大林河

NHKスペシャル「驚異の小宇宙 人体」でT細胞に恋に落ち、T細胞たちの視点で人体を見た…

大林河

NHKスペシャル「驚異の小宇宙 人体」でT細胞に恋に落ち、T細胞たちの視点で人体を見たファンタジー風の戦争物語「Being」を2008年より自サイトにて連載開始、現在第21話。法律擬人化漫画も作成。 漫画サイト→http://pelagus.sub.jp/actiolic/

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  • 1日20分の免疫学

    「医系免疫学改訂16版」の公開型自主勉です。 T細胞に惚れて数十年、細胞擬人化漫画を描き始めて十数年の素人が、どこまで推しを知ることができるのか学べるのか挑戦中。

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記事一覧

1日20分の免疫学(4)免疫とは④

最初の防御~皮膚と粘膜~ 本「生体が外界と接しているのは皮膚と粘膜。皮膚は角質が発達しているので微生物や異物は侵入しにくい」 大林「それで粘膜からが多いのか」 本…

大林河
6日前
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1日20分の免疫学(3)免疫とは③

自然免疫について 本「獲得免疫と異なり、即戦力的な機構(自然免疫)がある」 大林「自然免疫は非特異的なんだよね、大まかにヤバいやつを判断して即応!」 本「リンパ球は…

大林河
13日前

1日20分の免疫学(2)免疫とは②

一つの抗原に対応できるリンパ球は1万個に1個 本「特定の抗原に対応するリンパ球は、多くて1万個に1個程度」 大林「だからその選ばれしリンパ球がクローン増殖するんだよ…

大林河
2週間前
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Oisixお試しセット×1人暮らしレポ

深夜にうっかりポチったOisix 去る3月24日、土曜から日曜へと日付が変更した頃…… 電子書籍で購入している漫画の続刊が発売されていることに気づいて、hontoでポチッ…

大林河
3週間前
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1日20分の免疫学(1)免疫とは①

本「2021年11月に出版されて積読されてた医系免疫学改定16版です」 大林「お待たせしましたぁッ!今日からよろしく」 本「免疫学の教科書はもう何冊か読んだね?」 大林「…

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1か月前
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1日15分の免疫学(130)免疫応答の操作⑧

入口の防御か全体の防御か 本「理想的なワクチンは、感染源が侵入する場所で防御反応を誘導するもの」 大林「侵入個所を防御出来たら感染しないもんね」 本「なので、病原…

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1か月前
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応援上映行ってきた記録

去る3月8日、映画「ゲゲゲの謎」の応援上映に行ってきました。 応援上映とは、 「映画の上映中に観客が大声を出すことが認められた特別上映回。映画上映中に観客の声援…

大林河
1か月前
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1日15分の免疫学(129)免疫応答の操作⑦

ワクチン開発で大事なこと 本「ワクチン開発の成功に必要なことはまず安全性、 大半の者に防御免疫が誘導されること、長期の免疫力が誘導されること( T 細胞 B 細胞 両方…

大林河
1か月前
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1日15分の免疫学(128)免疫応答の操作⑥

ワクチンと感染症について 大林「ジェンナーとパスツールから始まりましたね」 本「ワクチンの目標は、持続的な予防免疫を誘導すること。一度の感染でしばしば防御免疫が…

大林河
2か月前

1日15分の免疫学(128)免疫応答の操作⑥

がんと免疫療法について 本「がん免疫療法には、CAR-T細胞や単クローン抗体のほかに2つの主要なアプローチがある」 大林「ワクチンと…なんだろ」 本「がんワクチンは、…

大林河
2か月前

1日15分の免疫学(127)免疫応答の操作⑤

腫瘍拒絶抗原の分類 本「腫瘍拒絶抗原はいくつかに分類できる」 大林「腫瘍を拒絶する抗原……T細胞が排除対象として認識する抗原ってことかな」 WEB「ヒトのメラノーマ細…

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2か月前
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1日15分の免疫学(126)免疫応答の操作④

本「免疫抑制状態で腫瘍が成長する例として、固形臓器の移植後で免疫抑制状態にしている患者で起きる移植後のリンパ球増殖性疾患がある」 大林「感染症とかでもないのにリ…

大林河
2か月前
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1日15分の免疫学(125)免疫応答の操作③

がんと免疫について 本「先進国の三大死因は、がんと感染症と心血管疾患。感染症の治療や 心血管疾患の予防の改善が続いて平均寿命が延びるのに伴い、がんが一番の死因と…

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3か月前
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1日15分の免疫学(124)免疫応答の操作②

抗体製剤について 本「抗体は、より選択的に働き、直接的な毒性が低い可能性がある」 大林「抗体製剤ですね!」 本「抗体製剤の開発は、19世紀後半にジフテリアや破傷風の…

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3か月前

1日15分の免疫学(123)免疫応答の操作①

第16章 免疫応答の操作序章 大林「第16章はどんな内容?」 本「望ましくない免疫応答の抑制や防御免疫を高めたりする方法について」 大林「後者であればワクチンや血清…

大林河
3か月前

1日15分の免疫学(122)自己免疫と移植15

胎盤と免疫抑制について(前回からの続き) 本「胎盤は、栄養素の枯渇により母親のT細胞を抑制しているのかもしれない」 大林「胎盤って栄養たっぷりなイメージあるけど?…

大林河
3か月前
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1日20分の免疫学(4)免疫とは④

1日20分の免疫学(4)免疫とは④

最初の防御~皮膚と粘膜~

本「生体が外界と接しているのは皮膚と粘膜。皮膚は角質が発達しているので微生物や異物は侵入しにくい」
大林「それで粘膜からが多いのか」
本「それに対応するため粘膜には全身の免疫系とは独立した免疫系が形成されている(粘膜免疫)」
大林「なるほど」
本「粘膜での獲得免疫を得るには抗原が粘膜から侵入してくることが望まれる」
大林「ワクチンを粘膜に接種する方法だね」
本「粘膜は栄

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1日20分の免疫学(3)免疫とは③

1日20分の免疫学(3)免疫とは③

自然免疫について

本「獲得免疫と異なり、即戦力的な機構(自然免疫)がある」
大林「自然免疫は非特異的なんだよね、大まかにヤバいやつを判断して即応!」
本「リンパ球は、抗原レセプターで自己非自己を精密に区別する。でも、侵入してきた非自己に対応できるリンパ球は少なく、効率は低い。クローン増殖にも時間を要する」
大林「だから大まかに判断して即応できる自然免疫が必要になる……まぁ、進化過程としては、まず

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1日20分の免疫学(2)免疫とは②

1日20分の免疫学(2)免疫とは②

一つの抗原に対応できるリンパ球は1万個に1個

本「特定の抗原に対応するリンパ球は、多くて1万個に1個程度」
大林「だからその選ばれしリンパ球がクローン増殖するんだよね!」
本「もしかして君は、侵入してくる"非自己"が1種類の抗原しか持っていないと考えてる?」
大林「えっ…」
本「仮に10種類の抗原を持っていたとすると?」
大林「そうか、1つの病原体≒1つの非自己=1つの抗原じゃないのか。もし10

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Oisixお試しセット×1人暮らしレポ

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深夜にうっかりポチったOisix

去る3月24日、土曜から日曜へと日付が変更した頃……
電子書籍で購入している漫画の続刊が発売されていることに気づいて、hontoでポチッた直後だった。

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7980円相当が96%オフの1980円!
※尚、ちゃんと覚えてないのでこの数字は間違っています。

おいしそうなモスの照り焼きハンバーグの画像と
いかに

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1日20分の免疫学(1)免疫とは①

1日20分の免疫学(1)免疫とは①

本「2021年11月に出版されて積読されてた医系免疫学改定16版です」
大林「お待たせしましたぁッ!今日からよろしく」

本「免疫学の教科書はもう何冊か読んだね?」
大林「うぃ、なので復習が必要と思った事と新規情報に絞って熟読するつもりです。次の本がもう来そうなのでややペース上げていきます」

1.免疫とは━免疫結合概説1免疫系の役割

本「免疫現象は、微生物の感染防御・異物の無害化と除去・ 他の

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1日15分の免疫学(130)免疫応答の操作⑧

1日15分の免疫学(130)免疫応答の操作⑧

入口の防御か全体の防御か

本「理想的なワクチンは、感染源が侵入する場所で防御反応を誘導するもの」
大林「侵入個所を防御出来たら感染しないもんね」
本「なので、病原体の侵入経路である粘膜の免疫を刺激するのが重要な目標となる」
大林「粘膜に直接といえば、経鼻ワクチンかな…」
本「そう。ほとんどのワクチンは注射で、痛みを伴うので接種率が減るし、人件費含む経費もかかる上に、大半の病原体の侵入ルートとは異

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応援上映行ってきた記録

応援上映行ってきた記録

去る3月8日、映画「ゲゲゲの謎」の応援上映に行ってきました。

応援上映とは、
「映画の上映中に観客が大声を出すことが認められた特別上映回。映画上映中に観客の声援、コスプレ、アフレコなどが許される新しい映画鑑賞スタイルであり、映画館では静かに映画を鑑賞するという従来の概念を覆すものである」

応援上映に行くと決めた経緯長いので要約ver.

・私は映画館に行くことは滅多にない。
・しかし「ゲゲゲの

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1日15分の免疫学(129)免疫応答の操作⑦

1日15分の免疫学(129)免疫応答の操作⑦

ワクチン開発で大事なこと

本「ワクチン開発の成功に必要なことはまず安全性、 大半の者に防御免疫が誘導されること、長期の免疫力が誘導されること( T 細胞 B 細胞 両方の感作が必要)、 安価であること」
大林「安全性は勿論だけど、安価なのは実際問題として重要だよね」

本「効果的なワクチンプログラムの有利性は集団免疫」
大林「数年前からテレビでも聞くようになったね。体質その他の事情でワクチン接種

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1日15分の免疫学(128)免疫応答の操作⑥

1日15分の免疫学(128)免疫応答の操作⑥

ワクチンと感染症について

大林「ジェンナーとパスツールから始まりましたね」
本「ワクチンの目標は、持続的な予防免疫を誘導すること。一度の感染でしばしば防御免疫が獲得される」
大林「しばしば…留保したな?獲得できない場合もあるからか」
本「感染による防御免疫獲得については、2000年前のペロポネソス戦争の頃に既に認識されていた」
大林「ま、まさかそれは…」
本「戦争中に2回続いてペストの大流行がア

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1日15分の免疫学(128)免疫応答の操作⑥

1日15分の免疫学(128)免疫応答の操作⑥

がんと免疫療法について

本「がん免疫療法には、CAR-T細胞や単クローン抗体のほかに2つの主要なアプローチがある」
大林「ワクチンと…なんだろ」
本「がんワクチンは、腫瘍が本質的に免疫原性が乏しいのでワクチンで高めようというアイデアに基づく」
大林「へぇ〜!つまり腫瘍細胞は攻撃対象になりにくいってことか。まぁ、排除されないからこそ増殖しまくってがんになってしまったから当然か」

本「2つ目はチェ

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1日15分の免疫学(127)免疫応答の操作⑤

1日15分の免疫学(127)免疫応答の操作⑤

腫瘍拒絶抗原の分類

本「腫瘍拒絶抗原はいくつかに分類できる」
大林「腫瘍を拒絶する抗原……T細胞が排除対象として認識する抗原ってことかな」
WEB「ヒトのメラノーマ細胞のMHC上に提示され,T細胞によって認識される癌抗原の遺伝子.MAGEと名づけられ,メラノーマだけでなく各種の癌にも発現することが判明した.正常細胞ではMHCを発現しない精巣の細胞にのみ発現し,現在ではCancer-Testis抗

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1日15分の免疫学(126)免疫応答の操作④

1日15分の免疫学(126)免疫応答の操作④

本「免疫抑制状態で腫瘍が成長する例として、固形臓器の移植後で免疫抑制状態にしている患者で起きる移植後のリンパ球増殖性疾患がある」
大林「感染症とかでもないのにリンパ球が増殖する病態ってことかな」
本「これは、エプスタイン・バール(EB)ウイルス感染によりB細胞が増殖するもので、免疫が正常であればB細胞が腫瘍化される前に感染細胞が排除される」
大林「EBウイルスか!別の章で学習したやつだ!キス病!」

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1日15分の免疫学(125)免疫応答の操作③

1日15分の免疫学(125)免疫応答の操作③

がんと免疫について

本「先進国の三大死因は、がんと感染症と心血管疾患。感染症の治療や 心血管疾患の予防の改善が続いて平均寿命が延びるのに伴い、がんが一番の死因となる可能性が高い」
大林「長生きするほど遺伝子の異常が蓄積されるもんね… 」
本「がん治療の最も大きな課題は転移metastasisの制御」
大林「英単語の発音はメタ……?」
看護ルー「転移:metastasis(メタスターシス)を「メタ

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1日15分の免疫学(124)免疫応答の操作②

1日15分の免疫学(124)免疫応答の操作②

抗体製剤について

本「抗体は、より選択的に働き、直接的な毒性が低い可能性がある」
大林「抗体製剤ですね!」
本「抗体製剤の開発は、19世紀後半にジフテリアや破傷風の治療のため開発されたウマ血清が最初」
大林「馬に感染させて免疫つくらせてその血液から抗体を採取するやつですね。ヒトからも採取してるよね、移植の章で書いてた…」
本「ドナーから集めた多クローン性抗体製剤の経静脈投与intravenous

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1日15分の免疫学(123)免疫応答の操作①

1日15分の免疫学(123)免疫応答の操作①

第16章 免疫応答の操作序章

大林「第16章はどんな内容?」
本「望ましくない免疫応答の抑制や防御免疫を高めたりする方法について」
大林「後者であればワクチンや血清から始まり…」
本「そうだね、病原体に対する免疫法や抗血清の開発は19世紀後半にかなり進んだ。免疫抑制については薬剤が導入されるようになった」
大林「色々と進化してるよね」

本「薬剤による操作は特異性が低く、効果も限定的だけど常套手

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1日15分の免疫学(122)自己免疫と移植15

1日15分の免疫学(122)自己免疫と移植15

胎盤と免疫抑制について(前回からの続き)

本「胎盤は、栄養素の枯渇により母親のT細胞を抑制しているのかもしれない」
大林「胎盤って栄養たっぷりなイメージあるけど?」
本「母親と胎児の境界の細胞ではインドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼという酵素が高発現していて、これは必須アミノ酸のトリプトファンを枯渇させ、トリプトファン欠乏のT細胞は反応性が低くなる」
大林「ほぉ」
本「妊娠マウスでこの酵素を

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