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ツッコミどころは満載だけど - 神アプリ

スマホのアプリや付随するガジェット(ドローンや武器)を使って犯罪者や敵対組織と戦うデスゲーム系漫画。どこかで見た絵だと思ったら作者は怨み屋本舗の人だった。 漫画…

桜正月
16時間前
1

DasychiraのニューアルバムUndead

公開されて1時間後に開いたからか、なんとyoutubeでは一番乗りだった。再生数0。しかも全曲。 DasychiraことAdrian Hubertus自身のボーカルを大きくフィーチャーしている…

桜正月
20時間前

念願のどぜう鍋を名店で食す……

我々庶民にとってはどじょう料理というものは自ら行動を起こさなければ一生無縁なものではなかろうか?  ふだん縁のない三大珍味やバカ高いフランス料理などは、見栄を張…

桜正月
2日前

期待を裏切らない良質なコメディ - セブンティーン・アゲイン

むせかえるほどコテコテなアメリカンコメディ。 かつてのバスケットボールのスターが恋人の妊娠を機に夢を諦め、結婚……20年後、家族からハブられ、離婚寸前。仕事も上手…

桜正月
2日前

あさこ

現在と過去の話が行き来するノスタルジックな変態ショタ漫画かと思いきや、現代的なギミックとミステリを絡めてくる。 小学生を誘惑する20代半ばの女とくれば、例の荒野行…

桜正月
4日前
1

画面の向こうから観るものを試すギャスパーノエの中編 - ルクス・エテルナ永遠の光

もはやベティブルーの〜というよりは屋敷女の〜といった方が通りがよさそうなベアトリス・ダルと、セルジュ・ゲンズブールの娘であるシャルロット・ゲンズブールのダブル主…

桜正月
5日前
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イタコ芸人の息子が語る - 幸福の科学との訣別 私の父は大川隆法だった - 宏洋

新興宗教の教祖やその家族が欲にまみれた贅沢な生活をしているのはよくあることなのだろう。 この本もその手の生臭い話が頻繁にでてくる。親父のベストセラーのカラクリ、…

桜正月
6日前
1

ギャスパーノエ - アレックス STRAIGHT CUT

ギャスパー・ノエ監督の2002年の作品、アレックスの別バージョン。2019年作。 元々の映画は時系列を逆転した編集でなんともおぞましい鑑賞体験をさせてくれたが、今作は時…

桜正月
7日前
1

全員死刑~大牟田4人殺害事件「死刑囚」獄中手記~

いやはや、ちょっと例がないくらいお粗末でデタラメな事件。コスパ最悪、信念も計画も知性もなし。親子共々残念な頭の出来である。 親と兄から命令され、しょーもない理由…

桜正月
7日前
1

血みどろロシア映画 - とっととくたばれ

なんともやる気のないタイトルに脱力……が、作品としては良い具合に裏切られた。 まず、タランティーノにイギリス映画を混ぜたような空気感が独特。壁を破壊したり血が吹…

桜正月
8日前
3

マンハッタン少年日記 - ジム・キャロル

ディカプリオが主演した映画バスケットボールダイヤリーズの原作本。アッパーとダウナーを間違えてラリって試合に出たり、屋根の上で夜空を見ながら自慰行為に耽る話も出て…

桜正月
9日前
1

西瓜糖の日々 - リチャード・ブローティガン

なにやらニューエイジの香りがする場面設定と寓話風の展開は恣意的に書かれたものだろうか? 言葉を話す虎や魔法のような西瓜糖の存在は非現実的なファンタジー要素が強く…

桜正月
10日前

エクスタシー - アーヴィン・ウェルシュ

3つのケミカルロマンスからなる中編集。アメリカの某バンドはこの本からバンド名を拝借している。 1つ目は中年女性ロマンス作家の自立と男に対する復讐が描かれている。し…

桜正月
11日前

土竜の唄

すけべな警官がヤクザの親分をあげるために組へ潜入捜査をする話。実質、主人公補正とご都合主義だけで展開していく。絵のクセが強く、残酷描写と下ネタも満載なので人を選…

桜正月
12日前

シグルイ作者による鎧バトル - エクゾスカル零 - 山口貴由

ディストピアのSFに鎧物(聖闘士星矢みたいな)を足したバトル漫画。 あいさつ代わりの軽い戦闘を終えた後に、いきなり最終ボス戦のような濃密な戦いが始まる見せ方は見…

桜正月
13日前

スマート・アス

欧州で一番のビジネススクールの一年生と二年生がモテ理論なるものをでっちあげ売春を斡旋をする集まりを作るが……というのが話の骨子。 アメリカによくあるジョックVSギ…

桜正月
2週間前
ツッコミどころは満載だけど - 神アプリ

ツッコミどころは満載だけど - 神アプリ

スマホのアプリや付随するガジェット(ドローンや武器)を使って犯罪者や敵対組織と戦うデスゲーム系漫画。どこかで見た絵だと思ったら作者は怨み屋本舗の人だった。

漫画家志望だけどゲームばっかりやってるウンチク大好きな主人公の元に突然スマホが送られてきて……という導入。

バトルシーンに迫力がないのと主人公とその仲間に魅力を感じないのは絵柄に起因するのだと思う。たとえば、テラフォーマーズの作画の人が描い

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DasychiraのニューアルバムUndead

公開されて1時間後に開いたからか、なんとyoutubeでは一番乗りだった。再生数0。しかも全曲。

DasychiraことAdrian Hubertus自身のボーカルを大きくフィーチャーしているのが前作と異なっているところ。

インスト中心だった実験系のアーティスト本人がボーカルを取り出す流れはここ10年ばかりすっかり定着してる。おそらくはライブを想定してるのと、自分の声を加えることによってシグネ

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念願のどぜう鍋を名店で食す……

念願のどぜう鍋を名店で食す……

我々庶民にとってはどじょう料理というものは自ら行動を起こさなければ一生無縁なものではなかろうか? 

ふだん縁のない三大珍味やバカ高いフランス料理などは、見栄を張った痴れ者や、これくらいはやらにゃと奮発するお調子者のおかげで結婚式でお膳立てされることも多々ある。そう、たまに食べられる印象があるのだ。

そんなわけで、私は先週某有名店へ行ってどぜう鍋を食すことにした。連れは味覚が鈍いくせに口が奢った

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期待を裏切らない良質なコメディ - セブンティーン・アゲイン

期待を裏切らない良質なコメディ - セブンティーン・アゲイン

むせかえるほどコテコテなアメリカンコメディ。

かつてのバスケットボールのスターが恋人の妊娠を機に夢を諦め、結婚……20年後、家族からハブられ、離婚寸前。仕事も上手くいかず、金持ちだが変態の友達の家に寄生するなどどん詰まり。ある日突然17歳に若返った主人公は……という手垢まみれの筋書き。

娘から好かれたり、思い出の曲を知っていて母親から不思議がられたり、生意気な同級生と喧嘩したり、ホームパーティ

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あさこ

あさこ

現在と過去の話が行き来するノスタルジックな変態ショタ漫画かと思いきや、現代的なギミックとミステリを絡めてくる。

小学生を誘惑する20代半ばの女とくれば、例の荒野行動の事件を思い出してしまう。現実には非難される展開であっても、これはただのフィクションなので文句を言う方が無粋というもの。

初恋と自分探しに重いテーマがのっかかってくるけど、ラストの大円団は満足する人が多いのでは。

画面の向こうから観るものを試すギャスパーノエの中編 - ルクス・エテルナ永遠の光

もはやベティブルーの〜というよりは屋敷女の〜といった方が通りがよさそうなベアトリス・ダルと、セルジュ・ゲンズブールの娘であるシャルロット・ゲンズブールのダブル主役。

ベアトリス・ダルが本人役で魔女狩り映画の監督をやるがスポンサーや撮影監督には降ろされかけ、シャルロットもまたトラブルを抱えながら撮影に臨む。現場には映画に関係ない連中が出入りしたり、出演者の無駄話と愚痴が繰り広げられどんどんカオスな

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イタコ芸人の息子が語る - 幸福の科学との訣別 私の父は大川隆法だった - 宏洋

新興宗教の教祖やその家族が欲にまみれた贅沢な生活をしているのはよくあることなのだろう。

この本もその手の生臭い話が頻繁にでてくる。親父のベストセラーのカラクリ、幸福実現党の実態、二世信者の女優の話、総裁と副総裁の離婚話などなど極めてワイドショー的。

作者というか語り手(インタビューを書き起こしたものらしい)は現在俳優とYouTuberをやってるそう。ネームバリューを生かすだけじゃなくて普通に働

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ギャスパーノエ - アレックス STRAIGHT CUT

ギャスパーノエ - アレックス STRAIGHT CUT

ギャスパー・ノエ監督の2002年の作品、アレックスの別バージョン。2019年作。

元々の映画は時系列を逆転した編集でなんともおぞましい鑑賞体験をさせてくれたが、今作は時間の経過を元通りにしたバージョン。よってラストの皮肉と悪意と美しさは綺麗に消し飛んでいる。

アレックスは元彼と今彼の三人でクラブへ遊びに行くが、ドラッグでぶっ飛んだ今彼に愛想をつかし、クラブから出る。地下道で痴話喧嘩風の男女に声

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全員死刑~大牟田4人殺害事件「死刑囚」獄中手記~

いやはや、ちょっと例がないくらいお粗末でデタラメな事件。コスパ最悪、信念も計画も知性もなし。親子共々残念な頭の出来である。

親と兄から命令され、しょーもない理由で知人四人を惨殺した次男は、己のタフガイぶりを嘯いてばかりで結局は親と兄にいいように使われているだけの間抜けな殺人ピエロ。サイコパスかソシオかわからないが、親思いというキャラで相当な図太い神経をしているとは思うけどあまりにも馬鹿すぎた。凶

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血みどろロシア映画 - とっととくたばれ

血みどろロシア映画 - とっととくたばれ

なんともやる気のないタイトルに脱力……が、作品としては良い具合に裏切られた。

まず、タランティーノにイギリス映画を混ぜたような空気感が独特。壁を破壊したり血が吹き出したりの過剰な演出にはアメリカ映画のバカバカしさが、わざと狙ってやってる抜けた音楽のセンスはシュール。

作中の8割くらいは2LDKのアパート室内で話が進行する密室劇のため低予算映画なのだろうけど、本当によくできている。

主要人物の

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マンハッタン少年日記 - ジム・キャロル

ディカプリオが主演した映画バスケットボールダイヤリーズの原作本。アッパーとダウナーを間違えてラリって試合に出たり、屋根の上で夜空を見ながら自慰行為に耽る話も出てくる。軽妙な語り口はライ麦畑のろくでなし版という雰囲気。

作中の経過時間はかなり早く、思春期真っ只中の13歳から17歳までを一気に駆け抜けていく。久しぶりに再読したがやっぱ面白かった。続編もあるけど、こちらはあんまり面白くなかった印象。

西瓜糖の日々 - リチャード・ブローティガン

なにやらニューエイジの香りがする場面設定と寓話風の展開は恣意的に書かれたものだろうか? 言葉を話す虎や魔法のような西瓜糖の存在は非現実的なファンタジー要素が強く、大人の童話風。文章は短く区切られておりこの上なく読みやすい。ほとんど面白いと感じていないのにずっと読み続けられるのは奇跡的。

エクスタシー - アーヴィン・ウェルシュ

3つのケミカルロマンスからなる中編集。アメリカの某バンドはこの本からバンド名を拝借している。

1つ目は中年女性ロマンス作家の自立と男に対する復讐が描かれている。しかし、作中のロマンス小説がとんでもなくつまらないのが残念。

2つ目はフーリガンと薬害事件被害者のロマンス。これを最初に持ってきていた方が良かったと思う。スローモーションで訪れるラストの光景が切ない。なお、16歳の頃のマーク・レントンが

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土竜の唄

すけべな警官がヤクザの親分をあげるために組へ潜入捜査をする話。実質、主人公補正とご都合主義だけで展開していく。絵のクセが強く、残酷描写と下ネタも満載なので人を選ぶ漫画かもしれない。

だいたいピンチの連続なのでネゴシエーターの勇牛よろしく様々な傷を負い拷問を食らうが、異次元の回復力を発揮することも多々あってそこは緊張感の低下になっている。

男塾や刃牙みたいにノリと勢いを重視する人なら好きだろうけ

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シグルイ作者による鎧バトル - エクゾスカル零 - 山口貴由

ディストピアのSFに鎧物(聖闘士星矢みたいな)を足したバトル漫画。

あいさつ代わりの軽い戦闘を終えた後に、いきなり最終ボス戦のような濃密な戦いが始まる見せ方は見事。古色蒼然とした命名と言葉遣いには旧日本軍風のものを、聖書やダンテの著作から受けたであろうインスピレーションからは西洋風の神話体系を感じさせる。そして、この作家特有のフェチズムとゲイ臭は今作も満開であり、裸と筋肉の描き込みにはただならぬ

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スマート・アス

スマート・アス

欧州で一番のビジネススクールの一年生と二年生がモテ理論なるものをでっちあげ売春を斡旋をする集まりを作るが……というのが話の骨子。

アメリカによくあるジョックVSギークのセックスコメディかと思いきや、さすがおフランス、陰気で中途半端な青春ドラマである。

アメリカ産はわかりやすい低脳を配置してカラッとした笑いを提供してくれるのだけど、この作品はお上品な内省ムードが消え去ることはなく、スルスルと首を

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