記事一覧
ひとりなら/榮猿丸 鑑賞文/ゆきまち
俳句四季 2021.12月号 俳句と短歌の競詠より
榮猿丸先生の ひとりなら~10句の鑑賞文です
重ね脱ぎせる女の胴や捩れ伸ぶ白息のおほいなる君悩むなよ黙の果モヘアの胸の糸くづ摘む電子レンジの扉に映る毛布かな別れ告ぐれば残響あはし冬苺蜜柑一房抓み胎の子これくらゐ鼬ひき殺しただらうひとりなら電線に天使ぎつしり聖夜の果君消えて黝き穴や布団の中五感のみ目覚むるからだ十二月
2023 花百句より
リュックから箸と花片二三枚
花の香に生後五日の犬や伸ぶ
花房や猫の丸みとくにおしり
実家てふ言葉酷なり花の陰
花月夜生卵溶きぬるき飯
花の露甘し恋にしては苦し
病窓は天井までや母の花
花を惜しむ猫の項をさがしをり
絡ませた小指残花のエレベーター
徒花や乳房は重き罪のやう
俳句生活~よ句もわる句も~風のまとめ
風組の2019年組2023年1月兼題 春待つ
待春や閑雲といふ水の仮死
いかちゃん
入院のための退院春を待つ
磐田小
絵馬殿を吹き抜ける風春を待つ
詠頃
ごめんねのねを言ひたしよ春を待つ
髙田祥聖
春を待つお手玉二つ三つ四つ
藤田ゆきまち
春待つやハシビロコウに嫁来たる
藤雪陽