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白永歩美の想いごと。

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アングラ俳優白永歩美のつれづれコラムもどき。
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記事一覧

鏡の国の少女とエロス

鏡の国の少女とエロス

鏡の中のケティ・モーリス。
夢から醒めないアリス。
家に帰らないドロシー。
私は貴方のドロレス・ヘイズ。

 少女性とエロスは表裏一体で、だからこそお互いを睨み合い毛嫌いし、どこまでも付き纏うのだと思います。   

 「私はこの二つを併せ持ち、融合させたい。」

 これまでよりいっそうこう思うのは、次回出演の一人芝居【ROLE】のお稽古が始まったからでしょう。八名の多様な日替わり出演者が同じ演目

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丑三つ刻のラヴレタア・私と貴方が心中する方法

 世の中まだまだ騒がしい昨今、こんなこと言うと誤解を招きそうですが、「安全な舞台など無い」です。誤解しないでくださる貴方、そう、そこの貴方は是が非でも最後まで読んでくださいましね。

 サテ何故かと言うと、私ははっきり言うのはお恥ずかしいですが死ぬ気でやっていますので、外界にどんなウイルスがあろうとなかろうと私が死ぬ可能性は変な話、いつも常に有るからです。
 なんならお客様と刺し違えてでも(賢明な

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人形≒ヒトガタ

人形≒ヒトガタ

 満月ですね。そして低気圧の真夜中です。それもあってか身体が重く、ぐったりと過ごしております。こういう時、自分は生きているのだなあと実感しますね。

 生きているというか、
 肉袋だ。
 血の詰まった肉袋。
 肉体ってそういう認識です。

 私はTwitterのプロフィール欄に「血の通った人形」と書いております。これは「ニンギョウ」と読んでいただいてもいいのですが、「ヒトガタ」とも読む意味合いが強

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作品無くしてもの言えず

 作品でしか喋れず、作品でしか動けず。
 という人は一定層いる。かくいう私もそのタイプだと自負している。最近は立場と場数でいわゆる世間話というものが多少出来るようになったが、もともとはかなり無口な方だ。というよりも、「私の話なんて聞いて面白いのか?」という雑念が常に邪魔をして上手く話せない。かといって相手の話に相槌を打つのも顔色を伺い過ぎて出来ない。
 しかし台詞ではどうだろう。他人が思いついた言

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不思議ちゃんよもう一度

 2020年現在、“変わったオンナノコ”を指す言葉を集めてみませう。「地雷女」……「メンヘラ」……「隠キャ」……「病みかわ」……嗚呼!なんと品性に欠ける名称!特に地雷女!私は世を儚むばかり。
 その昔流行した「不思議ちゃん」という言い方は、これらの意味も包括しながらもとてもロマンチックで可愛らしい響きを持っています。少女性を持ち合わせたファッションに言動、自分の世界に引き籠る繊細さ、周りにわかって

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大島弓子と精神世界「夏の夜の漠」

 今から十数年も前のこと。子役としていきなり年上の人々ばかりの世界に飛び込んだ私は、「小さいのにしっかりしているね」とよく言われた。しかしそれと同じくらい、「子どもらしくない、可愛げがない」とも言われてきた。これらは表裏一体だ。褒めるんだかけなすんだか、どちらかにしていただきたいものである。
 学校でも生意気だと毛嫌いされることもあれば、PTAのおばさまの井戸端会議に紛れて可愛がられたり、小児性愛

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「正しい政治」って無いのかもしれない

 表題のように思ったきっかけの一つは、最近政治に対する意見をSNSでかなり多く目にすることだろう。
 私は基本的に演劇人、広くは表現者が政治について物申すのは作品をもってしてやるのが最善だと思っているので、これはどの政治が良いとか悪いとか支持するとかしないという話ではない。

 けれど、正しい政治というものは実在しないのではないかとかなり前から思っている。

 というのも、発端は漫画『ベルサイユの

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続・モテ堕落論〜女子力を再考する〜

前回書いたモテ堕落論は、有難いことに周りの女の子達から好評をいただきました。

 ここで「女子力」という言葉について今一度考えてみましょう。
 巷でいう女子力、例えば「料理が上手」「気が利く」「手芸が得意」……なーんだ要するに「嫁力・母力」を求めているということですね。自分の良き妻そして良き母になるために都合のいい女をしばしば男性は「女子力高いね〜」などと言うのです。
 俺より早く寝てはいけない、

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モテ堕落論〜モテたければモテを捨てよ〜

 ひとつ前の記事で、「男の子にモテるかどうかなんて関係ないものね。少女人形は少女のためのもの、自分にモテればそれでいいのです。」と書きました。今回はそのことについて少し掘ってみようと思います。

 まずはこちらの画像をご覧ください。

 先日行われたイベントでの私です。
 紫のアイシャドウに紫のリップ(画像だとピンクに見えますが)、これに加えていつもの装備のぱっつん前髪に姫カット。悪い。男受けが、

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自己紹介代わりの散文-少女人形に寄せて-

 私は初潮を迎えて人形でいられなくなってしまった少女です。というか大抵の女の子はそうです。そこで血の通った人形として生きるか、女性(ニンゲン科のメス)として生きるかが分かれ目です。どちらが良いというものでもありません。子供の頃に「子供らしくない」と言われ過ぎて年齢の概念を捨てたのでたまたま私は前者なのです。

 不思議なもので、実年齢的に少女だった時よりも今の方が少女として生きている実感があります

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