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音楽を作るために考えていること

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#読書

本を選ぶ

ここんとこ読んでいない本が、どんどん積まれている。だけど新しく買ってしまう。電子書籍も加えると、すごい数になる。

しかし「もう持っているし、足りているのに追加してしまう」ってあるなぁ、と思うのだ。

そもそも僕はギターや機材、モノをそんなに買わない。 服とかもたまにしか買わない。何ていうか、物欲があまり無い。

だけど本はよく買う。知識欲はやたらあるのだ。

読んでいない本がまだたくさんあるのに

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世界は一つではない

世界は一つではない

むかし小さな古本屋で働いていたことがある。店員は僕一人なので、自分で店を開けて自分で店を閉める。日給は一万円だった。

ある日いつものように、人っ子一人いない店で、店番をしていると山のように積んであるホモの専門誌が目にはいった。

どういうことが書いてあるのか、無性に知りたくなって二冊ほどとって読んでいた。客の立場からすると、ホモの専門誌を読んでいる店番というのは独特のアクだろう。

結論から述べ

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どくしょ

どくしょ

『聞いたり読んだりしただけじゃ意味ないよ。実際に経験しなきゃ身にならないよ』

よく言われる。

●勉強よりも実践が一番ためになる
●経験こそが最高の学びの場だ
●机上の空論でものを言うな
●頭でっかちになるな

そんな言葉もバカスカ言われる。

実際はどうなのだろうか。

僕はホンシェルジュもやっていたし、よくよく本は読む。

でもこれらの情報をすべて実践し、毎日に生かしているかと言われ

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「失くなってしまうこと」を受け入れる話

僕は「失くなってしまうこと」をよくよく歌っているし、書いてきている。

そしてそれらを嫌悪するもの、恐怖の対象といった見方ではなく、受け入れていきたいと思っている。

「いずれは失くなる」というのはこの世で唯一の真理だ。だからこそイマは尊いし、愛しい。

でも、自分にとっての「失くなること」を過剰に大きく捉える必要もない。

失恋や失業。

そのたびに自分を否定する必要もないし、無理に肯定する必要

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ギリギリだった話

ギリギリだった話

季節が温かくなりはじめて空気の匂いが変わり始めている。

暖かいってそれだけでワクワクする。単純に嬉しい。古今東西万国共通の価値観じゃないだろうか。

だが僕はニガテだった。この春直前の特有の空気が嫌いだった。というより弱点でしかなかった。

「新生活」はいつも絶望を連想させたからだ。

むかしのトラウマみたいなものが束になって襲いかかってくる気がした。弱い自分では新しい暮らしに耐え切れると思えな

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バーにいた変な子持ちの女の話

実社会では分かりやすいこと、明確であることが求められるらしい。

それでも言い切れるのは、世の中には曖昧さを持ってしか話せないようなこともあるということだ。

そしてその中にこそ、本当に大事なものがあるんじゃないだろうか。

あの頃、そんな曖昧さを求めて逃げ込む場所があった。

商店街の中にある小さなバーだった。

ジャックジョンソンがいつまでも流れていて、マスターは無口だったが、綺麗な店だった。

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ストリートライブをしていたら女の子と出会った話

ストリートライブをしていたら女の子と出会った話

大阪に住んでいた頃、毎日のように高架下で歌っていた。ストリートライブというものがやりやすい街だった。

ふつうに暮らしていたら会えないようなひとたちと出会った。

よかった思い出もあるけど、飲んで、モメて、争って、借りて、奪って、奪われて、壊して、壊されてだって繰り返した。

僕も態度が良くなかったし、今よりも苦しかった。だから、むかしに戻りたいわけじゃない。

だけど、ひとにはそ

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