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ボードゲームと剽窃/盗作/パクリと著作権であれこれ書いてみた

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全くの素人の戯言ですが、ボードゲームの知的財産権(主に著作権)を中心に、いろいろ考えたnoteになります。 内容に矛盾・不適切・誤謬などありましたら、ぜひぜひお知らせください。… もっと読む
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「日本では、ボードゲーム(パズルゲーム)に著作権はない」という仮説を立てて、いろいろ考えてみる。

前回、前々回のノートの最後にタイトルの通りのことを書きましたので、仮説の回収に入ります。 最初にお断りしますが、自分は弁護士や弁理士ではありませんし、どこかの大学の法学部の学生だったということもありません。 ですので、これから書くことは、仮説だらけになると思います。ここがおかしいと思ったら、それは仮説なので個々の考えどころだということです。 スポーツの著作権 ボードゲームの著作権(知的財産権)を考えるにあたって、ボードゲームとよく似た事例を見ようと思います。そこで、スポーツ

超動くマンカラ(8)~「おわり」と「おーわーりー」

前回の超動くマンカラは番外編でした。 前回の本編(もう1ヶ月前の話)はこちら。 さて、この記事をアップした時期(2022年4月23日)は「ゲームマーケット2022春」の開催真っ最中です。 さらに、2022年はボードゲーム制作者Alex Randorph(アレックス・ランドルフ)の生誕100年にあたります。 特設のサイトが登場しております。 なんでいきなりアレックスさんなのか。 それはマンカラをつくっているからです。 『Oh-Wah-Ree(オー・ワー・リー)』。 1

(ボードゲーム『ハゲタカのえじき』のルールに酷似していると一部で騒がれていた)対象年齢7歳以上の百合カードゲーム『ヤバ百合会の妹たち』について、いろいろ考えてみる。

またもやボードゲームの類似酷似騒動 先日、以下のツイートを見ました。 『ハゲタカのえじき』は、こちら。 Twitter上で、ルールが同じだ、酷似しているぞ、パクリだ、と、また騒動が起こってしまいました。 で、この騒動については、スルーします。 もうすでに、大勢の人がいろいろ話されているので、追加でコメントしなくてもいいかなあと。 おおよそは、関連する記事をまとめた下のマガジンであれこれ書いていることと重なるので。 それはそうと、今回騒がれた『ヤバ百合会の妹たち』。 ど

ボードゲーム『Bamboo Bash』を入手したので、その経緯などを書いてみる。

『Bamboo Bash』 is back.2021年の2月、noteにこんな記事を書きました。 Imperial Publishingが製作した『Bamboo Bash』が、『Tok Tok Woodman』のパクリではないか、として騒動がありました。 Kickstaterでファンディング募集をかけましたが、トラブルなどありまして中止しました。 準備が整えば再度Kickstaterにアップするとしていましたが、立ち消えとなっていました。 しかし、発売に向けての準備は着々

「『ガムトーク』のルールパクリ疑惑サイト騒動」について、いろいろ書いてみる。

前回は、自分のnote史上最おバカな記事を書きました。 この記事をアップする前日に、Twittetでおきてしまった騒動です。 はい、またまたボードゲームのパクリ疑惑騒動です。 ということで、色々書きます。 『ガムトーク』とは『ガムトーク』は、同人の角刈出版さんが作成したボードゲームです。 2020年にengamesから発売されているので、単なる同人ゲームというくくりはできません。 今年(2021年)には続編の『ガムトーク2』も発売されています。 どのようなゲームな

「(ボードゲームの)ルールに著作権を認めた国は壊滅する」という仮説を考えてみる。

はいはい。 またもや前回、前々回、前前前回をふまえて書きます。 前回のnoteは でした。 そもそもの元ネタは、2021年5月25日に、下のリンクにある「第1回ボードゲーム有識者(?)会議 徹底討論! パクリ問題と著作権を語る夕べ」がありまして、 それに前後して、前準備と視聴後の感想や考察・仮説などをnoteに書いています。 会議は、討論というよりもむしろ個人の意見を自由闊達に話す感じでした。 討論として拝聴した方にとってみると多少なりともギャップがあり、批判的な意見

(日本にいても)「ボードゲームの著作権を取得できる方法」の仮説を考えてみる。

またまた前回、前々回のnote 『徹底討論!パクリ問題と著作権を語る夕べ』についての続きになります。 この会議の配信を視聴した方々の感想がツイートされたものをまとめたTogetterがアップされました。 なかなか辛辣な意見が見受けられます。 一通り読んでみたのですが、ある事柄・話題が書かれていないことに気付きました。 日本以外での知的財産権 です。 会議の配信では、ちらりとアメリカやヨーロッパの著作権について触れてはいましたが、スルーです。 本来、日本国内と海外での

第1回(ボードゲームの)有識者会議『徹底討論!パクリ問題と著作権を語る夕べ』について、いろいろ書いてみる

前回のnoteは、 でした。 5月25日にライブ配信されて、翌日にアップされたアーカイブを拝観しました。 また、Twitterなどでの視聴者の感想・意見なども拾い読みしました。 ということで、珍ぬなりの感想や、もし第2回以降が開催されるならば、どのような話題や参加者をのぞんでいるかなど、書いてみます。 有識者の現状を知る視聴者の意見をみると、会議参加者の言動についての物言いや批判などが目立っています。 まあ、それは言いたいこと言いやすいことかも知れません。 一意見として

『徹底討論!パクリ問題と著作権を語る夕べ』(ボードゲームの)が配信されるので、まだnoteにしていない小ネタをとりあえず書いてみる。

今回のnoteの予定は「MENSAについて」書くつもりでしたが、Twitterでちょっと見逃せないつぶやきがありました。 (5月)25日火曜22時30分頃からボードゲームのパクリ問題や著作権について様々な視点から語り合う座談会企画を開催します!参加者はカワサキファクトリー川崎さん、オインクゲームズ佐々木さん、TGiW小野さん、翻訳家沢田さん、テンデイズタナカマさん他。 珍ぬは、今回のテーマ「(ボードゲームの)知的財産・著作権・パクリ」に関連したnoteを結構アップしていま

Table Games in the Worldのエッセイ「ボードゲームの盗作判断をめぐる4つの立場」を読んで、いろいろ考えてみる。

2021年4月3日。 Table Games in the World(以下、TGiW)で、以下のエッセイが書かれました。 このエッセイが書かれてから、珍ぬのnoteでとある記事のアクセスが増加しました。 エッセイの冒頭に7つの事例をあげているのですが、ありがたいことにその1つのリンク先が上の記事なのです。 他にも7つの事例から2つほど、noteの記事として書いたこともあります。 盗作疑惑をどのようにみるのか。 なかなか考えさせられる内容ですので、参照引用しつつ、掘り下

「『Bamboo Bash』を制作したInperial Publishing Incは、Justin Ohさんと果たしてコンタクトは取れるのか?」について書いてみる。

まずは全く関係ない話を。 『Design SHOGI』のプロジェクトが終了しましたので、ありがとうございますのお知らせ。 180人(でも1人は自分なので179人)のバッカーのみなさま。 そして、逡巡してキャンセルした方々。 検討してプレッジを見送った方々。 単に見に来ていただいた方々。 ありがとうございました。 そして、Logy Gamesの山本さん。 ありがとうございました。 では本題です。 Kickstarter開始3時間後にキャンセル。 その後さらに騒動となって

「『Bamboo Bash』が見落としてしまった『Toc Toc Woodman』の長所」について書いてみる。

終了するまで繰り返すいつもの最初のお知らせ。 https://www.kickstarter.com/projects/logygames/design-shogi Kickstarterにて、将棋の駒を漢字ではなく動きのアイコンであらわした『Design SHOGI』、そして将棋をベースにしてコンパクト化した『Le SHOGI』『Pop SHOGI』のプロジェクトが稼働中です。 終了日は3月9日(火)。 英語だからわかりません、とお嘆きのあなたには、日本語で翻訳した

「『Toc Toc Woodman』を模倣した『Bamboo bash』騒動」について、書いてみる。

最初に全く関係ないお知らせ。 Kickstarterにて、将棋の駒を漢字ではなく動きのアイコンであらわした『Design SHOGI』、そして将棋をベースにしてコンパクト化した『Le SHOGI』『Pop SHOGI』のプロジェクトが稼働中です。 終了日は3月9日(火)。 みなさま、よろしくお願いします。 以上、お知らせ。 では、本題入ります。 『Toc Toc Woodman』『Bamboo Bash』とは? 珍ぬが初めて『Toc Toc Woodman』を知ったのは

ボードゲームの「ルール」と「メカニクス」の違いを考えてみたら、いろいろ話がひろがったので、とにかく書いてみる。

「ルール」と「メカニクス」の違い 発端は、上杉真人さんのツイート。 「ルール」と「メカニクス」の 違いってなんですか!? 教えてください!! スレッドを追うと、様々な意見・見解があり、大変面白いです。 仕事の休憩中に読みまして、短時間で考えたことを引用リツイートしました。 「ルール」も「メカニクス」も、law。 ただし「メカニクス」は「(数学や物理などの)自然法則」寄りのlawで、「ルール」は「(道徳や慣習・約束などの)人為的法律」寄りのlawかと。 言い換えると、