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BCGが読む経営の論点2024⑦:「イノベーションの5つのモデル」とは?

読書ノート(157日目)
昨日に引き続き、今日も
こちらの本を紹介していきます。

もはや毎年恒例とも言える
「BCGの経営の論点」シリーズ
2024年版の注目テーマ(目次)は
以下の通りです。

・2024年に注目すべき大きな潮目の変化
第1章 エネルギーシフト:日本企業は”賢い需要家”を目指せ
第2章 生成AI:日本の”勝ち筋”と導入の5つのポイント
第3章 サーキュラーエコノミー:気候変動の次は生物多様性が問われる
第4章 経済安全保障とサプライチェーン:
 リスクの見える化で意思決定の仕組みづくりを

・競争優位を築くために必要な組織の能力
第5章 事業開発力:新たな成長に向けM&Aをどう活用するか
第6章 イノベーション:進化する手法と日本企業復活へのポイント
第7章 プライシング:インフレ時代の「値付け」戦略
第8章 人材戦略:「人事」を越えた経営課題へ発想の転換を

そして本日も
本書の後半のテーマ
競争優位を築くための組織の能力から
第6章 イノベーション
についてです。

第6章:イノベーション
 進化する手法と日本企業復活へのポイント


・現代において革新と見なされる企業の特徴から、変化・複合化する
 イノベーションの成功要件を分析し、日本企業がイノベーションを
 競争戦略の中心へと取り込むうえでの要諦を考察する

・BCGで類型化した、現在の主流の5つのイノベーションモデル
・これら5つの類型は時代を超えた普遍性があり、
 イノベーションを社会に広げ付加価値を大きく創出する
・しかし、状況により上手く機能するモデルは移り変わっており、
 その手法も常に進化している

①「クリエーター」
 これまで発見・実現しなかったものを創出し高い価値を提供して
 大きな利益を得て、さらに新しいことに投資し、サイクルを回すモデル
 (例:アップル、任天堂の製品・サービスなど)
②「ソリューション・ビルダー」
 顧客が抱えるまだ満たされていない潜在的ニーズを深く理解し、
 その課題解決策を新たな価値として提供する仕組みを体系的に持つ。
 いち早くニーズに応えることでイノベーションを先導し利益も生み出す
 (例:P&Gなど)
③「エクスパンダ―」
 顧客基盤が大きく強固で、利益創出の源を持っていることが特徴。
 買収した会社の価値を向上させる能力もあり、
 新しい価値を世界に広げていくモデル
 (例:Google、Amazon、マイクロソフト、NTTドコモなど)
④「ファスト・フォロワー」
 先駆者の動きを観察し、素早く効率的に模倣することが得意な企業
 (例:Zalando、Reckitt、Benckiserなど)
⑤「レバレジャー」
 簡単に模倣できないビジネスモデルを構築し、
 その対象範囲やエリアを拡大することでイノベーションを拡げる
 (例:ZARA(インディテックス)、INGなど)

・革新的な企業の特徴
・特徴①:イノベーションの領域を拡大させている
・イノベーションは、自社の中核領域を延長するイノベーション、
 自社にとっての新領域に踏み込むイノベーション、
 全く新しい世界初の領域の市場を創出するイノベーションの
 3つに大きく分けられる
・全産業で見ると、中核事業の延長のイノベーションへの投資が最も多い
・一方、BCGで「イノベーションの準備ができている企業」(※)
 と定義された企業群では、それぞれ1/3と、バランスよく投資している
 (※)BCG innovation to impact:イノベーションに不可欠な
    10の要素を評価するBCGのベンチマーキングツール

・特徴②:M&Aの力を活用している
・「イノベーションの準備ができている企業」では
 「M&Aのターゲット選定と実態調査(デューデリジェンス)に
 イノベーションの専門家を関与させる」と回答した企業の割合は
 全産業の3倍以上
・例として、米マクドナルドは2019年に音声ベースの会話技術を開発する
 米アプレンテと、パーソナライゼーションを得意とするイスラエルの
 ダイナミック・イールドのスタートアップ2社を買収
・ドライブスルーの注文時間を30秒短縮し、AIを活用した
 予測・推奨アルゴリズムで顧客が購入したくなる可能性の高い商品を
 デジタルメニューで目立つように表示している

・特徴③:テクノロジーを活用する組織能力を確立させている
・AIに投資する企業のうち、実際のビジネスインパクトに
 つなげられている企業は45%程度
・これらの企業は1年間あたりで他の企業の5倍以上のアイデアを生み出し、
 2倍以上のMVPを開発していた
・AIを導入することでより多くのアイデアを生み出すことができ、
 アイデアが多いほどAIの最適なユースケースを見つける可能性が高まる
・AI活用の1つのアプローチとしてジェネレーティブデザインがある
・最適解を導くのに膨大な情報処理を要する問いを解くために、
 機械学習、AI、クラウドコンピューティングなどを組み合わせた
 アプローチで、幅広い産業でイノベーションに活用されている

・特徴④:HRの仕組みを整備する
・イノベーションを支えるHRの仕組みとして、イノベーションの領域や
 戦略に合わせた人材マップを作成、それに沿って内部人材の活用や育成、
 外部人材の採用に関する戦略方針を明確にしている

・特徴⑤:イノベーションを生み出し、拡大させるための文化を持っている
・BCGの分析では。リスクを受け入れ、協働を促進し、チームに自律性を
 与えるといった文化を持つ企業はイノベーションに優れた企業になる
 可能性が60%高いことが分かっている
・強固なイノベーション文化を築いている企業はいずれも、自社の
 イノベーションの成功に不可欠な行動規範を企業の仕組みとして
 埋め込み、日常の業務オペレーションにその行動を取り込んでいる
・例としてユニリーバは、「社内のR&D部門だけに頼らない、
 外部の力の積極的な活用」の文化に対し、仕組みを構築し実現している
・同社はホーム&パーソナル部門の研究開発センターを英リバプール大学内
 に拠点を設立し、新たな技術や専門知識を補強している。
 さらに、2年以内にユニリーバが研究成果を使用しない場合は、
 知的財産権の権利をプロジェクトのパートナーに譲渡できるようにした。
・これはチームが外向きの文化に移行するのを助けると同時に、
 パートナーにとってもユニリーバとの提携を魅力的なものにしている

・環境が複雑化する中、イノベーションを企業の成長に繋げていくためには
 イノベーションを目指す領域とイノベーションモデルを定めて、
 かつ、その実現に効果的な手法にリソースを集中させ、
 メリハリをつけた組織能力を培っていく必要がある
・「脱平均化」でメリハリをつけながら創造性を発揮するための
 自由度と規律のバランスをとっていけば、
 日本企業のイノベーションは大きく変わるはずである

今回のテーマは
イノベーションでした。

イノベーションには
5つのモデルがあるとのことですが、
ふと自社の場合を当てはめてみると、
どのモデルで今後の成長を
目指しているのだろうか?
という素朴な疑問でした。

社内でも頻繁に耳にするのは
生体認証技術や
独自のChatGPTのようなLLM
などの技術研究成果が多いため、
その意味では、
「クリエーター」
「ファストフォロワー」型ですが、

技術研究職ではない
自分の仕事に置き換えると、
社内のDXを推進するという立場なので
「ソリューション・ビルダー」
なのかなと思いました。

②「ソリューション・ビルダー」
顧客が抱えるまだ満たされていない潜在的ニーズを深く理解し、 
その課題解決策を新たな価値として提供する仕組みを体系的に持つ。
いち早くニーズに応えることでイノベーションを先導し利益も生み出す (例:P&Gなど)

そのために必要なのは、
「顧客の潜在的ニーズの理解」と、
その課題をどうやってチームの持つ
リソースを活用して解決するかの設計
なのかなと感じました。

今のチームが持っているリソースは
主には、データの可視化と分析力、
生成AIの実務適用経験の多さが
主な強みだとしたら、それらをどうやって
顧客の(できれば潜在的な)課題解決に
繋げられるか。
そのデザインの仕方に腕の見せ所がありそうです。

ということで今日はこの辺で!
それではまたー!😉✨

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