コラム

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ノート

柔能く剛を制す

梅田駅近くのバス乗降場に降り立つと、むわっとした熱気が僕を包んだ。18時過ぎだというのに太陽の余熱は収まる気配もない。
大阪に着いたらどのラーメン屋に行こう、と10店舗ほどリストアップした中で、僕は福島エリアの2店舗に目星をつけていた。9時間近い長旅は、めぼしいラーメン屋の選定には充分すぎる。

僕が最初に行こうと決めたラーメン屋は福島駅から歩いて行ける距離にある「燃えよ麺助」という店だった。福島

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ROCK IN JAPAN紀行 -予定は未定で-

サマソニ、ロッキン、フジロック、ビバラ、メトロック、アラバキ、ベイキャン、ライジン、ラブシャ、CDJ…。
年々増えつつある大型フェスだが、僕は今までこれらのイベントに参加したことがなかった。出不精と金欠が原因でフェスに行ったことがない、というのは、《音楽に一家言ありますけど?歌詞考察だいすき!》な僕としてはあまりよろしくない。
「だってお前大型フェス行ったことないんでしょ?音楽を語んな」と吐き捨て

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(レーズン)が欲しい

甘いものが好きだ。
一般的に、酒が飲めない人種は甘いものが好きだと相場が決まっている。もれなく僕もその法則に当てはまる。
でも、高校の時から、飽きもせず毎日購買で100円のプリンを楽しみに買っていたんだから、酒とか関係なくただただ甘いものが好きなのかもしれない。

僕は、コンビニに行くと、必ずスイーツコーナーを覗く。店ごとに趣向を凝らして、手書きのPOPや商品の並べ方を工夫している。そんな中であれ

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キャラに生かされ、また殺される

中高と大学、男子校と共学、部活動とサークル。
多くを異にする環境下で、僕たちは同じような会話を続けている。

僕は、中学・高校と主に軟式野球部に属していた。いくつかの仲が良いグループがある中で、部活動で行動を共にするという事象は、その友達との仲の良さにも自身の人格形成にも多大な影響を及ぼす。現に、そのうちの二人は大学でもサークルが同じだし。もし、僕がずっと将棋部にいたとしたらこうはなっていないだろ

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帰り道は立ちションをしたくなる

今月は三回も野球を観戦した。
観戦した球場は、所沢、関内、水道橋と、それぞれ違う場所だった。幕張、外苑前も合わせれば、家からふらっとプロ野球を見に行かれる球場が五箇所もある。トーキョーに住んでいる利点というものはあらゆる場所に顔を覗かせる。
中でも、横浜スタジアムで観た試合は横浜ベイスターズvs.北海道日本ハムファイターズの対戦カードだった。巨人ファンの僕は、関係ない試合だからこそ純粋に野球を楽し

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貧乏性と守銭奴

元巨匠・岡野陽一のコラムが始まった。
「岡野陽一のオジスタグラム」という名前で、概要は【毎週知らないおじさんと飲みに行って感想を書く連載】と記されている。
既に公開されている初回では、岡野がネタで演じるようなおじさんが早速登場している。蘊蓄をこね回すよりも実物を見てもらった方が早いのでリンクを貼った。面白い。

そのコラムのいちばん最後に、編集のアライと岡野のLINEのやりとりが公開されている。そ

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身近なUMA

仲良くなったきっかけがどうしても思い出せない人、というのは誰しもに存在するのではないだろうか。
僕にとって、そのうちのひとりが高校の購買のおじさんだ。

僕が通っていた高校の一階には食堂がある。その中に、飲み物とアイスの自動販売機、購買も併設されている。
購買が高校棟にあることから、中学生には、購買は物理的にも心理的にも距離がある遠い存在で、ごく一部の生徒しか通わない。僕も中学生時代に購買に足を運

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ファン

先日、後輩と、「プロ野球選手の中で誰をいちばん応援していたか?」という話になった。
僕は堀内政権時代からの巨人ファンであり、15年ほど野球を見てきた中で、松本哲也という選手がいちばん好きだ。
即答するのもなんか違うと思い、少し迷ったふりをして「うーん、松本哲也かな」と答えた。この「うーん」には、「いや、別にそこまで誰かに入れ込んだってわけじゃないけど、一応この選手が好きだったかなあ」という女々しさ

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片道二時間だけのバカンス①

朝5時前。
ほとばしる夏の暑さが、まだ身を潜めている。クルッククーと鳴く鳥たちは、蝉に邪魔されない朝ぼらけを目いっぱい楽しんでいる。
「…交通情報です。中央自動車道は、上り線、小仏トンネルを先頭に5キロの渋滞です。下り線は順調に流れ」
起きしなに合わせたBGMに乗せて、滑舌のいい女性が交通情報を読み上げている。昨日はまた、ラジオを消さずに寝てしまったようだ。耳触りのいい声に釣られて夢の中へ戻ってし

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キミは人生を舐め腐っているね

メンタルは強い方だと自負していたが、出口の見えない迷路にこれだけハマり続けると、さすがに心が削られる。

「貧すれば鈍する」という慣用句があるが、ことメンタルにおいてはこの慣用句は成り立たない。むしろ、心が削られると精神は過敏になる。削られた心は擦り傷に似ている。擦り傷に針を落とすと、普段とは比べものにならないほど痛い。外気に晒された自分の弱さが、いつ何者かに攻撃されやしないかと警戒を強める。その

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