽の鳥が飛んできた。
「シュラーだ!」ロックが叫んだ。
モズのシュラーが猛スピードでグロスビーたちに突進してきた。
「キーッ!」と叫びながら、シュラーがグロスビーに体当たりした。
グロスビーが体勢を崩して下に落ちていった。
「ロック、大丈
ロックの冒険(22)
僕の名前は「ロック」。イソヒヨドリだよ。
森を目指してハシボソガラスのクロウと旅をすることにしたのさ。
モズのシュラーは言った。「東の陣地を守っているのはミニベットの手下のグロスビー。イカルだ。大きな黄色いクチバシがあいつの武器だ。」
シュラーと別れてグロスビーのいる東の陣地の下までやってきた。
イカルのグロスビーは大きな目で周りを見渡しながら枝にとまっていた。
その木の下でロックとクロウは話
ロックの冒険(21)
僕の名前は「ロック」。イソヒヨドリだよ。
森を目指してハシボソガラスのクロウと旅をすることにしたのさ。
枝にとまっているオレンジ色の鳥がロックとクロウに気づいた。
ただこちらを見ているだけで、2人を襲ってくる様子はない。ロックは尋ねてみた。
「君はここで何をしているの?」
オレンジ色の鳥は答えた。「オレはここで食べ物が見当たらないか探してるだけだ。オレの名前はシュラー。モズだよ。」
今度はクロウ
ロックの冒険(20)
僕の名前は「ロック」。イソヒヨドリだよ。
森を目指してハシボソガラスのクロウと旅をすることにしたのさ。
「そこにいるのは誰だ!」
森の入り口に着いたロックとクロウは、そこで恐ろしい声を聞いた。
針葉樹の上の方からその声は聞こえてきた。ロックとクロウは思わず上を見上げた。
木の上から2人を見下ろす大きな鳥がいた。
「あいつはアオゲラだ」クロウが言った。
「クロウは知ってるの
ロックの冒険(19)
僕の名前は「ロック」。イソヒヨドリだよ。
森を目指してハシボソガラスのクロウと旅をすることにしたのさ。
大空を悠々と飛んでいるトビを見るたびにロックとクロウは、「あんな上空まで飛べたらきっと楽しいだろうな。」と思っていた。
そんな時、一羽のトビが近くまで降りてきた。
茶色い羽がとてもかっこよかった。
「ねぇ君の名前は?」ロックが聞いた。
「オレ?オレの名前はミラン。お前たちは?」
「僕はロックで
ロックの冒険(18)
僕の名前は「ロック」。イソヒヨドリだよ。
森を目指してハシボソガラスのクロウと旅をすることにしたのさ。
ロックはどうやったらナーシーに気に入られるか、そればっかり考えるようになった。
時々ロックは川で羽を濡らしてきては、丁寧に羽繕いをして自慢の青い翼をピカピカにした。
イソヒヨドリの鳴き声はそれはそれで美しいけど、キビタキの透き通るような鳴き声にはかなわない。
ロックは
ロックの冒険(17)
僕の名前は「ロック」。イソヒヨドリだよ。
森を目指してハシボソガラスのクロウと旅をすることにしたのさ。
だんだん森が近づいてきた。そんな時だった。ロックがナーシーに出会ったのは。
キビタキのメスのナーシーは、広葉樹が茂る木の根元で、ちょこっと座っていた。
つぶらな瞳と愛らしい表情にロックは一瞬で恋に落ちてしまった。
ロックが最初にナーシーにかけた言葉は、「ここにはエサはたくさんあるの?」だった。
ロックの冒険(16)
僕の名前は「ロック」。イソヒヨドリだよ。
森を目指してハシボソガラスのクロウと旅をすることにしたのさ。
「おいロック、怪しい天気になってきたぞ。」クロウが言うように、外は厚い灰色の雲に覆われ、風がだんだんと強くなってきた。
「クロウ、どこか雨宿りする場所が必要だね。近くに大きな木とかないかな?
2人はしばらく雨宿りができそうな木を探した。
少し移動した所に、偶然適当な木を見つけた。
「クロウ、見