見出し画像

「食の安心」は、あなたの心の中に。【八百屋から見た“食”no.31】

はっきり申し上げます。
私が仕事する“食・農の世界”に限定すれば

『安全』はお伝えできても
『安心』はあなた次第です。


===
記事見てやきもきして
動画見てそわそわして
ナニカ知った気になって
(明確に言えないけど)食べ物が不安だ・農薬使用が不安だとまくしたてる一見さん、まぁまぁウチの八百屋に(いわゆる自然食品店と勘違いして)来ます。月1~2人くらいでしょうか。

どこかで見た怪情報をもとに「使われている〇〇がアブナイ・不安・心配」と食品や野菜を眺める人達。買い物へのこだわりは自由ですし、売場としても寄り添いたいですが、買っても食べてもいないうちに勝手に不安に陥り、臨んだスペックがないと不満を持ち、マイナスを振りまく様は、傍から見ていて相当雰囲気悪いです。

こまごま聞かれた場合でも、私が確実に知り得る範囲でお答えします。わからないことはわからないと正直に。その方は気に入らなかったのか、2,3言葉を交わした後、捨て台詞を残して去って行きました。

==

東京23区の食生活は、食べに行く・買いに行く・通販(画面上)購入の3択。
見る、買う、食べる。つまり、前段階の「作る」を知らずに済む生活です。
住環境に田畑や農畜産の現場・大規模な食品工場がなく、植物が育つ/食品が作られていく生産現場/製造現場を見る機会が圧倒的に乏しいのですが、ほとんどの都市生活者はその自覚がありません。

そんな食生活&買い物生活の中、SNSや動画の偏った主張・ゴシップを毎日のように視てハマる人がいます。〇〇がキケン・△△が不安・大手の☐☐は信用できない・食糧危機だ・▽▽の陰謀だ情報操作だと。
ウチの店で尋ねる/まくしたてる/主張する人がたまにいます。あぁ、この人は動画中毒なんだな、キケンを常に感じたい人なんだなとしか思っていません。

ウチで買い物してない人だというのも自ずとわかります。
・生産者と直接仕入れて(なんなら畑に行って)やりとりする確かさ
・お客さん自身がウチで買って食べて評価した確かさ よりも、
誰かが人気取りで言ってる根拠レスの画面内の放言を頼りにして、あなたは不安だ危険だと私に言っているのですから。意見交換にすらなりません。

不安は(安心状態にない)あなた自身の問題です。

このnoteの中でも再三再四お伝えしています。御本人でしか解決できない・他者が解決できる類の問題ではないことに気づいてください。

動画や著書やTVを見たからって
セミナーやワークショップに参加したからって
話者・講師からはじまる伝言ゲームに参加して、伝え聞いただけ覚えただけで、何を知った気になっているのですか?

そんなに不安だなんだと言うなら、
その動画見ない方が良くないですか?
情報得た優越感捨てましょう。知識でもなんでもない。
そんな有象無象の動画配信、知らなくても快適に生きていけますよ。
画面から、動画から。離れて自分の食事を考えてみましょう。

===
実体験する前に得た知識や情報のことを“先入観”と言います。
都市生活を言い訳にせず、画面で仕入れた“先入観”でガチガチに固めず、田畑や果樹園や魚市場や海や牧場や養鶏場や製造工場に出向き、現場を見て海や風や温度や空気を感じ、当事者と話して、出来たてを食べる、その体験を重ねてください。

食品添加物・農薬を避けたい人は、忌避する添加物・農薬の現場にも行きましょう。農薬を長年使わずに嫌っている人が集まるセミナーに行き“農薬がキケン”と記憶するより、農薬を使う人達の集まりにも行き“農薬はどうキケンなのか・昔と今はどう違うか”を理解することで、“農薬がキケン”と覚えたあなたの不安は軽減するはず。理によって。アップロードしたことで。その後の買い物は、より現実に落とし込んだ選択肢ができるはずで、ストレスも少なくなるでしょう。

農薬・添加物は、
・使わない方が良い気がする し、
・使わなくてもできる    けど、
・使う理由や状況も理解   する。
その上で、こだわり、選べばいいのです。

セミナー・ワークショップという共感をベースにした
コミュニティ内の“内輪ウケ・思い込み・囲い込み”にも注意しましょう。
コミュニティ内で勝手に不安に思ったその話題、コミュニティの外に出たら“案外誰も話さない・話題にも上らない”なんてことはザラにあります。

食と農は、行った育てた食べたという現場体験の積み重ねに尽きます。
有機JAS認証・〇〇不使用/無〇〇のシールやPOP・原材料表示を見るだけで分かった選んだ気にならず、製造元・生産地・販売元へ行きましょう。食の“不安”は、不安に思うあなたが現場に出向いてこそ軽減解消されます。全ての作り手へのリスペクト/現状理解にもつながります。

不安があなたの心の中にあるのと同様、
安心もあなたの心の中にあります。

画面から離れ、食べた感覚を大切に。
画面ではなく、目前に並ぶ食材と向き合うことをお勧めします。

======
↓過去投稿:売られている食材&食品は、誰かの尽力のおかげ

↓過去投稿:年々、対面販売&会話が成立しなくなっている理由


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?