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自選短歌集

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一日一首で詠んできた短歌を、テーマに沿って並べ替えてみる。毎日更新が多いと感じる方は、こちらをフォローしておくと、忘れた頃にぽろっと、タイムラインに流れてきます。
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記事一覧

暮れの元気なご挨拶’s

もうそろそろ言っとかないと忘れそう
今年もありがと
よいお年をね

ーーーSNSで繋がってると、
なんとなく言いそびれそうな。
結局3回ぐらい言ってそうな。

言って損にはならないので、
いま、伝えておきますね。

ちなみに我が家の年越しは、
うどんかラーメンです。



浴室の窓越しに聞く「火の用心」
今年も無事に年越せそうです

ーーーちょうど子供の頃のおふろ時でしたよね。
ノスタルジックな

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一週間のうた

一週間のうた

Mon.
缶ポタの粒をきれいに飲み干せて
幸先の良さにアガる月曜

Tue.
気づいたら水曜がもうそこにいる
終わらないでよ火曜の夜よ

Wed.
週末にさして帰った置き傘を
カバンに忍ばせ続けて水曜

Thu.
スニーカーの中に小さな石ころが
取り残されてるような木曜

Fri.
熟れてきた柿を刻んだパウンドが
しっとり焼けて明日は土曜日

Sat.
4人掛けボックス席でのびのびと
土日勤務のさ

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いつかの海で

いつかの海で

砂浜に降り立って海と目線合わせ
波音を身体全体で聴く



砂浜にジュワッと染みるように波が
吾の細胞の隅々まで染む



波に揉まれ砂に磨かれ丸くなり
どこをどんなに旅してきたの



ポケットにたっぷりの砂とシーグラス
波音まるごと連れ帰りたい



新田と呼ばれる土地を見下ろして
かつての海のさざめきを聞く



この土地もかつては海の底だった
箕島と呼ばれ早沖と呼ばれ



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季節は巡る(自選短歌)

季節は巡る(自選短歌)

一度着たあったかインナー脱ぎ捨てて
春どまんなかへ駆け出していけ



我が家でも開花宣言いたします
ユスラウメの下おやつをつまむ



あれっまだ寒くなるんだ?ダウンとか片付けちゃったよ
春よこいこい



箱ティッシュ2個を鞄に詰め込んで
いざゆけ誇りたかきカフナー



今日寒い?と思っていたら
Vネックのあったかインナー前後逆だった
(首筋ガードし隊)



ばあばの春一年生を送

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ポンコツでも生きてます(自選短歌集)

なんの役にたつわけでもないけど、有料にしました。けっこう恥さらしてるつもりです。
あるあるなのか正真正銘のポンコツなのか。

週刊誌の袋とじでも読むように、コッソリ読んでください。なお年齢指定はございません。

なにこの人ウケる〜!って笑い飛ばしてもらえると、ここにはとても書ききれない私の黒歴史たちも一緒に成仏できるでしょう。
もうキレイさっぱり忘れちまいたいぜ。

実は、過去記事ずーっとたどれば

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銀河鉄道を読む(自選短歌と感想文)@キナリ読書フェス2020

銀河鉄道を読む(自選短歌と感想文)@キナリ読書フェス2020

早朝のローカル鉄道に揺られて読んでる銀河鉄道の夜



ジョバンニは無数の星を選り分ける深くて遠い流れの底から



文字だけで読んでいたから金剛石はダイヤではなく金塊だった



電子書籍50%まで読んで紙の厚みを想像してみる



おぼろげに結末を知る指先がページをめくることをためらう



あの頃の私よ、書くのは書評ではなくて感想文だ楽しめ!



ちゃんとした言葉にならなくても

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(自選短歌)ひとりでいたいけど、ひとりで生きていけるほど人生は短くない

(自選短歌)ひとりでいたいけど、ひとりで生きていけるほど人生は短くない

集団の中でひとりになることがよくありますがこれ強みですか?



返信の有無・速さ・濃さと相手への愛の深さが比例しない族



あの人のここが嫌だ!と言えなくて私を嫌いになるしかなかった



言い訳に言い訳を重ねたくなっていやそうじゃなくてあぁもう黙るよ



悲しいが人には人の価値観がある。

世界はそれを理不尽と言う?



私を恨んで気が晴れるならいくらでも恨んでいいよ楽になるな

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繰り返す日々(自選短歌)

繰り返す日々(自選短歌)

通勤電車日の当たる側に立っている

ミーアキャットのように立っている



背もたれをばたんばたんと裏返し

折り返す列車

繰り返す日々



エレベーター五階まで行く十数秒

あんがい話がはずむもんだね



愛用のタバコ・シャンプー

右肘のアザも知ってる

名は知らぬ人



冷や飯のひしゃげた三角おにぎりがうまい

今日もよく働きました



西日差す座席でうつらと舟を漕ぐ

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夏の終わりに思う(自選短歌)

夏の終わりに思う(自選短歌)

自転車を止めたら汗が噴き出して

もう一度走り出したくなる朝



紙パック絞りとるように呑み干して

さらに200ミリリットルの汗



率直に思ったことを書けばいい?

夏の日記は「暑い」「暑い」「暑い」



さとうきび畑に馴染みはないけれど

稲揺らす風見ると思い出す



「じいちゃんは飛行機作っていたんだよ」

安易に責めて終わりにもできず



仏壇の小菊の水を入れ替えた

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Life is delicious, (自選短歌)

カレーライス火山のように盛り上げて山肌にひかるジャガイモごろり



結露した引き戸開ければ大釜の麺茹で上がる「かけうどん大!」



枝豆はコリコリっとした食感を楽しむものと知ったあの夜



チリチリと焦げ目のレースで縁取って私好みの目玉焼き作る



そのままでおいしい胡桃に付加価値をつけて焼き上げ明日のおやつに



ザクザクのビスコッティをひたひたとコーヒーに浸けてゴリゴリかじ

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2020年春(自選歌集)

2020年春(自選歌集)

自選歌集、第3弾。

正直、例のあの3文字に関する話題は
もうお腹いっぱいなのだけど。

この時代を生きた記録として。
今後似たような壁にぶつかった時のために。
できればこれ以上、このテーマについて詠むことがなくなることを願って、、

ーーーーーーー

衛生面を考慮しセルフサービスはスタッフが直接サービスします



雲の向こうにも朝日は昇るはなむけの言葉をみんな贈りたいんだよ



コロナな

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短歌を詠む(自選十二首)

短歌を詠む(自選十二首)

日課の短歌が溜まってきたので、

時々こうやってまとめてみようと思います。

ーーーーーーー

ブランクの恐ろしさを前に立ちすくむどこから書こう何から書こう



つかみどころのない気持ち以前の存在に五七五七七と形与えて



五七? 七五? 三四、いや五二? 五五二で五七?

パズルのピースよピタリとはまれ



窮屈な箱にむりやり詰め込んでいびつになっても定形がいい



書くことがな

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「のはらうた」への返歌(自選歌集)

「のはらうた」への返歌(自選歌集)

鼻風邪のノラネコの頬をくすぐればくしゃみひとつする霜月の午後



南天の実を揺さぶって北風よ吹きゆけ一目散に春まで



ウチらにはニャンニャンニャン(2月22日)もニャンサン(23日)もおニャじいちにち 爪をとぐニャり



白菜を割ればつぼみが顔を出し春の香りがしてくるような



寒桜の枝から枝へ飛び回るあなたはメジロ?それともウグイス?



線路脇の菜の花揺らし汽車はゆく私の

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