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言葉や文学の話

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言葉に関することや、好きな本のレビューなどをまとめています。
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記事一覧

方角と向きの釣られポイント

方角と向きの釣られポイント

たとえば電話口の方に「◯◯駅から東寄り」「◯◯橋から西側」と大まかな方角を伝える時に、わりと頻繁に言い間違えることがあります。

地図では北が上に来るので、左側が西、右側が東です。しかし、地図を見ながら「◯◯駅の左…」と言いそうになって方角の名称で言い直そうとする時に「ひだり」の語感に引っ張られて、つい「ひがし…」と口にしてしまうのです。

心の中で「しまった!」と思い、「東…いや、西です」と言い

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あんがぁ~あらがあんがぁ~

あんがぁ~あらがあんがぁ~

さて、先週末に少しパンチの効いたお叱り電話を頂き、相手方のあまりの暴発ぶりに思うところもあったのですが、週明けにご本人様より丁重な謝罪を頂きました。

「短気は損気」と昔から言われているように、時に人が怒りの感情を抑えられず墓穴を掘ってしまう場面に居合わせるたび、他人の振り見て我が振り直せ、と改めて自身の言動を戒める今日この頃です。

時代の変化、特に昨今のSNSの普及による価値観の多様化や、社交

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「wordle」の心得は「急がば回れ」

「wordle」の心得は「急がば回れ」

昨日、「すまいるスパイス」まったりコンビの相方であるMarmaladeさんが、オンラインゲーム「wordle」のつぶやき記事を投稿されていて、思わぬ偶然に驚きました。

このゲーム、実は私も毎日こっそり遊んでいて、いつか自分の記事で紹介する機会を伺っていたところだったので、こんなに身近に同士がいたとは知らず、こうして誰もが自由に発信出来ることの面白さを改めて感じた次第です。

「w

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【超SS】しゃべる?ピアノ

【超SS】しゃべる?ピアノ

ピアノ「ド~ミソ~(ラ~ララ~)」

私「今なんか歌ってた?」

ピアノ「ミソソソ~(ソラミミ~)」

私「もしかして空耳って言ってる?」

ピアノ「ファシ!(ソレ!)」

私「なら空耳じゃないじゃん」

ピアノ「ラーーーッ!(シーーーッ!)」

私「なんだろう頭がクラクラしてきた」

 

 

超SS第1弾はこちら(年齢フィルタ付きですが、安全安心のしょうもない小ネタです😊)

ニニニニニおっさんMUSIC VIDEO

ニニニニニおっさんMUSIC VIDEO

本日は2022年2月22日。「2並び」と言えば、音楽好きの私にとっては岡崎体育さんの『ニニニニニ』という曲が真っ先に思い浮かびます。

日付に2という数字が6つも現れたのは実に鎌倉時代の1222年2月22日以来800年振りの出来事とのことですが、その以前より先人たちは「五・七・五・七・七」の三十一文字に情緒を込めて詠う短歌を慈しんできました。

そして岡崎体育さんの『ニニニニニ』の歌詞では、
「五

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色鮮やかな冒険の物語、390円

色鮮やかな冒険の物語、390円

先日よりYOASOBIの各楽曲のEnglish.verが公開され、元の日本語歌詞の語感を残しながら綴られた英語の歌詞が注目されています。

中でも『たぶん』という楽曲のEnglish.ver『Haven't』は、タイトルの発音はもちろん、曲中の歌詞も元の歌の語感が特に忠実に再現されており、鬼のような制約の中で作られたであろう英語詞は、まさにプロフェッショナルの仕事だと思いました。

soon go

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難読「都道府県名」クイズ

難読「都道府県名」クイズ

先日、いつものようにnoteの投稿を放ったらかして、色々な地方の『難読地名クイズ』に挑戦しながら、ふと思うことがありました。

例えば京都の『太秦』は『うずまさ』と読みますが、知識として知っていれば読めますし、知らなければどう転んでも読めません。「初めて見る地名だけど、えーと…うず…うずまさ?」とはならず、結局は漢字の読み方の難易度よりも、その土地の知名度が正解率に大きく影響していると言えます。

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寝付けない秋の夜長の四十肩

寝付けない秋の夜長の四十肩

1か月くらい前から、寝る時の姿勢が巻き肩に近い状態になっていた為か、少しずつ右の肩が思うように動かせなくなっていました。右手を伸ばしても左の肩に届かないほど可動域が狭くなり、どうしたものかと思っていたところ、そのうち寝ても覚めても常に痛みや痺れが出始め、症状で検索すると「四十肩」と言うことがわかりました。

ちょうど今年で40歳ということもあり、加齢と共に誰もが通過する症例かと思いきや、発症するの

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先生が褒めてくれた秋の一句

先生が褒めてくれた秋の一句

ただ今、shinoさんのnoteにて「美味しい秋の句」を募集しているそうです。面白そう!または美味しそう!と思った方はぜひ↓↓↓

 

中学一年の国語の授業で、秋の季語を用いた俳句を集めることになり、たしか元の教材が言葉遊びの要素を多く含んでいたので、自分でも軽い気持ちで作ったのですが、何故かクラスの優秀作品に選ばれてしまいました。

その一句は、

争いも引っ張り合いもさつまい

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【詩】涙が出そうになる前に

【詩】涙が出そうになる前に

 
遠い夏の日 お爺ちゃん家の 大きな倉庫
秘密の部屋の 鍵を探しに 忍び込んだね
最後には いつも二人で 怒られたっけ

髪を巻き パンプスに慣れて
いつの間に 大人の真似だけ 上手になった
一緒に泣いた 風の帰り道
わたしは今も あの頃のままだよ

もう少しだけ 立ち止まってもいいかな
夕方のチャイム 滲む影法師
涙が出そうになる前に 涙が溢れて
おかしいね、って 今すぐに 伝えたいのに

 

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母なる海と、海なる母の物語

母なる海と、海なる母の物語

先週8月28日土曜日の「すまいるスパイス」にて、ピリカ文庫『海』の作品について、ぼんやりRADIOさんも私も、偶然「母」をテーマに書かれていた、という共通点の話をさせて頂きました。

その日に投稿した私の記事のコメント欄にて、くなんくなんさんが教えてくれた、詩人・三好達治さんの言葉が印象に残っています。

「海、遠い海よ!と私は紙にしたためる。――海よ、僕らの使ふ文字では、お前の中に母がゐる。そし

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ひまわりの小径と夏のラジオ

ひまわりの小径と夏のラジオ

水曜土曜はすまスパの日!

今回は久しぶりの朗読回、『ピリカ文庫』より「ひまわり」をテーマに、前半はsachiさんの作品をこーた、後半のバジルさんの朗読をピリカさんが務めます。

また、ひまわりにまつわるエピソードや、ピリカさんの大ヒット企画『曲からチャレンジ』の話など盛りだくさんでお送りしております。

音楽の話になるとつい熱が入ってしまい、マシンガントークを繰り

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のんびりと、歩いて行こう、どこまでも

のんびりと、歩いて行こう、どこまでも

今から遡ること15年前、定期的に購読していた文芸誌『papyrus』(パピルス)の巻頭特集「ソングライターは現代の詩人である」に掲載されていた、くるりの楽曲『東京』『BIRTHDAY』『男の子と女の子』の歌詞を初めて読んで、岸田繁さんの文才の豊かさに惹かれたことを思い出しています。

先日のくまさんの記事にて、いつも周りの人のてきぱきした速さについて行けずに取り残されるご自身への歯がゆさと、そんな

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改めて『100文字の世界』への感謝を込めて

改めて『100文字の世界』への感謝を込めて

普段はあまりnote企画やイベントに参加することの少ない私ですが、ある日、くなんくなんさんの記事にて『100文字の世界』タグを見掛けたことから始まり、間もなくミーミーさんの記事にて概要を知って、主催者であるニャークスのヤマダさんの新企画に参加したいと思いました。



noteではあまり明かしていませんが、日頃から原稿用紙のマス目を指折り数えて文字数制限と戦っている私にとっては、1

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