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❤君は知っているか? フジテレビ「桃尻娘」を! 〘令和5年11月4日・新装開店〙

あなたは観たことがありますか? 1986年2月27日に放送された、にっかつ映画ではない竹田かほりではない「桃尻娘」を。そして、その続編にあたる「帰ってきた桃尻娘」を!

フジテレビの「木曜ドラマストリート」という2時間ドラマ枠で放送されました。

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毎週木曜の夜8時から。フジテレビで2時間青春ドラマを放送。

⇑「桃尻娘」冒頭シーン。相築彰子と豊原功補のやりとりは何十回とリハを

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上智大学へ行く。メンヘラ・醒井さん(金子美香)
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「みんな、俺を愛してくれない!」と卑屈な、オカマの源ちゃんこと木川田(米山善吉)
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木川田くんに友情(愛じゃないよ!)を感じる、中央大学へ行く磯村 薫(松田洋治)
「大学なんか行って、楽しいのかねぇ」と世の中を斜めから見ている 大西唯史(豊原功補)

【若き日の豊原功輔も出演。今年森達也監督「福田村事件」で脇を固めた】
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「福田村事件」で凄惨な事件が起きる村の村長。苦悩が伝わる名演だ

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■フジテレビ版「桃尻娘」についての解説■

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ヤフオクやメルカリで高価な価格で取引されている脚本。

■木曜ドラマストリート 「桃尻娘」

1986/02/27 原作=橋本治「桃尻娘」 脚本=斎藤博
出演=相築彰子、米山善吉、金子美香、松田洋治 豊原功補

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脚本を書いた斎藤博は、 若松プロダクションで助監督を務めた後、1973年からフリーとなる。1980年代の「セーラー服百合族」など日活ロマンポルノを支えた

■木曜ドラマストリート 「帰って来た桃尻娘」

1986/08/28 原作=橋本治 脚本=斎藤博
出演=相築彰子、米山善吉、金子美香、黒沢ひろみ
ハナ肇、前田武彦 利重剛(利倉役) 三好圭一
(※1作目で受験生だった各キャラクターが大学へ入学したり、浪人をしたりする姿をビビッドに描いた、これまた傑作である)

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■監督:中原俊

確か、鹿児島ラ・サール高校→東京大学→日活、という経歴だったはず。

傑作青春映画「櫻の園」の監督です。

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1990年版を観てください。2008年版は愚作・失敗作、観てはいけません。

櫻の園」については、別稿にて解説しておりますので、そちらをご覧いただけると幸いでございます。

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■脚本;齋藤博

(ネットで探したのですが写真がありませんでした)
すみません。m(_ _)m

斎藤 博(さいとう ひろし、1951年8月17日 - 1994年4月24日)は日本脚本家である。日活ロマンポルノの脚本を多数書いた。

香川県出身[1]東京都立大学附属高等学校卒業[1]若松プロダクションで助監督を務めた後、1973年からフリーとなる[1]。1980年代の日活ロマンポルノを支えた脚本家。

その後、一般映画の脚本に進出したが、1994年くも膜下出血のため42歳で死去した。

代表作に『セーラー服 百合族』、『高校教師・成熟』、『不純な関係』等がある。

斎藤が脚本担当したTV版『桃尻娘』は、劇中に数々の洋楽のヒット曲(ビートルズカーペンターズエルトン・ジョンビーチボーイズスリー・ドッグ・ナイト等)が使われており、著作権管理が数社にまたがり、また高騰化しているのでDVD化は実現されていない。

<主な作品>
乳房』(1993年) 脚本 (監督:根岸吉太郎)

あ、監督は、悪評高き、実写版「デビルマン」を撮った那須監督(中原と同時入社)ですね。

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■企画:亀山千広

きっと、日本版「アメリカン・グラフィティ」を創りかかったのではないかしら。

ヒットドラマメーカーとしてフジテレビで活躍。
後に、フジテレビジョンの代表取締役社長にまで出世する。
また同時に、洋楽(オールディーズ)の版権を管理する「フジパシフィック音楽出版」の取締役も兼務した。
そのおかげで、「桃尻娘」「帰ってきた桃尻娘」に潤沢で良質の1950年代〜1980年代の洋楽を、BGM代わりに使用することが出来た。(ビートルズ「ミスター・ムーンライト」まで使ってしまうなんて…)

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■脇役陣の演技が素晴らしい!

オカマの源ちゃんの父親が「ハナ肇」。夫婦で散髪屋をやっている。源ちゃんが、松田洋治と意気投合して酒を飲んで、夜中に自宅に帰ってくる。そこへ、ガラッと玄関を開けるハナ肇。

「オレはな、おめえが何をしようと構わねぇと思っている。だけどな、これだけは言っとく。この家に男を連れ込むのだけはヤメロ!」

と怒鳴って、玄関をガシャんと閉める。このシーンのハナ肇のセリフの言い回しが絶妙である。シリアスなシーンなのだが、笑ってしまう。

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クレージーのハナ肇。

ヒロイン玲奈の父親を演じるのは、「前田武彦」。「帰ってきた桃尻娘」で、玲奈とこんなやり取りがある。(前田武彦は個人タクシーの運転手である)

「今日さあ、娘に自殺されたお客が乗って来てさ。酔っててさあ。泣かれちゃって困ったよ。こんな若くして死なれるんだった、いっそ、オレが。このオレが・・・ってね」

もう、おわかりであろうが、このお客は、娘の「処女」を自分が奪っておけばよかった、とくだまいていたのである。

で、この話をしたあと、前田武彦扮する父親が、玲奈のカラダをチラッと見る。下から覗き込むように。この目つきがなんともイヤラシくて、「うまいなあ」と感心してしまった。そして、

玲奈「やめてよ。変なこと考えるのは

と娘はいなすのである。ここで「貞操の危機」を感じるという繊細な芝居をこなす相築彰子の上手さよ。この演技を引き出した中原俊の手腕もスゴイのである。

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バラエティのMCをはじめ、個性的ななく車まで。器用な才人です。

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■バブル時代の青春群像

オールディーズ好きにはたまらない!そしてオカマファン(?)にもたまらいのが、中原俊監督が撮ったテレビドラマ「桃尻娘」と「帰ってきた桃尻娘」なのです。

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■LGBTQ問題を先取りしていた

まだ、「同性愛者」が「オカマ」と呼ばれて蔑まされていた時代。新しいかたちの「華麗に踊れるオシャレはホモセクシャル」を描いた、LGBTQの先駆的作品である。

米山善吉 (「一世風靡」に在籍していた)が演じる木川田源一こと「オカマの源ちゃん」のカッコイイこと! レズッ気のあるヒロインの榊原玲奈との間に愛情とも友情ともつかない「人間愛」を育んでいく。こんなドラマや映画、いままで観たことありません。

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■1960〜1980年代のオールディーズが満載

劇中に使用されていたBGMも、オールディーズファンには感涙ものだ。

第一作「桃尻娘」に使用されていた曲をザッとリストアップすると。

オールドファッションド・ラブソング(スリードッグナイト)
DO YOU WANT TO DANCE?(ビーチボーイズ)
FUN,FUN,FUN(ビーチボーイズ)
YOUR SONG(エルトン・ジョン)
ミスタームーンライト(ビートルズ)
WE'VE ONLY JUST BIGUN(カーペンターズ)
GEPSYS,TRAMPS & THIEVES(シェール)
クレージーラブ(ポールアンカ)
ヘイ、ポーラ(ポールとポーラ)
SOMEBODY TO LOVE(ジェファーソン・エアプレイン)

いやあ、1960年代~1970年代のアメリカンポップスやブリティッシュロックのマニアにはたまりません。

しかし、劇中に数々の洋楽のヒット曲が使われているため、著作権管理が数社にまたがり、また高騰化しているのでDVD化は実現されていないとのこと。

DVDかブルーレイで発売してほしいのになぁ。

フジパシフィック出版の朝妻一郎さん、なんとかなりませんか?

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■YouTubeで部分的に鑑賞できる(令和5年11月4日現在)。ニコニコでは、ほとんどを鑑賞できるようです。

来年、2022年4月あたりに、ユーチューブのいっせい粛清が行われるとのうわさがあります。まだ、フジテレビ版「桃尻娘」「帰ってきた桃尻娘」を観たことがないかたは、是非、お早めに。

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■原作小説も面白い!

もし、良ければ、原作小説も読んでみてはいかがでしょう。第一作目が賞をとったとき、審査委員の中で「野坂昭如」だけが褒めていたとか。そのことを橋本治は自慢しておられましたよ。

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手に入りやすい文庫版。
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これまた、手に入りやすい。早稲田に入学した榊原さんの愛と涙の物語。
「かえってきた〜」と「その後〜」と、どちらが先に出版されたにことを忘れて失念!


オカマの源ちゃんと、磯村くんの「愛と友情」を描く。
これで、サイコパスでメンヘラ
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有りし日の橋本治。

◆◇◆

■続編「帰ってきた桃尻娘」の冒頭に登場する、玲奈の「肉体」だけが目的のセックス狂いのイケてる田中さんを演じているのは・・・。

歩く生殖器の田中さん(1980年代はこういう大学生って多かったのよ)を演じるのは、一時期、ジャニーズ事務所に所属していた「三好圭一くん」。

1.ジャニーズ事務所 (1982年5月~1987年)
2.事務所不明 (1989年~1991年)

田中さんを演じていた頃は、まだ、ジャニーズ事務所に所属してたのね。

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1992年、東京・渋谷パルコで、優れた「2時間ドラマ」を集めて上映会が行われ、この「桃尻娘」「帰ってきた桃尻娘」も上映されたらしい。

■「テレフィーチャー秀作選」

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東京はこういう面白い映画会があって、いいよなあ。。。
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「パルコ」は、サブカルチャーにお金をかけていましたねぇ。

いいなあ、東京は。サブカルチャーについては日本一だ。

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■その後の仁義なき・桃尻娘出演者(現在の出演者たちの姿)

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歌手としても活躍した黒沢さん。

■黒沢ひろみ


当時、黒沢ひろみのファンだったんですよね。役柄は、女子美術大学を受験する漫画家志望の、ちょっとレズっぽい悪魔っ子。

わたし、のちに、東京の制作プロダクションで働くのですが、撮影現場に、女子美術大学(ジョシビっていうほうが雰囲気がでますね)の学生たちがバイトに来ていましたが、みんな、可愛かったです。うん。可愛らしかった。

ショッキングブルーの「ヴィーナス」も歌っていますよ。現在は、ご結婚されて、芸能界を引退されたという噂です


■相築彰子(あき子)

利重剛と一緒二出演した自動車メーカーのTVCMは、「帰ってきた桃尻娘」の続編のようで感涙した

伊原剛志と結婚するが、後に離婚。
テレビコマーシャルでの大活躍ぶりは、皆さんご存知でしょう
また、役者としても「クォーター・トーン」という事務所に所属して「クロサギ」など、多くのドラマや映画に出演している。


■金子美香

実は「スター誕生」出身。
ロック歌手として多数の曲を発表。
同時に役者としても活動、「桃尻娘」2部作に出演。カルトな人気を得る。

レディースロックバンド「Betty Blue」が結成され、金子はボーカル担当でこの番組の主題歌「夢みる頃すぎて」をビクター音楽産業からリリースする。アルバム「Hush!」も発売。

ファーストライブの日本青年館の会場で、突然の脱退宣言が本人の口から告げられる。

再び、ソロに戻り、事務所はsnow factoryに移籍し1991年11月シングル「NUDE」をビクター音楽産業からリリースする。翌月同タイトルのアルバムも発売。

同時期、女優としてもvシネマ、加藤雅也のヒロインを演じた「天使の囁き」、「天使の叫び」、「銀と金」と立て続けに出演。また、渋谷のオンエアーでソロ復帰ライブも行なわれる。

アニメ「超時空要塞マクロスII -LOVERS AGAIN-」の主題歌「2億年前のように静かだね」、ベストアルバム「全曲集」「my collection」もリリースし、音楽活動を一時停止する。

美香に改名し、1996年ミュージカルD-LIVE 「ROCK TO THE FUTURE」にヒロインとして出演。芸能プロダクションCUBEに移籍し、1996年連続ドラマ「金田一少年の事件簿」に出演するなど、女優を中心の活動に戻す。

1996年、ミュージカルD-LIVE「ROCK TO THE FUTURE」で知りあった音楽担当の白石紗澄李(現・シライシ紗トリ)とユニットParadise Lostを結成。

エアーズより「Q」でシングルデビュー。正式デビューはバップより「things」でシングルデビュー。
数々のシングル、アルバムをリリース。後期になるとジャケット写真も金子一人になり、金子のボーカルプロジェクトのような活動だった。

1998年、『火曜サスペンス劇場』主題歌シングル「体温」を最後に音楽活動を休止。

2004年、芸能プロダクションファーストプレイスに移籍し、歌手沢田知可子 大ヒットシングル「会いたい」のアンサーソングのシングル「約束」をガウスエンタテインメントより発売。

沢ちひろと財津和夫によるバラードナンバー。またマスターカードブリヂストンのCMにも出演。



■豊原功補

キョンキョンとの不倫で有名になってしまった豊原功補さん。思想的にリベラルだからスキ

明治大学付属中野高等学校(定時制)卒業。阪本順治監督の『亡国のイージス』や『カメレオン』などに出演。
アミューズに所属していたが、2001年9月1日に独立している。

2007年、『受験のシンデレラ』で第5回モナコ国際映画祭の最優秀主演男優賞を受賞する。2012年、映画『トテチータ・チキチータ』で主演を務めた。

2017年、芝居噺『名人長二』で初めて舞台の企画・脚本・演出・主演を務める。

2018年の1月に所属事務所からの独立を宣言した女優の小泉今日子(51)と不倫関係にあることを明かした俳優の豊原功補(52)が3日、都内で緊急会見を行った。

自身の家族とは約3年前から別居状態にあり、その頃から小泉と交際していたことを明かした。

最新作として、2023年には、ドキュメンタリー作家の森達也監督の劇映画デビュー作「福田村事件」で、村長の役を熱演。
活躍の場をさらに広げている。


■米山善吉

名バイプレーヤーとして、多くの映画やテレビドラマに出演した。

<映画など>

恐怖のヤッちゃん(1987年)

<テレビドラマ>

2011年に引退されて鹿児島市の会社員になっているそうです。



■松田洋治

老けたなぁ、松田洋治さん。いまは、声優や俳優の専門学校の先生にも力を入れている

1995年客室乗務員の女性と結婚するが、その後に離婚

1997年には、アニメ映画『もののけ姫』の主人公であるアシタカの声や、同年、映画『タイタニック』主演のレオナルド・ディカプリオ吹き替えを担当し、知名度を高める。
ただし、宮崎駿監督作品に関しては『もののけ姫』が初ではなく、1984年の『風の谷のナウシカ』にも出演している他、1987年にも『シュナの旅』の主人公であるシュナの声をラジオドラマで演じている。

2006年、再婚。2男あり。同年、東京アニメーションカレッジ専門学校講師として演技指導

近年は舞台を中心に活動を続けており、蜷川幸雄青井陽治等の演出家と仕事をしてきている。『北の国から』では、黒板純役のオーディションを受けたことがあるという。

<主な作品>


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■続編「帰ってきた桃尻娘」に使用された洋楽&アメリカン・ブリティッシュオールディーズポップス


◉リーン・アンダーソン「ローズガーデン」

⇑南沙織のデビュー曲「17歳」は、この曲のパクリ。筒美京平さんが換骨奪胎した傑作になりました。


◉スティックス「Mr. Roboto」

⇑1980年代の曲だと思いますので、この曲は当時、オールディーズではないです。


◉ビーチボーイズ「グッド・ヴァイブレーション」Good Vibrations

⇑名曲ですなあ。これぞ、ビーチボーイズ。


◉ポール・アンカ「ダイアナ」

⇑某外国人音楽評論家は、「ダイアナは日本人の作曲家が書いたんじゃないの!」と驚いた。それほど、日本人好みの曲であります。


◉ジェファーソン・エアプレイン
「Somebody to Love」



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■一作目「桃尻娘」で、一番泣けるシーンで、締めましょう。ほんと、泣けます 涙

ポール・アンカの「クレイジーラブ」が効果的だ。

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