渡邊新月

東京大学Q短歌会。短歌と能など 東京大学文学部推薦6期生 国文学専修課程B4

渡邊新月

東京大学Q短歌会。短歌と能など 東京大学文学部推薦6期生 国文学専修課程B4

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ポートフォリオ(随時更新)

2024/02/21 作成 短歌作品 「冬を越えて」50首 第64回角川短歌賞佳作 『短歌 11月号』(角川文化振興財団、2018) 「秋を過ぎる」50首 第2回笹井宏之賞野口あや子賞 『ねむらない樹 vol.4』(書肆侃侃房、2020) 「晩夏光」15首 第3回超然文学賞短歌部門 最優秀賞 『第3回 超然文学賞 受賞作品集』(金沢大学、2021) 「羊羹」3首 ネットプリント「Q短歌会新年度ネプリ2021」 「風の裔」12首『Q短歌会 機関誌第四号』(2021)

    • 記録(2024/3)

      書籍『原色 新日本文学史』秋山虔・三好行雄編 高校の参考書のようなレイアウトで、なんだか受験生に戻ったような感じのする本だが、内容は充実している。これを読んで勉強している。「はじめに」が格好いい。「過去の文学を現在の経験として存在させるということは、それらを現在に引きすえようとしても、そのことを拒否するそれぞれの固有性に目を開き、過去の文学と我々との間の距離を自覚し、両者を見直す往反運動を重ねることによって、過去から現在へと連なる血脈をさぐりあてるという作業なしに不可能なので

      • 記録(2024/2)

        書籍『論集藤原定家  和歌文学の世界』和歌文学会 『コレクション日本歌人選 藤原定家』『同 藤原俊成』『同 おもろさうし』 『新古今歌人の研究』久保田淳 先輩に教わり、新古今時代の和歌研究の基礎文献ということで一通り読む。確かにほとんど全て(?)書いてある。 『藤原定家研究』安田章生 時代を感じる研究書で、勉強になるのだが、ところで巻末に載っている作品鑑賞が、いかにも歌人らしい(歌会っぽい)読み方。けっこう好き。 『藤原定家全歌集 上』久保田淳校註・訳 定家で卒論を書

        • 記録(2024/1)

          書籍『うひ山ぶみ・鈴屋問答録』本居宣長 読み初め。『うひ山ぶみ』の一節「古風は白妙衣のごとく、後世風は、くれなゐ紫いろいろ染たる衣のごとし。白妙衣は、白たへにしてめでたきを、染衣も、その染色によりて、又とりどりにめでたし、然るを白妙めでたしとて、染たるをば、ひたぶるにわろしとすべきにあらず。ただその染たる色には、よきもあり、あしきもあれば、そのあしきをこそ棄つべきなれ。色よきをも、おしこめてすてんは、偏(ひとむき)ならずや。」p.57 「白妙衣」という言い方は「古風」を純粋視

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          記録(2023/11,12)

          書籍『校註琉球戯曲集』伊波普猷(『伊波普猷全集 第三巻』) 『授乳』村田沙耶香 『失楽園』上 渡辺淳一 『ジェンダー×小説ガイドブック』飯田祐子編 読書案内が充実。 『描く、観る、演じる アートの力 芸術療法はなぜ心にとどくのか』東大アートと精神療法研究会編 『絵本★百貨典』谷川俊太郎 『推し短歌入門』榊原紘 とても面白かった。来年中学生に短歌教室するので大いに参考にさせて頂きたいと思います。 『ここからはじめる短歌入門』坂井修一 『なぞの研究』鈴木棠三 「な

          記録(2023/11,12)

          記録(2023/10)

          書籍『遠い感』郡司和斗 刊行おめでとうございます。たくさん好きな歌ありますが、「おとうとの絵日記にいるわたくしは腕が四本関節はない」(「ニュースに母は」)。 『ねんてんさんの名句百選』坪内稔典 『江戸歌舞伎の怪談と化け物』横山泰子 『ドラえもん論 ラジカルな「弱さ」の思想』杉田俊介 『近松序説』広末保 『出世景清』『堀川波鼓』『心中天網島』論が面白かった。 「行爲も葛藤も書きえないような絕對的な状況からはじめねばならなかつた。それが世話悲劇の宿命でもあつた。なぜなら、

          記録(2023/10)

          記録(2023/9)

          書籍『ボヴァリー夫人』フローベール(芳川泰久訳) 『言語表現法講義』加藤典洋 先月の『新古今の惑星群』とは違った方向で、この本も自分にとって大切な一冊である。 新日本古典文学大系『謡曲百番』『梁塵秘抄 閑吟集 狂言歌謡』 『日本文化のかくれた形』加藤周一・木下順二・丸山真男著 武田清子編 『憂世と浮世 : 世阿弥から黙阿弥へ』河竹登志夫 『カズオ・イシグロの世界』小池昌代ほか 『特急二十世紀の夜と、いくつかの小さなブレークスルー』カズオ・イシグロ 『老いと踊り』

          記録(2023/9)

          記録(2023/8)

          書籍『津軽』『斜陽』太宰治 『コルシア書店の仲間たち』須賀敦子 『日の名残り』カズオ・イシグロ(土屋政雄訳) 最近読んだ小説では一番惹かれた。これは、前近代が近代にとどめを刺されるさまを描いた話ではあるまいか。 『犬のかたちをしているもの』高瀬隼子 『優雅で感傷的な日本野球』高橋源一郎 『新訳うたたね』『新訳十六夜日記』阿仏尼作、島内景二訳 『妾と愛人のフェミニズム』石島亜由美 『快樂』水原紫苑 『和泉式部日記』(川瀬一馬校註・訳、講談社文庫) 新日本古典文

          記録(2023/8)

          記録(2023/7)

          書籍『彼岸過迄』夏目漱石 しっとりしていていい。ただ後半の面白さはあまりわかっていない。前半の探偵小説振りとか、宵子が死ぬシーンばかり印象に残っている。 『万葉集の基礎知識』上野誠編 『対抗言論 3号』杉田俊介編 『ダライ・ラマ六世恋愛詩集』ダライ・ラマ六世 『新古今の惑星群』塚本邦雄 座右の書の1冊(ぜんぜんちゃんと読めていないが…)。 『式子内親王 永福門院』竹西寛子 『藤原定家』安東次男 『和泉式部』寺田透 『建礼門院右京大夫』中村真一郎 『学ぶことは

          記録(2023/7)

          記録(2023/6)

          書籍『哀愁の町に霧が降るのだ』上・下 椎名誠 名作。「六本木で夜だった」佳品。 『動物園巡礼』『戦争という見世物』『世の途中から隠されていること』『博士の肖像』木下直之 『能・狂言 謡の変遷』高桑いづみ 『21世紀日本文学ガイドブック3 平家物語』高木信編 『21世紀日本文学ガイドブック4 井原西鶴』中嶋隆編 『21世紀日本文学ガイドブック5 松尾芭蕉』佐藤勝明編 このシリーズ、最新の知見がまとまっている感じで勉強になるし面白いです。 『平家物語 無常を聴く』杉本

          記録(2023/5)

          書籍『奴隷と家畜』赤坂憲雄 谷川俊太郎の絵本。『オサム』『あけるな』『これはすいへいせん』『あな』『かないくん』『もりのくまとテディベア』『きらきら』『ねえ』『あなた』『ぴよぴよ』『これはおひさま』『せんそうとへいわ』『せんそうごっこ』 立川、PLAY! MUSEUMの「谷川俊太郎 絵本★百貨展」に行ったので。いい展覧会でした。 『ベンヤミン「複製技術時代の芸術作品」精読』多木浩二 『齟齬の誘惑』蓮実重彦 『学生と読む『三四郎』』石原千秋 『夏目漱石『三四郎』をどう

          記録(2023/4)

          書籍『崖にて』北山あさひ 『オールアラウンドユー』木下龍也 『心は胸のふくらみの中』菊竹胡乃美 歌集は新歓のときなどにQ短歌会の人に貸してもらって読みました。 『布団の中から蜂起せよ アナーカ・フェミニズムのための断章』高島鈴 教育学部の教育政治の授業で配布されて(!)読んだ。こんなふうに手に入れるとは…。能「蝉丸」に言及している箇所があってとても良かった(第3章「笑う浮浪者、あるいはルッキズムに抗うための破壊」)。 『日本近代小説史』『〈私〉をつくる 近代小説の試み

          記録(2023/4)

          記録(2023/3)

          書籍『占領の記憶 記憶の占領 戦後沖縄・日本とアメリカ』マイク・モラスキー 「占領」についての戦後沖縄文学/日本文学、女性作家/男性作家の作品の比較研究。刺激的、且つ勉強になった。大江健三郎「人間の羊」論が印象的。 『海をあげる』上間陽子 『大学生のストレスマネジメント 自助の力と援助の力』齋藤憲司・石垣琢麿・高野明 新学期が始まる前に読んでよかった一冊。 『アヤンダ』ヴェロニク・タジョ 『ひとつにならない 発達障害者がセックスについて語ること』横道誠 『日本文化P

          記録(2023/3)

          記録(2023/1,2)

          渡邊新月です。東京大学Q短歌会で短歌を詠んでいる大学生です。また観世流で能のお稽古をしています。 noteではひとまず読んだ本や見た舞台のことを書きます。半ば自分のメモ用ですが…。1月と2月の分です。全て順不同。 書籍『妄想古典教室 欲望で読み解く日本美術』木村朗子 『志度寺縁起絵 瀬戸内の寺を巡る愛と死と信仰と』太田昌子編 『走る女』馬場光子 『海人と天皇』上下 梅原猛 『日本ファザコン文学史』田中貴子 『姓と性 近代文学における名前とジェンダー』高田知波 『

          記録(2023/1,2)