坂爪真吾

NPO法人風テラス+ホワイトハンズの創業者です。著書多数。 性(セクシュアリティ・ジェ…

坂爪真吾

NPO法人風テラス+ホワイトハンズの創業者です。著書多数。 性(セクシュアリティ・ジェンダー)に関する新書の書評、イベントレポートや新刊情報などをアップします。 お仕事の依頼はこちら shingosakatsume1981 アットーマーク gmail.com

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  • セックスワークサミット2020春

記事一覧

【5/27(月)開催】坂爪ゼミ・オンライン読書会『弱者男性1500万人時代』(トイアンナ・扶桑社新書)

開催日:2024年5月27日(月)20時~21時00分 オンライン開催(ズーム) 課題文献:『弱者男性1500万人時代』(トイアンナ・扶桑社新書) 課題文献を読んで、60分間、み…

坂爪真吾
2週間前
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書評『訂正する力』(東浩紀・朝日新書)

訂正する力とは「一貫性を持ちながら変わっていくこと」である、と著者は延べている。 NPOの世界では、すべての団体は「ビジョン」と「ミッション」を掲げて活動している…

坂爪真吾
2週間前
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【4/22(月)開催】坂爪ゼミ・オンライン読書会『訂正する力』(東浩紀・朝日新書)

<今回の開催日> 2024年4月22日(月)20時~21時00分 オンライン開催(ズーム) 課題文献:『訂正する力』(東浩紀・朝日新書) 課題文献を読んで、60分間、みんなで…

坂爪真吾
3週間前
2

4月11日(木)~13日(土)、都内でインタビュー協力者募集

現在、「風俗で働く女性のセカンドキャリア」をテーマにした新書を執筆しております。(2025年前半に刊行予定) 風俗で働いていた女性たちが「脱ぐ」仕事をやめたあとの生…

坂爪真吾
1か月前

これから「障害者の性」問題に関わりたいと考えている人へのメッセージ

1.ホワイトハンズ退任の挨拶2024年3月末で、2008年から16年間務めたホワイトハンズの代表を退任することになりました。 2015年にホワイトハンズの一事業として開始した…

坂爪真吾
1か月前
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【取材協力者募集】過去に風俗で働いたことがあり、現在は卒業されている女性の方(年齢・地域・職業不問)

現在、「風俗で働く女性のセカンドキャリア」をテーマにした新書を執筆しております。(2025年前半に刊行予定) <新書のテーマ> 風俗で働いていた女性たちが「脱ぐ」仕…

坂爪真吾
1か月前
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書評『ルポ 出稼ぎ日本人風俗嬢』(松岡かすみ・朝日新書)

●日本を飛び出した女性たちの姿から見える、日本の風俗のアドバンテージ 本書は、海外で出稼ぎを行う日本人風俗嬢たちの仕事内容、出稼ぎに至る経緯、海外での暮らしぶり…

坂爪真吾
2か月前
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『大川総裁の福祉論!』(旬報社)に対談を収録して頂きました

『大川総裁の福祉論!』(旬報社)に、大川総裁と私の対談を収録して頂きました。 野田聖子さんなど、ビッグネームの方々の中に混ぜて頂き、光栄です〜。 1月31日発売予…

坂爪真吾
3か月前
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【書評】筑駒の研究(小林哲夫・河出新書)

東京大学現役合格率日本一を誇る、中学入試最難関校の一つである筑波大学付属駒場中学・高等学校。略して筑駒。 本書は、筑駒の卒業生が様々な分野・領域で突出した存在感…

坂爪真吾
3か月前
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「箱」と「沼」を求める姫たち 書評『トラディション』(鈴木涼美・講談社)

2023年は、ホストクラブの売掛に始まり、ホストクラブの売掛に終わった一年間だった。 私が理事長を務めるNPO法人風テラスでは、ホストクラブで作った高額の売掛を返済で…

坂爪真吾
4か月前
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【書評】『ルポ無料塾 「教育格差」議論の死角』(おおたとしまさ・集英社新書)

「教える技術はさしたる問題ではない。子どもの「わからない」に寄り添う気持ちが重要」(P42) この言葉が、無料塾の本質を端的に表していると感じた。 無料塾に通う子…

坂爪真吾
4か月前
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【1月29日(月)20時~開催】坂爪ゼミ・オンライン読書会『子どもへの性加害 性的グルーミングとは何か』(斉藤章佳 幻冬舎新…

2024年1月29日(月)20時~21時00分 オンライン開催(ズーム) 課題文献:『子どもへの性加害 性的グルーミングとは何か』(斉藤章佳 幻冬舎新書) 課題文献を読んで…

坂爪真吾
4か月前

【書評】『ルポ 歌舞伎町の路上売春 それでも「立ちんぼ」を続ける彼女たち』(ちくま新書)

「都合の良い果て」で生きる彼女たちに、私たちができることは何か 繁華街の路上で客を取る。法律的にはもちろんアウト=摘発リスクの高い行為だが、暴力・盗難・盗撮・性…

坂爪真吾
4か月前
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12月9日(土)、日本蝶類学会で『日本百名虫』の講演をします!

12月9日(土)、東大理学部で開催される日本蝶類学会で『日本百名虫』の講演をします! 出身の社会学ではなく、まさかの理学部で昆虫の話をしに戻ってくることになるとは…

坂爪真吾
5か月前

【12月18日(月)20時~開催】坂爪ゼミ・オンライン読書会『ルポ 歌舞伎町の路上売春』(春増翔太 ちくま新書)

<今回の開催日> 2023年12月18日(月)20時~21時00分 オンライン開催(ズーム) 課題文献:『ルポ 歌舞伎町の路上売春』(春増翔太 ちくま新書) 課題文献を読んで…

坂爪真吾
5か月前
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書評『男性の性暴力被害』(宮崎浩一・西岡真由美 集英社新書)

男性の性暴力被害の問題は、女性の性暴力被害、そしてそれを問題化してきたフェミニズムと切っても切れない関係にある。 男性の性暴力被害の問題は、女性の性暴力被害が社…

坂爪真吾
5か月前
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【5/27(月)開催】坂爪ゼミ・オンライン読書会『弱者男性1500万人時代』(トイアンナ・扶桑社新書)

【5/27(月)開催】坂爪ゼミ・オンライン読書会『弱者男性1500万人時代』(トイアンナ・扶桑社新書)

開催日:2024年5月27日(月)20時~21時00分 オンライン開催(ズーム)

課題文献:『弱者男性1500万人時代』(トイアンナ・扶桑社新書)

課題文献を読んで、60分間、みんなで感想や意見を出し合います。ゼミ生以外の一般参加も大歓迎です。

⇒参加申込はこちら!

書評『訂正する力』(東浩紀・朝日新書)

書評『訂正する力』(東浩紀・朝日新書)

訂正する力とは「一貫性を持ちながら変わっていくこと」である、と著者は延べている。

NPOの世界では、すべての団体は「ビジョン」と「ミッション」を掲げて活動している。ビジョンは「自分たちが実現したい社会」を言語化したものであり、ミッションは「ビジョンを実現するために、自分たちがやるべきこと」を言語化したものである。

ビジョンは不変だが、ミッションは時代の状況に応じて、柔軟に変化する。社会情勢が変

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【4/22(月)開催】坂爪ゼミ・オンライン読書会『訂正する力』(東浩紀・朝日新書)

【4/22(月)開催】坂爪ゼミ・オンライン読書会『訂正する力』(東浩紀・朝日新書)

<今回の開催日>

2024年4月22日(月)20時~21時00分 オンライン開催(ズーム)

課題文献:『訂正する力』(東浩紀・朝日新書)

課題文献を読んで、60分間、みんなで感想や意見を出し合います。ゼミ生以外の一般参加も大歓迎です。

⇒お申し込みはこちら!

4月11日(木)~13日(土)、都内でインタビュー協力者募集

4月11日(木)~13日(土)、都内でインタビュー協力者募集

現在、「風俗で働く女性のセカンドキャリア」をテーマにした新書を執筆しております。(2025年前半に刊行予定)

風俗で働いていた女性たちが「脱ぐ」仕事をやめたあとの生活やキャリアを追いながら、彼女たちが風俗の世界で得たものを活かし、失ったものと向き合いながら、「脱がずに生きる」=社会の中で自立して生きるために必要な条件を探る、というテーマになる予定です。

先月取材協力者募集の記事をアップして以降

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これから「障害者の性」問題に関わりたいと考えている人へのメッセージ

これから「障害者の性」問題に関わりたいと考えている人へのメッセージ

1.ホワイトハンズ退任の挨拶2024年3月末で、2008年から16年間務めたホワイトハンズの代表を退任することになりました。

2015年にホワイトハンズの一事業として開始した風テラスを2022年4月にNPO法人化したのですが、事業が年間4,500人超の相談を受け付ける規模まで大きくなり、ホワイトハンズとの両立が困難になったので、2008年の創業以来、一緒に活動してくださっている菅原保秀さんに代表

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【取材協力者募集】過去に風俗で働いたことがあり、現在は卒業されている女性の方(年齢・地域・職業不問)

【取材協力者募集】過去に風俗で働いたことがあり、現在は卒業されている女性の方(年齢・地域・職業不問)

現在、「風俗で働く女性のセカンドキャリア」をテーマにした新書を執筆しております。(2025年前半に刊行予定)

<新書のテーマ>

風俗で働いていた女性たちが「脱ぐ」仕事をやめたあとの生活やキャリアを追いながら、彼女たちが風俗の世界で得たものを活かし、失ったものと向き合いながら、「脱がずに生きる」=社会の中で自立して生きるために必要な条件を探る、というテーマになる予定です。

夜職から昼職への移行

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書評『ルポ 出稼ぎ日本人風俗嬢』(松岡かすみ・朝日新書)

書評『ルポ 出稼ぎ日本人風俗嬢』(松岡かすみ・朝日新書)

●日本を飛び出した女性たちの姿から見える、日本の風俗のアドバンテージ

本書は、海外で出稼ぎを行う日本人風俗嬢たちの仕事内容、出稼ぎに至る経緯、海外での暮らしぶりなどを詳細に綴ったルポルタージュである。

「出稼ぎ」という言葉にはカジュアルな響きがあるが、その実態は、完全な不法就労である。売春を合法化している国もあるが、不法就労の外国人女性が働くことまでを許している国は存在しない。

そして「風俗

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『大川総裁の福祉論!』(旬報社)に対談を収録して頂きました

『大川総裁の福祉論!』(旬報社)に対談を収録して頂きました

『大川総裁の福祉論!』(旬報社)に、大川総裁と私の対談を収録して頂きました。

野田聖子さんなど、ビッグネームの方々の中に混ぜて頂き、光栄です〜。

1月31日発売予定です!ぜひご予約ください💁🏻‍♂️

【書評】筑駒の研究(小林哲夫・河出新書)

【書評】筑駒の研究(小林哲夫・河出新書)

東京大学現役合格率日本一を誇る、中学入試最難関校の一つである筑波大学付属駒場中学・高等学校。略して筑駒。

本書は、筑駒の卒業生が様々な分野・領域で突出した存在感を示す「謎」について、卒業生や元教員、現校長に至るまで、関係者への緻密な取材で明らかにした一冊である。冒頭からラストまで、興味深いエピソードが満載で、読み応えは抜群だ。

筑駒の授業は、選りすぐりの神童・秀才たちの知的好奇心を満たすべく、

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「箱」と「沼」を求める姫たち 書評『トラディション』(鈴木涼美・講談社)

「箱」と「沼」を求める姫たち 書評『トラディション』(鈴木涼美・講談社)

2023年は、ホストクラブの売掛に始まり、ホストクラブの売掛に終わった一年間だった。

私が理事長を務めるNPO法人風テラスでは、ホストクラブで作った高額の売掛を返済できずに困っている女性たちから、一年間で200件を超える相談を受けた。

そして国内外のメディアから「悪質なホストクラブの被害に遭った女性を紹介して下さい」という依頼が数多く届いた。

なぜ彼女たちは、一晩で数十万円、場合によっては数

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【書評】『ルポ無料塾 「教育格差」議論の死角』(おおたとしまさ・集英社新書)

【書評】『ルポ無料塾 「教育格差」議論の死角』(おおたとしまさ・集英社新書)

「教える技術はさしたる問題ではない。子どもの「わからない」に寄り添う気持ちが重要」(P42)

この言葉が、無料塾の本質を端的に表していると感じた。

無料塾に通う子どもたちに必要なのは、勉強で得られる知識そのものではなく、「この世の中にはまだ善意が残っているという手触り」(P72)である。その手触りこそが、子どもたちに対する最大の励ましになる、というわけだ。

私が関わっている風俗や売春の世界で

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【1月29日(月)20時~開催】坂爪ゼミ・オンライン読書会『子どもへの性加害 性的グルーミングとは何か』(斉藤章佳 幻冬舎新書)

【1月29日(月)20時~開催】坂爪ゼミ・オンライン読書会『子どもへの性加害 性的グルーミングとは何か』(斉藤章佳 幻冬舎新書)

2024年1月29日(月)20時~21時00分 オンライン開催(ズーム)

課題文献:『子どもへの性加害 性的グルーミングとは何か』(斉藤章佳 幻冬舎新書)

課題文献を読んで、60分間、みんなで感想や意見を出し合います。ゼミ生以外の一般参加も大歓迎です。

*課題文献の著者の方は、参加無料です。「自分の本がどのように読まれているのか知りたい!」という方は、お気軽にご参加ください。

⇒参加申込み

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【書評】『ルポ 歌舞伎町の路上売春 それでも「立ちんぼ」を続ける彼女たち』(ちくま新書)

【書評】『ルポ 歌舞伎町の路上売春 それでも「立ちんぼ」を続ける彼女たち』(ちくま新書)

「都合の良い果て」で生きる彼女たちに、私たちができることは何か
繁華街の路上で客を取る。法律的にはもちろんアウト=摘発リスクの高い行為だが、暴力・盗難・盗撮・性感染症・予期せぬ妊娠に遭うリスクも極めて大きい。

普通に考えれば、「なぜ、わざわざそんな危ない真似をするのか」「稼ぎたいのであれば、風俗店やアプリで相手を見つければいいではないか」と思うだろう。

売買春に関わる男女にとって、路上のメリッ

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12月9日(土)、日本蝶類学会で『日本百名虫』の講演をします!

12月9日(土)、日本蝶類学会で『日本百名虫』の講演をします!

12月9日(土)、東大理学部で開催される日本蝶類学会で『日本百名虫』の講演をします!

出身の社会学ではなく、まさかの理学部で昆虫の話をしに戻ってくることになるとは(笑)

学生無料、非会員の方も参加可能(1,000円)なので、是非お越しください~🦋

【12月18日(月)20時~開催】坂爪ゼミ・オンライン読書会『ルポ 歌舞伎町の路上売春』(春増翔太 ちくま新書)

【12月18日(月)20時~開催】坂爪ゼミ・オンライン読書会『ルポ 歌舞伎町の路上売春』(春増翔太 ちくま新書)

<今回の開催日>

2023年12月18日(月)20時~21時00分 オンライン開催(ズーム)

課題文献:『ルポ 歌舞伎町の路上売春』(春増翔太 ちくま新書)

課題文献を読んで、60分間、みんなで感想や意見を出し合います。ゼミ生以外の一般参加も大歓迎です。

*課題文献の著者の方は、参加無料です。「自分の本がどのように読まれているのか知りたい!」という方は、お気軽にご参加ください。

⇒参加申

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書評『男性の性暴力被害』(宮崎浩一・西岡真由美 集英社新書)

書評『男性の性暴力被害』(宮崎浩一・西岡真由美 集英社新書)

男性の性暴力被害の問題は、女性の性暴力被害、そしてそれを問題化してきたフェミニズムと切っても切れない関係にある。

男性の性暴力被害の問題は、女性の性暴力被害が社会的に問題化されていく過程で、ようやく光が当てられるようになった領域であるため、女性の性暴力被害と同じフレームワーク=ジェンダー論やフェミニズムの言葉に基づいて語られる。男性は、女性たちが作り出した言葉や理論を借りて、ようやく自らの被害や

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