玉川家郎

玉川家郎

記事一覧

人生はお金ではない。
そう言うのは決まってある程度、金銭的余裕のある日々を送ってきた者たちだ。
正しくは、お金は必要だが重要ではないという事だ。

玉川家郎
4日前

忘却

日曜日の昼下がり、午後の眠りを抱いた街で小学生の息子とともに青信号をまっている。向かい側には動物園の敷地とみられる林があり、灰色のコンクリートで埋め尽くされた街…

玉川家郎
8日前
1

告白

クソみたいな家庭環境だった。

10,000
玉川家郎
8日前

ボーイミーツシティ

梅田でいったカジノ 猫耳のガールディーラー チップが誰よりも高く積み上がっている陰気なプレイヤー 仲良く話すその2人を横目に 奥には、30歳になろうかならまいか悩んで…

玉川家郎
13日前
2

シュプレヒコール

全部、飲み込んでしまえ。 憂鬱も寂しさも、未来も愛情も 全部飲み込んこんで、もっていってしまえ。 おとには何も残さないで おまえにはその力があるのに なぜ見て見ぬふ…

玉川家郎
1か月前

たしかなこと

盛大にボケた僕の葬式で皆が笑う 目に水たまりをつくって 賑やかな地表から僕は図鑑に載っていない鳥になって空へ旅立った あの雲まで あの、宇宙に手が届きそうな程遠くに…

玉川家郎
1か月前
2

交点

おや、松村くんじゃないか。久方ぶりだな。 平井さんですか。 お久しぶりです。お元気でしたか。 さてそれは僕も知らないことだ。 例え知っていても、僕にはそれがわかる…

玉川家郎
4か月前

この世は自分の力ではどうしようもないものに支配されている。
いつかは親、学校であり、いまは社会そして生命である。

玉川家郎
4か月前

安定、それは毒

休日は海や山に行きたくなる 東京の街に棲んでみてそう思うことが増えた でも癒されるために行く場所として自然ばかりが思いつくのはなぜだろうか 今よりは自然に身近だっ…

玉川家郎
5か月前
1

いってらっしゃいとただいまは
朝ご飯の味噌汁ぐらい
無くても平気だけど、あったらとても嬉しいものだ
心に安らぎが染みて憂鬱を飛ばしてくれる
あぁ、なんて素敵は言葉と状況であろう
いつか僕も与えてみたい

玉川家郎
5か月前
1

なんて気持ちの良い青空だろう
街は午後の眠を抱いて立っている
今日ならずっと言えなかった事が言えそうだ
あの深い青の果てには何があるのだろうか
いつかわかるかな
いやわかりたくない気もするよ

玉川家郎
5か月前

電車は行ってしまったけど
君はまだホームに立っていて
川の中の大きな石のように
君の世界は世間の流れに乗らない
それが勇ましく美しくみえて飛び込んでみたくなるけど
きっとそこは孤独で息が苦しいのだろう
君は太陽の下で笑うけど
その目はどこか寂しそう
また電車がきて君が見えなくなる

玉川家郎
6か月前

闇夜に街へでたんだ
昼間にやり残した事を急いでやろうとして
また時間を無駄につかった

目的の居酒屋は見つからないし
みつけたところで同年代の奴らが席を埋めている
だからもう家へ帰るんだ

日々は雲のように
遠くからは穏やかにみえても
とてもはやい速度で過ぎている

玉川家郎
6か月前

時間がないよ。
僕らこれからどうするのかな。
何を望んで、何を捨てて
どこへ行って、誰といるのか
未来なんてうまく考えられないし当たんないし不安になるしひとりぼっちだし
でもそうだな
もし君といれるならもしそうであれば
それはきっと明日だ

玉川家郎
6か月前

何に泣いているんだよ。そんなの嘘っぱちだ。
世界の為に泣くな、隣にいるやつの話を聞けよ。
泣いた所で誰も助けやしない。
泣いた所で何か変わるわけではない。
いったい泣くには何の意味があるんだ。

玉川家郎
6か月前

駅の階段で中年のサラリーマンが太い声で説いている。
そんな言葉が嫌いだ。
世界を、人生をわかった風にありきたりな言葉しか出てこない。
わかっていない事に気づけていない人。
誰もが気づく事を自分が気づいたように言う人。
ダサい大人。
気を抜くとなりたくない大人になってしまう自分。

玉川家郎
6か月前

人生はお金ではない。
そう言うのは決まってある程度、金銭的余裕のある日々を送ってきた者たちだ。
正しくは、お金は必要だが重要ではないという事だ。

忘却

日曜日の昼下がり、午後の眠りを抱いた街で小学生の息子とともに青信号をまっている。向かい側には動物園の敷地とみられる林があり、灰色のコンクリートで埋め尽くされた街を彩っている。普段は息子と二人で出掛けることなどないのだが、最近なぜか妻の疲れが酷く、それを見かねて息子を連れだし、妻に休みの時間をつくったのだ。息子は静かに私の横で赤いヒトと見つめている。

動物園に入り、出店や触れあいコーナーなどを颯爽

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告白

クソみたいな家庭環境だった。

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ボーイミーツシティ

梅田でいったカジノ

猫耳のガールディーラー
チップが誰よりも高く積み上がっている陰気なプレイヤー
仲良く話すその2人を横目に
奥には、30歳になろうかならまいか悩んでいる男が横並びに座っている
ぼさぼさの伸びた髪が似合うボーイ
頭の帽子が小さくみえるほど顔の大きいボーイ

そしてそれに対面するように座るボーイ
つまり私
隣には友達が、正面にはディーラーのかわいい横顔が
気持ち悪がられてはまずいの

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シュプレヒコール

全部、飲み込んでしまえ。
憂鬱も寂しさも、未来も愛情も
全部飲み込んこんで、もっていってしまえ。
おとには何も残さないで

おまえにはその力があるのに
なぜ見て見ぬふりばかりするのだ。
人が痛まれるのを横目に、いつも通り白い泡を立てるばかり

まるでいつか心から笑える日がくるとおまえは知っているみたいだ
そして望んでいないときにその力を振りかざすのを僕たちは知っている

なんてやるせない。
まるで

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たしかなこと

盛大にボケた僕の葬式で皆が笑う
目に水たまりをつくって
賑やかな地表から僕は図鑑に載っていない鳥になって空へ旅立った
あの雲まで
あの、宇宙に手が届きそうな程遠くにある雲まで

そして神様に頼むんだ
僕をいつまでも雨を降らすことができる灰色の雲にしてください
代償として視力を奪われ
小さな雨雲になった僕は
空まで響く声を頼りにみんなを探す

泣いている声が聴こえたら
雨を降らすよ
泣き止むまで降り

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交点

おや、松村くんじゃないか。久方ぶりだな。

平井さんですか。
お久しぶりです。お元気でしたか。

さてそれは僕も知らないことだ。
例え知っていても、僕にはそれがわかることはないがな。

相変わらずお元気ですね。
今日もお散歩ですか。

ふむ、散歩だ。日本人は世界の退屈をよく表しているよ。
今日も駅のホームで黙っている学生たちをみたよ。
実にいけない。学生はもっとうるさくなくっちゃいけない。
世の全

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この世は自分の力ではどうしようもないものに支配されている。
いつかは親、学校であり、いまは社会そして生命である。

安定、それは毒

安定、それは毒

休日は海や山に行きたくなる
東京の街に棲んでみてそう思うことが増えた
でも癒されるために行く場所として自然ばかりが思いつくのはなぜだろうか
今よりは自然に身近だった地元では、今程思うことはなかった
東京という街への憧れは今よりずっとあった
東京のせいなのか?

東京はタイヤの回る音、足音、人の目ばかりで、人の気配が常にある
適度であれば安心するが
日々過度に与えられるとうんざりしてくる

それなら

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いってらっしゃいとただいまは
朝ご飯の味噌汁ぐらい
無くても平気だけど、あったらとても嬉しいものだ
心に安らぎが染みて憂鬱を飛ばしてくれる
あぁ、なんて素敵は言葉と状況であろう
いつか僕も与えてみたい

なんて気持ちの良い青空だろう
街は午後の眠を抱いて立っている
今日ならずっと言えなかった事が言えそうだ
あの深い青の果てには何があるのだろうか
いつかわかるかな
いやわかりたくない気もするよ

電車は行ってしまったけど
君はまだホームに立っていて
川の中の大きな石のように
君の世界は世間の流れに乗らない
それが勇ましく美しくみえて飛び込んでみたくなるけど
きっとそこは孤独で息が苦しいのだろう
君は太陽の下で笑うけど
その目はどこか寂しそう
また電車がきて君が見えなくなる

闇夜に街へでたんだ
昼間にやり残した事を急いでやろうとして
また時間を無駄につかった

目的の居酒屋は見つからないし
みつけたところで同年代の奴らが席を埋めている
だからもう家へ帰るんだ

日々は雲のように
遠くからは穏やかにみえても
とてもはやい速度で過ぎている

時間がないよ。
僕らこれからどうするのかな。
何を望んで、何を捨てて
どこへ行って、誰といるのか
未来なんてうまく考えられないし当たんないし不安になるしひとりぼっちだし
でもそうだな
もし君といれるならもしそうであれば
それはきっと明日だ

何に泣いているんだよ。そんなの嘘っぱちだ。
世界の為に泣くな、隣にいるやつの話を聞けよ。
泣いた所で誰も助けやしない。
泣いた所で何か変わるわけではない。
いったい泣くには何の意味があるんだ。

駅の階段で中年のサラリーマンが太い声で説いている。
そんな言葉が嫌いだ。
世界を、人生をわかった風にありきたりな言葉しか出てこない。
わかっていない事に気づけていない人。
誰もが気づく事を自分が気づいたように言う人。
ダサい大人。
気を抜くとなりたくない大人になってしまう自分。