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あどけない話(夜のエッセイ)

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日々の暮らしから、あどけない話を綴ります。
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2018年6月の記事一覧

「語学塾こもれび」さんのこと

「語学塾こもれび」さんのこと

yuuさまにご紹介いただき、東京・国分寺にあるyuuさまが設立に携わった「語学塾こもれび」のイベント、「こもれびより」にお邪魔させていただいた。

第一部「翻訳こんにゃくは不良品?」は、AIによる自動翻訳機が普及し始めた今、果たしてそれがあればコミュニケーションはすべて上手くいくのか、というテーマのお話。
フランス語の"Bon appétit"を例に、必ずしも言葉は1対1では訳せないことを教えてい

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月が好きか、太陽が好きか

月が好きか、太陽が好きか

私の住む東京では今日、梅雨が明けたそうだ。
なんでも、6月中の梅雨明けは観測史上初とのことで、なんともけったいなことである。
そんなわけで、これから太陽ギラギラの日がやってくる。

一方で、昨日の月はストロベリームーンで、今日の夜空にもほぼ満月と言ってよい明るい月が輝いている。

ステレオタイプな認識だとわかってはいるが、人の個性のひとつに「月が好きか、それとも太陽が好きか」というものがあると思っ

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"labor"と"work"ー「働くこと」の2つの意味

"labor"と"work"ー「働くこと」の2つの意味

今日は、かつて教えを請うた師の言葉に触発されて「働くこと」について少しだけ考えてみたので、記しておきたい。

ひょんなことから、大学時代に講義を聴き、卒論の指導もしていただいた先生のお名前をGoogle検索してみた。
先生のご専門はざっくり言うとフランス現代哲学でいらっしゃったのだが、「哲学研究」に留まらない現代社会全体に対する深い考察と、飾らないお人柄が大変印象的であった。

いくつかのページを

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歴史を学ぶ=歴史に学ぶ

歴史を学ぶ=歴史に学ぶ

「ナチスに興味がある」などと言ったら、人間性を疑われるだろうか。
いや、思想的にはまったく相容れないし、ネオナチなどでもない。あくまで、「研究対象として」興味があるのだ。

「ナチス/ヒトラー=悪」と言い切ってしまうことは簡単だ。たぶん小さな子でも知っている。
だが、それだけではいけないのだろうと感じる。「ナチス/ヒトラー」を「悪」と判断するためには、「ナチスの何が悪なのか」、「なぜナチ党は『民主

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哲学する心―気づけばみんな哲学者

「哲学って、なんの役に立つんですか…?」
これまで何度も聞かれた質問だ。大学で哲学を専攻したと言うと、多くの人はそう聞きたくなるようだ。

大学生だった頃は上手く答えられなかったが、今なら答えられる。「常に考え続けることができるよ。それって素晴らしいことじゃないか」と。

Jun Turner@今から君も哲学者 さんが、昨日こんな投稿をされていた。

「日常のすべてに疑問を持ってみることが生活を豊

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「スキ」「いいね」をしてまわりたい

「スキ」「いいね」をしてまわりたい

noteを始めて1カ月以上が経った。
並行して、Twitterも久しぶりにきちんと使い始めた。

これがまあ面白い。
昔Twitterを使っていた頃(たしか2010年頃)なんて、こんなに面白い投稿をする人なんてそうそういなかった印象。というか、直接知っている仲間内だけの世界といった性格が強くて、今のようにnoteやTwitterによってどんどん人の輪が広がっていくことも少なかったように思う。

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絵になる街、西荻窪

絵になる街、西荻窪

西荻窪という街をご存知だろうか。

東京23区の西の端、杉並区にある街で、住宅街の中に個性的な小さな店が多くある、心落ち着く街だ。
1つ隣の吉祥寺駅とは違い、人も時間もゆったりとしている気がする。

今日は、そんな西荻(西荻窪の略称)で、月に一度の「西荻手しごと市」が開かれるので遊びに行ってきた。

“西荻”の骨董通りの一角、昭和初期のレトロな『骨董建物』で、
毎月第4日曜日に開催される「西荻手し

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携帯電話と人間の切っても切れない関係

携帯電話と人間の切っても切れない関係

携帯電話を機種変更した。
以前の機種は2年間使ったら電池が劣化してしまい、使い勝手が悪くなってしまった。

今は、昔のようにお店のカウンターに行って長々と手続きをしなくても、携帯キャリアのオンラインショップで機種を注文し、自分で開通手続きをすればあっという間に機種変更が終わる。便利なことだ。

一通りの設定が終わり、あれこれいじってみる。
そこで改めて思う。「携帯電話でできることって、数年前から変

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明朝体の特徴=縦方向への視覚効果?

NHKの「美の壺」について、以下の投稿をしたところだ。

番組の中で、明朝体について扱われていた。
そこで明朝体の特徴として「縦線は太く、横線は細く」ということが挙げられていたのだが、それを聞いてふと思い出した。

吉田翠さんが昨日、以下のnoteを書かれていた。

後半では日本語の縦書きについてWebサイトを引用しながら書かれていて、私も拙いコメントをさせていただいた。

「日本語の文字は下に向

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心を伝える フォント

NHKに「美の壺」という番組がある。
美術鑑賞の「ツボ」をテーマごとに3つ紹介する美術の入門番組で、草刈正雄さんによる寸劇やBGMに使われているジャズが程よい、好印象の番組だ。
これは勝手な予想なのだが、noteユーザーにはこの番組がお好きな方も多いのではないか。かく言う私も、大ファンだ。

さて、2018年6月22日の放送は「心を伝える フォント」だった。

今回の「ツボ」は以下の3つ。

①フ

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旅の帰りはお土産を携えて

旅の帰りはお土産を携えて

お土産選びもまた、旅の重要な要素のひとつだ。
渡す人が喜んでくれるかと心のどこかでドキドキしながら選ぶのは、やはり楽しい(その点、前に勤めていた職場の方が、渡した時の反応がよりダイレクトだったので、選ぶ楽しさも大きかった)。

短い京都出張ではあったが、帰り際に京都駅でお土産を買い求めた。

京都に行った時には必ず買って帰ってくるのが、京都北山マールブランシュの「茶の菓」。いわゆる抹茶入りのラング

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旅のお供に本を連れて

旅のお供に本を連れて

旅の準備は、着替えや携帯電話の充電器をカバンに詰めるだけではない。
どんな本を旅のお供にするかを決めるのも、大事な準備だ。

これまでは、積ん読になってしまっているハードカバーの本を家から持っていくことが多かった。意外と着替えというものはかさばるので、多少重くなっても変わらないや、という発想だ。

それがここ最近、出発する駅や空港の書店で、出発当日に買うようになった。きっかけはおそらく、ある時家か

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報道スタンスって難しい

報道スタンスって難しい

近畿・大阪の皆さん、大丈夫でしょうか。
夜は冷えますから、暖かくしてください。

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大きな出来事があると、各社の報道スタンスが如実に表れる。
今日の夕刊、朝日新聞は「大阪北部 震度6弱」との大見出しで、1面ぶち抜きが地震に関する記事を掲載していた。
「3人死亡けが人多数」
「M6.1 壁倒壊・断水・火災

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神様のいる街/吉田篤弘

神様のいる街/吉田篤弘

『神様のいる街』
2018年4月25日 第1版発行
著者:吉田篤弘
編集者:島田潤一郎
装幀:クラフト・エヴィング商會
発行所:株式会社夏葉社

※時々の、書評シリーズです。

造本から言っても、分量から言っても、小さな本だ。
縦18cm弱、横12cm弱で、1時間もあれば読み終わってしまう。
だが、その小ささに反して、読後の余韻はたっぷりだ。

クラフト・エヴィング商會の吉田篤弘さんによる、自伝的

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