高下

Twitter @anrhrhr

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記事一覧

与奪

※嫌な終わり方をする 「俺が何のために生きてるか、わかるか」 日付が変わるか変わらないかぐらいの、曖昧な時間帯の居酒屋で、達巳が突然言ったので、俺は口の中にあっ…

高下
2か月前
36

昨日見た悪夢

昨日見た悪夢を共有します とても怖かったからです フォロワー?なのか知り合いなのかわからん異常によく喋る女と会い、人が死にまくっててヤバい噂の絶えない廃墟に行く…

高下
2か月前
19

万力と蝉

頭からギリギリと不愉快な音が鳴っているのを、俺は確かに聞いた。もしかするとそれは、外でセックスの相手を募っている蝉の張り切った鳴き声だったのかも知れないし、俺の…

高下
9か月前
50

簒奪

※暴力、血 縁の低い、ステンレス製の銀色の灰皿にぎゅうぎゅうに押し込まれていた煙草の吸い殻を、高屋は白い手が灰で汚れるのも気にせずに、素手でひっ掴んだ。ほとん…

高下
9か月前
36

キッズの頃に作った絵本出てきた

から、見て ええ話やんけ

高下
11か月前
60

はらわた

※犬猫が殺される描写があります 「内臓触りてえなって」 「は? なんて?」 「内臓」 「が?」 「触りたい」  部屋のど真ん中でデカい図体を横たえてグラビア誌を眺め…

高下
1年前
50

小説全部まとめ

色んなサイトに色んな小説を散らかしているため、まとめました。 【地獄行き】▼地獄行き 中編 多分一番読まれた カス親から逃げてる高校生と貧困中卒の話 ▼錠剤に花…

高下
1年前
34

ペットボトルめっちゃたまる

ずっと部屋にいる。部屋の中で一日が、というか一週間が完結する。部屋の中に、ペットボトルを大量に持ち込む。2リットルの水。水を飲むのは全然好きじゃない。水を飲むの…

高下
1年前
60

だだ

目の前、大きな窓枠の向こうを、無彩色の家々がゆっくりと流れていく。空は、上の方は暗い青色なのに、下の方はまだ燃えるようなオレンジ色を残していた。いや、事実、燃え…

高下
1年前
55

犬喰い

自分が最悪で最低な時は、好きな人たちに会いたくない。好きな人たちのことを好きなままでいられなくなってしまいそうになるし、そうなったら、世界で一番嫌いな、男のくせ…

高下
1年前
49

先天性気違い

 人間の中には、人間の皮を被った化け物が存在する。例えば、ピエロに扮して子供達に近づき三十三人もの少年らを殺害したジョン・ウェイン・ゲーシー。十七人もの青年を殺…

高下
1年前
54

うつつ

「何お前、葬式にでも行ってきたの」  真っ黒いスーツに身を包んだ友人と玄関先で対面した吉野は、開口一番にそう言った。 「ちげえよ、早く入れろ」 「どうぞ」  ネクタ…

高下
1年前
41

変態

 午後八時、ブロックで頭を殴られた。ブロックと言ってもLEGOブロックみたいなオモチャじゃなくて、民家の塀とかに使われる、コンクリートブロックだった。  殴られた時…

高下
1年前
80

理不尽の清算

 地面を歩く蟻を拾い上げて、水の張ったバケツに沈めることに、抵抗なんて一つもなかった。捕まえたトンボの羽を毟ることも、野良猫を追いかけることも、近所の犬の尻尾を…

高下
1年前
49

熱狂

 ぐしゃっ。だか、ぐにゃっ。だか、そういったような、自分の頭が潰れる音を、青田は他人事のように聞いていた。飲んでいた缶チューハイの中身が床に広がっていて、その炭…

高下
1年前
65

傷口を抉る

 スタジオ内はシンと静まりかえっていて、壁に取り付けられた巨大な鏡には、ドラムセットをいじくる俺の姿のみが映っていた。  チューニングキーでタムの張り具合を微調…

高下
1年前
83

与奪

※嫌な終わり方をする

「俺が何のために生きてるか、わかるか」
日付が変わるか変わらないかぐらいの、曖昧な時間帯の居酒屋で、達巳が突然言ったので、俺は口の中にあったキュウリを咀嚼し、飲み込み、日本酒を一口飲んだあとに、「は?」と言った。
「達巳が生きてる理由?」
「ウン」
赤い顔をした達巳は珍しく真剣な顔をして頷いた。俺は三秒くらい考えてから答える。
「俺のことが好きだから」
キャハハと達巳が笑っ

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昨日見た悪夢

昨日見た悪夢を共有します
とても怖かったからです

フォロワー?なのか知り合いなのかわからん異常によく喋る女と会い、人が死にまくっててヤバい噂の絶えない廃墟に行くことに。「チェ??」(覚えてない)という古い儀式をやると言い出す女。なんかヤバい匂いがしたけど何故かノリノリになってしまう俺。女についていくと、儀式と称して両足の膝から下を切断される(痛い)。痛いけど何故かそうするべき!と思い込んでなすが

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万力と蝉

頭からギリギリと不愉快な音が鳴っているのを、俺は確かに聞いた。もしかするとそれは、外でセックスの相手を募っている蝉の張り切った鳴き声だったのかも知れないし、俺の渾身の歯軋りの音だったのかもしれない。だけど俺には、その音が、耳の穴の斜め上、こめかみあたりから発されたように思えてならなかった。
小学生の頃、理科室の机についていた、アレ。あの長いネジみたいなやつをクルクル回すと、万力の要領で小さい鉄板み

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簒奪


※暴力、血

縁の低い、ステンレス製の銀色の灰皿にぎゅうぎゅうに押し込まれていた煙草の吸い殻を、高屋は白い手が灰で汚れるのも気にせずに、素手でひっ掴んだ。ほとんどの吸い口に薄赤い口紅の跡を残した煙草の集合体は、彼の手によって、鍋の中へと真っ逆さまに落とされた。コソン、コソンと、軽薄な音を立てて、吸い殻のひとつひとつが、鍋の底へと素直に落下した。
浅野は、その光景を呆然と見つめていた。苦く煙たい煙

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はらわた

※犬猫が殺される描写があります

「内臓触りてえなって」
「は? なんて?」
「内臓」
「が?」
「触りたい」
 部屋のど真ん中でデカい図体を横たえてグラビア誌を眺めていたフミヤがそう言い放ったのは、あまりにも唐突だった。週刊誌の熱いバトルシーンから現実に引き戻された俺は、彼の視線の先に目をやる。フミヤが広げていたのは、紐パン紐ビキニを身につけた巨乳の女が猫を抱いているページだった。
「お前、巨乳

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小説全部まとめ

色んなサイトに色んな小説を散らかしているため、まとめました。

【地獄行き】▼地獄行き

中編 多分一番読まれた
カス親から逃げてる高校生と貧困中卒の話

▼錠剤に花束を 

短編 高校生のうだうだした百合未満

【永遠にさようなら。】中編 二次で書いたやつの一次リメイク
死んだ義兄と一緒に暮らすことになった義弟が義兄の死体を埋めたりする話
ネットではサンプルしか公開してなかったけど全文公開した

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ペットボトルめっちゃたまる

ずっと部屋にいる。部屋の中で一日が、というか一週間が完結する。部屋の中に、ペットボトルを大量に持ち込む。2リットルの水。水を飲むのは全然好きじゃない。水を飲むのは全然好きじゃないと言うのは、水という飲み物が全然好きではないという意味と、水分補給が好きじゃないという意味がある。味のないものが嫌いだ。味がないからだ。味がないものを口に入れる意味がわからない。味がないのに、物理的には存在するし、感触も温

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だだ

目の前、大きな窓枠の向こうを、無彩色の家々がゆっくりと流れていく。空は、上の方は暗い青色なのに、下の方はまだ燃えるようなオレンジ色を残していた。いや、事実、燃えているのかもしれなかった。ここら一帯が、火事でも起こして、無数の民家がごうごうと燃えているのかもしれなかった。そう考えると僕は、随分と楽しいような気がしてきたが、同時に、もの凄く不安な気もしてきた。
耳の穴の奥で、町田康が何やらごちゃごちゃ

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犬喰い

自分が最悪で最低な時は、好きな人たちに会いたくない。好きな人たちのことを好きなままでいられなくなってしまいそうになるし、そうなったら、世界で一番嫌いな、男のくせに万年生理のヒステリー女みたいな性格をしている上司のことよりも嫌いな自分自身のことを、今よりももっと嫌いになってしまうだろうからだ。だから、私は、自分が最悪で最低なまるで腐った洋梨みたいに成り下がった時は、耳の穴にセメントでも詰め込んだつも

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先天性気違い

 人間の中には、人間の皮を被った化け物が存在する。例えば、ピエロに扮して子供達に近づき三十三人もの少年らを殺害したジョン・ウェイン・ゲーシー。十七人もの青年を殺害し、死姦に死体解体、それらを食っちまったジェフリー・ライオネル・ダーマー。全くの他人であった一家を洗脳し、殺し合せた松永太。複数の家庭を乗っ取り、疑似家族を築いて彼らを支配下に置き十名以上の死者・行方不明者を出した角田美代子。他にも、そう

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うつつ

「何お前、葬式にでも行ってきたの」
 真っ黒いスーツに身を包んだ友人と玄関先で対面した吉野は、開口一番にそう言った。
「ちげえよ、早く入れろ」
「どうぞ」
 ネクタイこそ締めていないものの、喪服のような黒スーツに身を包んだ坂本は不機嫌そうに玄関で革靴を脱ぎ、ずかずかと吉野の家にあがり込む。
「暑くねえの、そんなカッコして」
 吉野が戸の鍵をかけながら言うと、「暑いわけねえだろ」という苛立たしげな声

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変態

 午後八時、ブロックで頭を殴られた。ブロックと言ってもLEGOブロックみたいなオモチャじゃなくて、民家の塀とかに使われる、コンクリートブロックだった。
 殴られた時、最初はまさかコンクリートブロックだなんて思わなかったんだけど、というか殴られたのもよくわかんなくて、なんか変な音がして頭がすごく痛いなーなんて思ってたら血がぼたぼた垂れてきて、めちゃくちゃ気持ち悪くなってきて、は? と思って振り返った

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理不尽の清算

 地面を歩く蟻を拾い上げて、水の張ったバケツに沈めることに、抵抗なんて一つもなかった。捕まえたトンボの羽を毟ることも、野良猫を追いかけることも、近所の犬の尻尾を引っ張ることも、当然に湧き上がる欲求で、それを我慢する術を知らなければ我慢する必要があることすら、知らなかった。
 お腹が減ったらご飯を食べて、喉が乾いたら水を飲み、眠くなったら寝る。それらと同じような、当然の行いであったのだ。あの頃の俺に

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熱狂

 ぐしゃっ。だか、ぐにゃっ。だか、そういったような、自分の頭が潰れる音を、青田は他人事のように聞いていた。飲んでいた缶チューハイの中身が床に広がっていて、その炭酸の泡がポコポコと浮いている水面に、真っ赤な液体が混ざり、透明だった酒は青田の垂れ流す血液に侵食され始めていた。
 青田は、気分が悪くなってきた。痛いのは勿論だが、自分の血が混ざった酒は酷く不味そうだし、殴られた頭はなんだかぐにゃぐにゃに凹

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傷口を抉る

 スタジオ内はシンと静まりかえっていて、壁に取り付けられた巨大な鏡には、ドラムセットをいじくる俺の姿のみが映っていた。
 チューニングキーでタムの張り具合を微調整し、シンバルの高さを調節し、イスの位置やハイハットの開き、フットペダルの噛み具合なんかも自分好みにちまちまと変えていく。
 あとの二人がやってくるまではもう暫くかかるだろう。いつもそうだから、特に不満にも思わない。スタジオ代はきっちり三等

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