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読書

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マイ本棚、桜吹雪の乱。

マイ本棚、桜吹雪の乱。

春眠暁を覚えず。

いささか日中はほんのりとした太陽の温かさについ眠くなってしまう。
この季節は新しいことを始める時期としても最適である。

かくいう私も最近ゴルフを始めた。

先の健康診断でお腹周りにほんのりと警鐘を鳴らされてしまったため、苦手な運動を取り入れてみようと思い立つ。
矢継ぎ早に揃えたクラブ一式を担いで近所のゴルフ練習場へ。

無論、構えはYouTubeのスイング講座で徹底的に頭に刷

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文學界23年12月号読了。奈倉有里と逢坂冬馬の対談を読む。
実の姉弟であることに驚きつつ、ロシア情勢や大学で文学を学ぶことの意義を深く深く考えた。進路に悩む高校生は近日刊行される奈倉さんの「ロシア文学の教室」をまとめた本を読むと良いと思う。

藤野可織「爪と目」再読。短編が三つの戦慄系ホラー文学。
第3編「ちびっこ広場」が一番ゾワッとする。
夜中に背筋を伸ばして読んでいたら、背中のちょうど真ん中から上にかけて鳥肌の波が押し寄せてきた。ある意味、快感。
こういう二人称形式で文章を書いてみたいな。。。

芥川龍之介選 英米怪異・幻想譚を読了。芥川は無名時代、英米文学に傾倒しており、自らも海外作品を翻訳していたということに新鮮さを覚える。短編「馬の脚」は切ない面白さを求める人におすすめ。柴田元幸ほか豪華翻訳陣。見つけたら買いだと思う。

小説のこと全然解らなくて、解ろうとして読んで、解った気になって、解らないまま寝て、また翌日解ろうとして読むの繰り返し。
その繰り返しの衝動があの本棚に集約されているんだと思う。
解る日が来るのか疑問だが、特段解らなくてもいい気もしている。

「向田邦子全対談 向田邦子全集 別巻一」読了。
実際に対談したことのない山口瞳による「対談せざるの弁」を冒頭に持ってくるところが微笑ましい。「こんな女に逢ったらモミクチャにされちまう」と嘆いているが、これもまた愛情の裏返し。ほかに、吉行淳之介、阿川弘之、江國滋の対談が良かった。

マイ本棚、秋の大運動会。

マイ本棚、秋の大運動会。

天高く馬肥ゆる秋。

朝晩の冷え込みが日増しに強くなるとともに、日中の秋晴れが心地よい季節となった。

巷の小学校では運動会が盛んになり、医療機関である私の勤め先でもめいいっぱいに頑張ってきた反動からか鼻風邪を引いた子供たちが大挙して待合室でお母さんと仲良く待っている。

「かけっこは1番だったんだよー!」
洟を早く拭きなさいとしきりに促す母を余所に、先生に自慢げに話す男の子を周りのスタッフも微笑

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マイ本棚、春の健康診断。

マイ本棚、春の健康診断。

土曜日を含めカレンダー通りに勤務した怒涛のゴールデンウィークも過ぎ去り、ようやく休日にいつものカフェでモーニング読書が出来た。

勤務先は一応医療機関ということもあり、この日の待合室には小さい子供を連れたママさん達が、あやしながら子供の名前を呼ばれるのを待っていた。

「お大事にどうぞー。」
聞こえるかいないかくらいの声で見送ると、手を振って返してくる子供。微笑ましい光景に忙しい待合室の空間がほっ

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My本棚のその後と余談。

My本棚のその後と余談。

初のマイ本棚の続編を無事に公開できた。

仕事が年明け最初の佳境に入ったおかげでなかなか更新が滞ってしまっていたが、こうして日の目を見ることになりホッとしている。

昨年の7月に購入したサイズオーダーの本棚。
まずはその収納力に脱帽している。

分厚い単行本や図録が多いため当初100冊程度が妥当かと思っていたが、奥行きがあるのにも助けられ現在優に200冊は収まっている。

前回お迎えした日。
実際

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初めてMy本棚をお出迎えした日と本棚紹介。

初めてMy本棚をお出迎えした日と本棚紹介。

先日、本好きな私にとって「居場所」とも呼べるものをお出迎えした。

真っ白な本棚である。
見ての通り、とても綺麗だ。

家具のアウトレットセールにて一目惚れした。ただ、アウトレットとは言ってもちゃんと相談した上で決めたオーダー品である。

収納ボックスを天井近くまで取り付けたかったので、寸法を調べてサイズオーダーで注文してみた。

待つこと一か月弱。
遂にその日を迎えた。

配送業者さんが我が家の

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棚下に広がる秘密。

棚下に広がる秘密。

古本市には時として陳列される棚の下に名著が潜んでいることがある。

木製の本棚タイプではなく、台車の下に空間があるタイプの陳列棚は、慣れない人は素通りされるコーナーだ。

「そもそも棚下の商品は手を出してはいけないのではないか?」

自分も初めはそう思っていた。

しかし、とある古本市で熱心に陳列台を覆うテーブルクロスの下を覗き込むおじさんがいた。

「あそこは探っちゃダメだろう。」

そう思って

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本が読める幸せ。

本が読める幸せ。

もともと文章にしたり口に出して表現することが好きではない。

何より下手だから。

その代弁として、頭の中で考えている表現したいことや同意するフレーズを探すように本を読んでいる。

しかし、自分だけがしっくりくるフレーズを見つけて思わず昇天だけしているのは実にもったいないことだと考えるようになった。

今自分が本を買って読んでいることがどれだけ幸せなことか、ふと噛みしめる。

もともと本は好きだっ

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