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争って勝つことはスマートじゃない

争って勝つことはスマートじゃない

中国の兵法書、孫子はとても面白い本です。

もともと兵法書は、戦争に勝つための教科書です。ところが孫子では、「戦争はやらないほうがよいよ」という言葉が、何度も繰り返し語られます。

そもそも書の冒頭から、「戦争すると死んだり国がなくなっちゃうかもしれないし、お金もすごいかかるから、気軽にやっちゃだめだよ」ではじまりまるほど。だいぶ異端の兵法書なんです。

さらに言えば、孫子では勝利すら否定します。

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サービスは荒野に旗を立てるがごとく

サービスは荒野に旗を立てるがごとく

サービスを生み出し、集客し、成長させていくとき、皆さんはどんなことをから考えますか?

自分は、一番最初に「荒野に旗を立てる絵」をイメージします。そういうメタファーを起点に考え始める。

まず、何もない荒野に一本の旗を立てる。その旗にどんな紋章を描くのか、聖句を刻むのか、そんなところからはじめます。そして、以下のようなイメージでサービスの道筋を考えます。

1. 荒野がある最初の状態。まだ何も存

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スケールしないビジネスの価値~小商いのはじめかた

スケールしないビジネスの価値~小商いのはじめかた

以前いたIT業界では、「スケールする」みたいな変な言葉がよく囁かれていた。「そのビジネスはスケールするのか?」とか、「スケールできるビジネスじゃないと意味ない」とか。スケールするとは、要はものすごいスピードで規模を拡大できる可能性があり、また、その規模の拡大に柔軟に対応していけるようなビジネスの仕組みであることを意味している。

そしてこの業界では、スケールできるビジネスが至高とされる風潮がすごく

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アイデアの検証に会社や資金は要らない

アイデアの検証に会社や資金は要らない

いま起業アイデアがあり、推し進めるべきか悩んでいたり、その検証のために器となる会社の設立やランニングコストを埋めるための資金調達がまず必要なんじゃないか、と思っている方へ。私は反対です。

VCやエンジェルなどの投資家に会ったり、会社を設立することは実はいつでもできるので、まずはユーザーに向き合いインサイトを得て、仮説を立て、最小限のコストで事業アイデアの検証をすることです。このサイクルをひと回し

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起業家が疑うべき14の「常識的アドバイス」

起業家が疑うべき14の「常識的アドバイス」

10代で実際に起業するまでは「起業したい」と言うだけでいちいち否定されたり「むずかしいよ」と言われたり、さまざまなアドバイスをもらいましたが、その多くは(たいへん失礼かもしれませんが)今となっては「余計なお世話」と思えるものばかりでした。

それらのアドバイスは私のことを思った「善意のアドバイス」だから余計にやっかいなのですが、「人のアドバイスは素直に聞け」と言われてきた私は、それでも納得がいかず

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無駄なお金を使わない起業の大切さ  〜成功確率に大きな差

無駄なお金を使わない起業の大切さ  〜成功確率に大きな差

 多くの起業を見てると、立ち上げ方やスタイルも千差万別だ。早期の段階から大きな資金を調達して一気に攻めていくタイプ。あるいは、最初は極力小さく初めて徐々に軌道に乗せていくタイプ... しかし、いずれの道をとるにしても、とにかく無駄なコストをかけないというのは、会社の死亡確率を減らすための極めて重要なキーになる。

 勘違いしてしまいがちなのは、イケてるスタートアップが潤沢に様々な投資をしているの

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起業の芽を摘む言葉に負けるな 〜 「そのモデル、前からとっくにあるよ?(ドヤァ)」

起業の芽を摘む言葉に負けるな 〜 「そのモデル、前からとっくにあるよ?(ドヤァ)」

 事業立ち上げのとき、良い助言者に恵まれた起業家は幸いだ。しかし一方、「ありがたくない」助言者も残念ながら一定存在する。彼らは、別に意図的にネガティブなアドバイスを与えようと思ってるわけではない。むしろ善意の気持ちからなのであろう。

 しかし実際、起業家に対してあまり適切とはいえない助言によって、途中で芽を摘まれてしまった起業プランはこれまで多数に登るはず。本当にもったいない。より多くのアントレ

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