記事一覧
正義の行方(2024)
1992年に福岡県飯塚市で2人の女児が殺害された「飯塚事件」。状況証拠の積み重ねとDNA型鑑定などで犯人とされた久間三千年被告は、2006年に最高裁で死刑が確定、2008年に福岡拘置所で刑死した。
しかし、後にこの初期のDNA鑑定の精度に疑問が呈されたことで、被告が真犯人である証拠は揺らぐ。
何よりも悲しいのは、登校中の小学生一年生女児ふたりが殺されたこと。それは、許し難い。その犯人を捕らえよ
インシディアス 赤い扉(2023)
「ソウ」第1作のコンビ、ジェームズ・ワンとリー・ワネルが再びタッグを組んで送り出した「インシディアス」シリーズ。
このシリーズは過去4作が時系列的にバラバラの順で作られており(正確には、整合性をとりながら後付けで1作目の前後の話を作っていったのだと思うが)、時系列で並べると、4作目→3作目→1作目→2作目となる。
そして、2023年夏にアメリカで公開された第5作「インシディアス 赤い扉」は、こ
異人たち(2023)
山田太一さんの小説「異人たちとの夏」を、アンドリュー・ヘイ監督が映画化した「異人たち」を観た。予告編も何も見ずに映画に対峙し、登場人物の設定にやや驚き、とてつもなく寂しくて悲しい内容に打ちのめされた。いやぁ… ビックリしたなぁ!
夜になると人の気配が遠のくロンドンのタワーマンションに一人暮らす脚本家アダムは、同じマンションに暮らすもうひとりの住人・ハリーの深夜の訪問を機に、ありふれた日常が変化し
リンダはチキンがたべたい!(2023)
キアラ・マルタ&セバスチャン・ローデンバックが監督・脚本を手がけたフランスのアニメーション映画「リンダはチキンがたべたい!」を観た。アヌシー国際アニメーション映画祭2023の長編アニメーション部門クリスタル賞受賞作品。
筆で描いたような描線とキャラクターごとに単色で塗られている独特の色彩表現がポップで、それぞれのキャラクターが賑やかに動くのと相まってとにかくカラフルで楽しい画が躍動する。それだけ
インフィニティ・プール(2023)
ブランドン・クローネンバーグ監督の長編3作目となる「インフィニティ・プール」を観た。
孤島の高級リゾートを訪れたスランプ中の作家ジェームズは、裕福な資産家の娘である妻のエムとともに、ここでバカンスを楽しみながら新たな作品のインスピレーションを得ようと考えていた。
ある日、彼の小説の大ファンだという女性ガビに話しかけられたジェームズは、彼女とその夫に誘われ一緒に食事をすることに。意気投合した彼ら
アイアンクロー(2023)
ショーン・ダーキン監督の「アイアンクロー」を観た。
僕は(「タイガーマスク」以外)プロレスにはほぼ無頓着に生きてきたので、"鉄の爪=アイアンクロー"が得意技だったアメリカプロレスラーの存在は知っていても、この映画のベースとなった実話、アイアンクローの主フリッツ・フォン・エリックの家族が次々と悲劇に見舞われ「呪われた一家」と呼ばれるようになるエピソードは知らなかった。
それくらいプロレスやフリッ
胸騒ぎのシチリア(2015)
ルカ・グァダニーノ監督「胸騒ぎのシチリア」を見た。劇場公開時に見逃していた2015年の作品。なんでも、1969年の映画「太陽が知っている」のリメイクらしい。
物語の舞台となるのは、ユネスコの世界遺産に登録されているパンテッレリーア島。この島の風景がとにかく素晴らしい。広大かつ美しい風景の中で、人はちっぽけに見えるが、そんなちっぽけな人間の中にある感情の揺れはとても大きい。
ロック・スターのマリ
Netflixドラマ「三体」
Netflixドラマ「三体」シーズン1、全8話を見た。
原作が面白いと話題で、すぐに買って読み始めたものの、設定の複雑さと登場人物の名前の判別についていけず、2巻のアタマまでしか読んでなかったんだけど、このドラマ版は舞台をイギリスに移して物語をわかりやすく整理してくれたので、割と見やすかった。
それでも、SF作品特有の難解さはあるんだけどね。原作をずいぶんアレンジして連続ドラマとしての物語構成
籠の中の乙女(2009)
ヨルゴス・ランティモス監督の2009年作品「籠の中の乙女」をようやく見た。第62回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリ。第83回米アカデミー賞では、外国映画賞にノミネートされた作品。
今日はこの言葉を覚えましょう。
"海"とは、皮張りのアームチェアのことです。
"高速道路"とは、とても強い風のこと。
"遠足"とは、硬い建築資材で建物の床に使われます。
思春期を迎えた3人の若者が、自宅でこ