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上善は水のごとし

先週は暑かったです。
季節は秋のようで夏のようでした。
街中でTシャツ姿の人や朝顔を見かけました。

私の好きな言葉をお伝えします。

「水は方円(ほうえん)の器(うつわ)に従い、
 人は善悪の友による」
 (韓非子)



「上善は水の若し」について


意味は、

最も優れたあり方は、
水のようなあり方である。


これは、老子の言葉です。

老子は、中国春秋時代における哲学者です。
常識的な価値や積極的な行為を否定し、
「無為」を説いています。

「無為」とは、
老子より、

ことさらに知や欲をはたらかせず、
自然に生きることをよしとした思想です。



水のような生き方が良い理由


水は善く万物を利して争わず、
衆人の悪む所に処る、
故に道に幾し



老子は次のように説いています。

水は万物に利益をもたらし、
他人と争うことがない。
しかも水は、
人々の忌み嫌う低いところへと自ら流れ下る。
そうした水の在り方は
「道に幾く」
だからこそ優れている。


さらに老子は次のように説いています。

天下に水より柔弱なるは莫し。
而して堅強を攻むる者、
之に能く勝る莫きは、
其の以て之を易うる無きを以てなり


つまり、
天下で最も柔弱なものは水であるが、
どんなに堅いものも水の力にはかなわない。
そうした水の性質は
何ものにも変えることができない。


水は一見、弱そうに見えますが、
山や岩のような堅強な形がありません。

変幻自在に動けることが
水の強みなのです。


先行き不透明な現代において、
したたかに生き抜くためには、
水のように
他者と争わず、かつ
必要であれば、
自ら進んでへりくだることこそ
良いのでしょう。

「負けるが勝ち」という言葉があるように
相手に花を持たせることも時には
大切なこともあるのです。


参考資料:
湯浅邦弘編著「中国の思想家」 ミネルヴァ書房


最後まで読んでいただきありがとうございました。



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