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日記

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記事一覧

2020/2/24

青山に行ってみたい喫茶店があって、わざわざ友人を表参道まで呼び出しておいてから定休日であることに気付く。仕方なく周辺を歩いてみつけたカフェに入る。ふだん、私があまりにもデートが好きなせいで「デートプランのご提案」がいつも100通りあるものだから、相手のエスコートで出歩いたりそもそもノープランで遊ぶ機会に恵まれず、却ってデートの醍醐味を味わえていないじゃないか。なんてことをよく思う。ので、予期せぬ定

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2020/2/14

「ハマスホイとデンマーク絵画」のために上野の東京都美術館へ。絵をみて雷にうたれるのは久々。滲んだようなタッチで描かれる夕焼けと木の陰。ピンボケ写真みたいだった。ハマスホイの作品ではない。そのひとの絵は他にあと1点かざられているだけだった。あとでインターネットで調べたら他の絵もちゃんと好み。Julius Paulsenという名前。詳しくはわからないが絵から察するに変なひとだったに違いない。カヤバ珈琲

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なにを持って相手を知ったと言えるようになるか、というのは、そのひとしだいだ。という当たり前のことにふときがつく。強面の中年男性が甘いケーキを食べているとき、(偏見に基づいた発想だ、という自覚の有無はさておき)彼の"ほんとの"一面を垣間見た、と喜ぶひともいれば、てっぺんの苺を食べるタイミングやいかに美しい食べ方を実践しているか?で性格や育ちの良さ(あまり好きな言葉じゃない)を判断するひともいる。たと

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2020/2/1

アルバイトを除いて、2日連続でひとに会うのはめずらしい。ひとに会わないと1日は1秒足らずで過ぎていく。ほとんどひきこもりニート、みたいな生活は時間が過ぎ去っていく実感も含めそこそこ精神にくるのだよ。

夕暮れ。土曜日の清澄白河を徘徊しながら、ちょうどよいカフェを探すもなかなか見つからない。あの町のひとびとは多分、やる気がない。たとえば蔵前ってイメージは似てても、もっとやる気あるんだろうな。行ったこ

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2020/1/31

二子玉川の本屋博に遊びに行って、同行者の友人はわたしが手にとる本をみてたびたびフームと唸った。いま沢木耕太郎の『深夜特急』を読み進めていて、旅行にさほど興味はないのに旅行記を。あと伊丹十三『ヨーロッパ退屈日記』の影響で、ごはんにさほど興味はないのに食に関するエッセイ。そしていくつかタイトルに聞き覚えのある洋書を物色した。友人はガーデニングの本なんかをパラパラとみていた気がする。本屋のひとたちが気さ

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2020/1/6

2020/1/6

明けましておめでとう。年が明けて、みんなが日常の社会生活に戻っていって、ひとり取り残されているような感じのこの頃。ちかごろ、ほとんど引きこもりの無職のような暮らしをしているのだけど、楽しくもあり、苦しくもあり、かといって社会復帰(そんな言葉は変だ、だって私は社会に属していたことなんてないもの)できそうだ、とかしたいな、とか思わないのだけど。美しさを犠牲に生活を続ける叔母、とその弟である、肉体をすり

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metamorphose

塾の先生をしていたことがあるのだけれど、英語のできない生徒というのは普通の(試験で赤点をとらない程度のレベルの)人間からするとびっくりしてしまうほど英単語を知らない。(大抵日本語の語彙が少ないこと関係があるのだけど。)"house(家)"はわかるが"space(場所)"になると抽象的になるからなのか、もうわからないらしい。日常生活で絶対に聞いているはずの単語なのに。

そう考えると幼少期にゲームで

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2019/9/19

2019/9/19

完全なる飼育。アルファヴィル。フェリスはある朝突然に。女と男のいる舗道。

なんでもない。ただの映画のタイトルである。後者2つは今日、TSUTAYAで借りようと思っていた作品。前者2つは実際に借りた作品。

今日は渋谷までの定期券を買ってみた。買ってみた、なんて書いたけれどいちおう理由はある。書かないけれど、理由はあるのだ。ところで「あいつは薄っぺらだ」という文言って、批判として成立するのだろうか

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諏訪敦彦監督の講義をうけた

 「邦画って特に昔はお客が全然入らなかったんですよね。暗いしドロドロしてるし、なんでこんなものわざわざみせられなきゃいけないんだっていう……」と監督自身が授業内で仰っていたそのままの理由で基本的には邦画が苦手で、諏訪監督の作品も観たことがなかったのだけど、ではなぜ監督の授業をとったかというと「せっかく有名な人の授業が受けられるんだから」という完全にミーハー心と気まぐれによるものだった。確かに褒めら

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2019/8/1

 愛と憎しみのキャンパスライフにもゴールが見えてきた。5年目にしてようやく大学生活最後の試験を終えて、あとはレポートを提出したら夏休みだ。無期限の。ここにきて『ロングバケーション』を観ていた中学生の頃の記憶に救われるなんてね。いやはや。

 そういえば、大学に入ったあとふとしたきっかけですっかり勉強ができなくなってしまったことがあった。参考書やノートの文字の意味が追えなくなって、意味の追えないそれ

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2019/6/27

ああ、もう、それは散々な就職活動だった。今思えば、スーツ屋さんが墨汁をぶっかけたみたいな真っ黒のスーツしか売ってくれなかった時点で散々だったのだ。2万、3万の衣類を買うことなんて滅多にないのだから、せめて好みのスーツを選びたかったのに、希望を伝えても他の色のものは見せてくれさえしなかった。

かつてのファンからは不評を買っているらしい(気持ちはわかる)オザケンのTwitterが結構好きなのだけど、

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2019/4/18

不気味の谷、ではないけれど誰かのことを知れば知るほど距離を置きたくなることってあって、まあそんなことは当たり前、でなきゃ「外面」などという言葉は存在しないわけである。一対一の人間関係はダイビングに似ていて(したことないけど)、浅瀬で泳いでいた頃には戻れない、美しい魚に出会うこともあれば単に荒涼とした冷水が広がっていると気づくこともある。大切な思い出は実は消費物であって、誰かに話すとその度に貴重さが

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2019/2/9

朝、カーテンをあけたら細かい雪がさらさらと舞っていた。小さな粒ひとつひとつが太陽光を反射するのだろうか、白く光ってまぶしい。地球に届く無色の太陽光は上空で空気の粒に散乱され、青い空になる。なんとなくそういう、見えるものと見えないものの関係について考える。東京では今年二回目の降雪だそうなのだけど、前回は寝坊して見逃したので私にとっては初雪である。

上野の駅中のチェーン店に入り、窓際の席に通され昼食

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2019/1/21

2019/1/21

そうそう、本来はこういうことを書きつけたくてnoteを始めたのだった。みなさま今年の大河ドラマ『いだてん』はご覧になってますか。先日第3回の放送があって、まだまだ始まったばかりなのだけどわたしは日々、こういった、人生を送ることを肯定してくれているような作品に触れられるって素晴らしいことだよなぁと少々大げさに作品を愛でている。

とにかく、なにより主演の中村勘九郎さんの演技が大変好ましい。彼の演じる

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