記事一覧
(番外編)父のことなど
現在デジタルデトックス中でnoteへの記事のアップを控えているけれど、今日4月29日は父の誕生日なので久しぶりに記事をアップします。
以下、私事ながら。
昭和4(1929)年生まれの父は、平成19(2007)年2月に亡くなったけれど、もし存命なら今年95歳という事になる。
先日、京都•大阪卒業旅行で母の住む高槻の実家に行って久しぶりに色々話をしながら、若い頃の父の仕事についての話になった。
デジタルデトックスに伴いnoteでの発信をお休みします
3月末で会社を卒業するにあたり、少しデジタルデトックスをしたいと思います。
具体的には、発信については
•ブログ
•Facebook
•Threads
に限定し
•Instagram
•note
•旧Twitter
での発信は終了したいと思います。
これまで閲覧いただきありがとうございました。
尚、今後は下記発信予定のURLは下記になります。
これからもどうぞよろしくお願いいたします
NO.106 ジャズピアノの歴史をたどる旅
少し前から、毎朝少しずつマイク・モラスキーの『ジャズピアノ』を読んでいる。
これは岩波書店から出ている、上下二冊の大作。
主に1920年代~60年代のジャスピアニストを系統的に論じている。
名盤ガイド、演奏家の伝記、文化史研究、文芸的エッセイなどの要素を含みながら、ジャズ特有の「音」や「演奏手法」を詳細に描いていてとても読みごたえがある。
僕はジャズについては、学生時代からビル・エヴァンス
NO.105 13年目の3.11のために
かつて8月15日が近づくと死者の魂の気配を感じて心が重たくなった。
2011年3月11日以降は、毎年3.11前後は気持ちが沈むようだ。
昨年から今年にかけては、昭和という時代を象徴するような有名人の訃報が続いた…
大江健三郎、坂本龍一、谷村新司、八代亜紀、小澤征爾…
最近では鳥山明とちびまる子ちゃん役の声優の訃報に接して言葉を失った……
それはもちろんこちらの年齢がそれなりの年齢になったから
NO.104 「白か黒か」ではない思考に就いて
学生時代、僕が所属していた大学のサークルであるレコード鑑賞会の先輩の一人に朴さんという女性がいた。
彼女はいつも穏やかに微笑んでいて、いつもその周りには柔らかい光が射し込込んでいるような印象があった…
だから、少し前になるけれど著書『帝国の慰安婦』が日韓で大きな論争を巻き起こした時、友人から、日本文学研究者でその本の著者である朴裕河(パク ユハ)氏が、僕が所属していたサークルの先輩の一人である
NO.103 「体験的アイドル史−松田聖子から河合優実まで−」
僕がまだ大学生だった頃、まだデビュー前の松田聖子が蒲池法子という本名でラジオの番組に出ていた。
初めて彼女の声を聴いた時、僕は「彼女は絶対にスターになる」と確信し、周りの友人達に話したけれど反応は薄かった。
その後、松田聖子は1980年に資生堂のエクボのCMソング「裸足の季節」でデビュー、2曲目の「青い珊瑚礁」が大ヒットしてあっという間に昭和を代表するアイドルになる…
そんなおじさんの昔ばな
NO.102 「好きは因数分解出来ない」ということ
友人と飲んでいると、時折「お、今良いこと言ったよね」と二人で合点して、それを友人がメモしてくれる。
後からそのメモを友人がLINEで送ってくれて、もちろん覚えていることもあるけれど、中には「ちょっと何言ってるかわからない」ような言葉もあって、酔っ払いの思考回路や飲んでいる「場」のエネルギーの可笑しみを痛感する。
先日、一人で飲んでいる時にふと
「好きは因数分解出来ない」
という言葉が頭に浮
NO.101 寒い夜、イングリット・ヘブラーの弾く温かみに溢れたバッハを聴くこと
今日は気温も低く激しい風も吹き荒れる寒い一日だった。
そんな一日の終わりに、ふと、イングリット・ヘブラーの弾くピアノの音色が聴きたくなった。
イングリット・ヘブラーと言えばやはりモーツァルトという事になるので、そのモーツァルトピアノ・ソナタ全集は僕も車の中で時々聴いている。
基本的に端正なテンポながら、その音色には気品と微かな哀しみが漂う。
今夜は、そんなヘブラーが弾いたバッハの《フランス
NO.100 島田雅彦のエッセイ『散歩哲学』について
島田雅彦の新刊エッセイ『散歩哲学』(ハヤカワ新書)を読んだ。
軽いエッセイだけど、随所に島田雅彦らしい視点が垣間見えて楽しい。
例えば川島雄三の映画『須崎パラダイス 赤信号』について、こんな風に書く。
「『須崎パラダイス 赤信号』は埋め立て地の近くに栄えた労働者向け歓楽街入口にある小料理屋が舞台になっている。橋の下で途方に暮れていた流れ者の男女がバスに飛び乗り、そこに流れ着くところから物語が
NO.98 日曜の夕方、映画『ちょっと思い出しただけ』を観ること
今日の夕方、家人が美容室に出かけたので、友人お勧めの映画『ちょっと思い出しただけ』(2021年)をNetflixで観る。
池松壮亮と伊藤沙莉の、演技とは思えない自然体の芝居が良い。
今、上手な役者は数多いけれど、この二人はやはり天才だと改めて思った。
物語は池松壮亮の誕生日の一日を年代を遡る形で描く。
幸福だったからこそひりひりするような思い出になった瞬間をフィルムに定着した名作だ。
ド
NO.97 「毎日ベートーヴェンばかり聴いてちゃ駄目ですか?」
ベートーヴェンの音楽を平野昭氏が作曲年順に紹介する「おやすみベートーヴェン」というサイト(2020年に完結)で、ベートーヴェンの音楽を毎日聴く生活が続いている。
毎日2,3日分の音楽をまとめて聴いているけれど、聴き始めて1週間経過して、ようやくピアノ協奏曲第1番までたどり着いた。
作曲されたのはベートーヴェンが1793年〜1800年(ベートーヴェン23歳〜30歳)にかけて。
楽譜は1801年
NO.96 芥川賞受賞作『東京都同情塔』とドラマ『不適切にもほどがある』の間にあるもの
第170回芥川賞受賞作である九段理江による『東京都同情塔』を読んだ。
僕にはとても面白い小説だった。
タイトルの「東京都同情塔」(トーキョートドージョートー)という名前で呼ばれるそのタワーは刑務所である。
この刑務所(正式名称「シンパシータワートーキョー」)が国立競技場を見おろして建つのは、都心の一等地、新宿御苑があった場所で、奇しくも僕が社会人となって最初に赴任した代々木のオフィスの直ぐ近